既にご存知の方も多いと思うけど、次期学習指導要領から、「主体的に学習に取り組む態度」が観点別評価から除外される見込みだ。確かに主体性を「数字で」評価するなどそもそもムリがあるし、それが現場の先生の負担になっているというのが今回の見直しの理由の一つのようだ。以下は文科省が公開している資料からの抜粋。

上記のとおり、これまでの観点は、
①知識・技能
②思考・判断・表現
③主体的に学習に取り組む態度
これらが以下のようになる見込みとのこと。
①知識・技能
②思考・判断・表現
■学びに対する本質が見えるのは
いわゆる、授業中の態度(積極性など)、提出物、そういう取り組みが評価対象から外されるということ。賛否両論あるようだけど、個人的には賛成だ。誤解を恐れず言うなら、授業中の態度などいくらでも作為的になれる。真面目で頑張る生徒を“演じる”ことができる子、一方、ものすごく頑張っているのに先生に上手く伝わらない子。また、提出物一つとっても、ワークなら答えの丸写し、調べ学習ならネットから得た情報のこれまた丸写しなど、いくらでも体裁だけは整えられてしまう。
だから、主体的に取り組んでいるかどうかなど、授業や提出物などで分かるわけがない。それは学校でも塾でも同じ。主体的に、どれだけ密度濃く、学びを深めようと取り組んでいるかが分かるのは自習のときだ。先生の目も、親の目も届かない、自習のときこそ、その子の学びに対する本質が垣間見える。「うちの子、机には向かっているのに・・・」という親御様は、お子様がどのように勉強しているかを“見てみぬふりをしながら”一度は見てみたほうが良いかも。内容云々ではなく、片肘つきながら勉強していないか(姿勢って大事。集中力に影響する)、ペン回しばかりしていないか、スマホ片手に勉強していないか、そもそも、ただ座っているだけになっていないか。
■過程を評価することも大事
ただ、こういう評価が全く必要ないとは思わない。本当に正直に真面目にコツコツ頑張る子はもちろんいるし、たとえ勉強が苦手でも一生懸命取り組もうと努める子はいる。努力や姿勢といった過程は評価するべきだ。見直さなければならないのは、このような評価が、「知識・技能」そして、「思考・判断・表現」と同等、評定の3分の1を占めてしまっている点だ。だから、次期指導要領では評価対象から除外(=数値化されない)はするものの、主体性が著しい場合は、①②それぞれの観点に○を付記するようになるらしい。
■学力相応の成績を
実際、この「主体的に学習に取り組む態度」の恩恵を受けている子はかなりいる。テストの点数の割には成績が良かったり(その逆もいるけど)。だから、我が子の成績を見て「???」な印象をもつ親御様も結構いらっしゃるのではなかろうか。ただ、そういうタイプの子は成績相応の学力に乏しいため、どうしても受験に弱く、悔しい思いをすることが多い。主体性ばかりが評価されているがゆえに、結果として受験で苦労するのは本人。そういう意味では、シビアに学力に応じた評価をすることは本人のためになると思う。
■主体性重視の功罪
また、この主体性には別の問題もある。いわゆる宿題一つとっても、今は自主学習という名の下、やる子とやらない子とではっきりと分かれている。結果として、やらない子は全くやらないため、驚くほどできなくなってきている。読めない(読まない?)、書けない(書かない?)、計算ができない、問題の意味が分からない、なんてザラ。一方、きちんとやる子はどんどんできるようになっている。加速していくこの二極化現象を見ていると、中学卒業(義務教育)までは半ば強制的にでも基礎学力をつけさせなければいかん、と塾講師ながら危機感を募らせる今日この頃。
いずれにせよ、
「頑張ってるからいいじゃん」が、次期学習指導要領では通用しなくなる。
今後の動きを注視していきたい。小学生以下のお子様をお持ちの親御様は、大学進学まで考えるとガッツリ関わってくる内容です。
