2023年度 中学生 第1回定期テスト結果(最終更新)

中学生第1回定期テスト結果です(全判明)。
弊塾は超少人数制のため、個人の特定がされぬよう学年の表記は控えさせていただきますが、通塾生それぞれの頑張りを是非ご覧下さい。

※教科別結果(50点満点)は難易度を考慮し得点率7割以上を記載

◆教科別①Excellent!
<得点率9割台(満点含)
国語47点!英語45点!

理科48点!英語47点!
国語48点!社会46点!
英語45点!理科46点!
国語49点!英語46点!
数学49点!英語46点!
国語47点!理科45点!
国語45点!社会46点!
数学46点!理科49点!
国語48点!国語45点!
理科45点!国語46点!
英語50点!理科48点

◆教科別②Great!
<得点率8割台>
国語42点!社会42点!

社会44点!数学44点!
社会41点!国語44点!
理科40点!理科44点!
国語41点!国語43点!

社会41点!数学44点!
英語44点!理科42点!
社会43点!理科42点!
英語42点!国語43点!
社会44点!数学43点!
英語43点!理科42点!
社会43点!理科41点!
英語43点!英語42点!
理科44点!

◆教科別③Good!
<得点率7割台>
数学38点!英語38点!

数学35点!英語35点!
数学35点!英語35点!
社会37点!理科36点!
英語38点!数学36点!
数学39点!理科38点!
社会36点!理科35点!
数学35点!英語39点!
国語39点!社会39点!
英語36点!社会38点!
数学37点!理科38点!

◆5科計(250点満点)
<総得点率8割以上>
216点!205点!
213点!
217点!
231点!208点!
234点!218点!

◆学年順位等
・中1:学年TOP2位を獲得!
・中2:学年BEST4に1名!
・中3:学年BEST10に2名!

まだまだ至らず。反省ばかりの第1回定期テストでした。改めるべきは改め、第2回に向けて邁進してまいります。

オール3は“真ん中”?(再投稿)

何回か記事にしているこのテーマ。以前の記事を編集し再投稿。
7月には夏休み前の仮成績が出る学校もあるため、中学校の成績とそれに伴う学力について知っておいてもらいたい。特に初めて5段階評価を受ける中1生とその保護者様には。

◆5段階評定は3つの観点の総合点から

①知識・技能
②思考・判断・表現
③主体的に学習に取り組む態度
※③が重視されるのが今年度からの公立入試

◆相対評価と絶対評価、何が違うの?

相対評価
親御様世代が中学生だった頃の評価法がこれ。評定5は7%、評定4は24%、評定3は38%、評定2は24%、評定1は7%、と、全体の中でどの位置にいるかによって評定が決まるというのがこの相対評価。簡単に言うと、上から順番に並べてここまでが5、ここからここまでが4で…といった成績の付け方。集団の中で他者と比較されて付けられる評価ということ。ゆえに内申点は学力の指標としてそれなりの信憑性があって、オール5なんて子は希有で、バケモノかと思ったほどだ。

絶対評価
現行の評価法がこれ。教育目標に対する到達度に基づいてなされる評価だ。簡単に言うと、個人の成績や生活態度等を総合的に評価するというもので、提出物、授業態度、学習への意欲や関心度などを点数化し、テストの点数と合算して評価がなされる。また、評定5の人数は○○%などという基準はないため、評価する先生によってかなりばらつきがあるというのが実際のところ。だから、“理屈の上では”全員5や全員4もあり得る。実際に教科によっては学年のおよそ半数の生徒に5がついていたなんて学校もある。“成績バブル”があるのは本当で、“学力に見合わない成績”がついてしまっているのも事実。

◆評定3は“真ん中”?

5段階評価の「評定3」といえば、真ん中とか普通とかいうイメージがあろうかもしれない。確かに相対評価の頃の「3」は全体のほぼ真ん中の成績で、学力的にも偏差値50前後の高校が多かった。真ん中を普通とみなすのであれば評定3は普通の成績だったといえる。それでは絶対評価における3はどうだろうか。まずは下の画像をご覧いただきたい。

これは、弊塾の子どもたちにも受験してもらっている全県模試さんの資料(縦軸が偏差値で各高校の○内の数値は平均内申点)から。まだ今年度の結果データが揃っていないため昨年度のものだが、著しく変わることはほぼないので参考にしてみてほしい。

【内申点算出法】
2年9科計+(3年9科計×2)=○○/135

では、説明していこう。
学校の成績がオール3だと9教科で合計27になる(内申81)。この成績で神奈川県の公立高校を受験するとなると、近隣高校では上記のとおり山北高校や小田原東高校を受験する子の平均的内申点であるということが分かる。そして、言わずもがな偏差値の真ん中は50で、両校ともに偏差値帯でいえば40前後。例えば100人中80番目ぐらいの順位の子が進学する学校。つまり、オール3というのは平均よりかなり下ということになる
一方、学校の成績がオール4の場合はどうか。9教科で合計36(内申108)という数値はだいたい偏差値帯でいえば50台前半ぐらいに位置する。要するにオール4というのは学力的には真ん中ぐらいということだ。近隣高校でいえば西湘や大磯がこれに該当する。このことから、学力的には、絶対評価におけるオール4は、相対評価におけるオール3とほぼ同じと言える。だから、親御様世代が受験生だった頃のイメージで神奈川公立高校の難易度を測ると判断を誤りかねない。

絶対評価。子どもたち各々のガンバリを評価するのは決して間違ってはおらず、むしろ正しいとすら思う。問題なのは、そこに学校間における一定の基準がないことだ。学校によってはえらく厳しくつける先生もいてほとんど5がつかないなんて学校もあったり、もちろんその逆も然りで、5が学年にワンサカいる学校もあったり。そのようにつけられた成績だけに、入試では思いがけないことも起こる。厳しくつけられた5と甘くつけられた5、どちらの受験生が入試で有利かは言うまでもないだろう。

◆結論

オール3は決して真ん中ではなく、むしろ下位であるという認識を。また、真ん中より上の高校を目指すなら、まずは最低でも成績はオール4を。そして、小田原高校や平塚江南、茅ヶ崎北陵といった、いわゆる“旧学区トップ校”を目指すなら、最低でも40/45(4と5半々ずつぐらい)を目標に。
大学進学を考えるなら、やはり最低でも偏差値50台(西湘・大磯レベル)までの高校には進学すべき。それを下回ってしまうと、中学内容の復習に授業時間の多くを費やさざるをえないため、大学受験に必要な高校の学習範囲が終わらない高校が多くなってくるからだ(偏差値50台前半の高校でもありえる)。また、上位校ほど指定校推薦の枠が多くあり、進学するうえでの選択肢も増える。
とは言え、極論してしまえば、どの高校に進学しようが結局は本人のガンバリ次第ではあるけれど。

ここまで読んでいただきありがとうございました(^^)。

小中学生英語の現実

小学英語の教科化、そして、中学英語の内容も改定され、近年は中学英語の習熟度において、その二極化が顕著になり始めたと感じてはいたものの、そう感じるのはやはり自分だけではなかったようだ。既に弊塾のFacebookでもシェアしている記事をご紹介。

英語嫌いが増えて成績が二極化 小中の英語教育の連携問題に具体的な解決策なし〈AERA〉

中学で既習として扱われる「小学校700語問題」、誰が教える? 会話や聞き取り特化の中で教師も困惑〈AERA

小学英語はとにかくコミュニケーション重視。確かにその方向性は間違ってはいないと思う。ただ、文法を軽視しすぎるのも良くない。中学で体系的に文法を学ぶことになるのだから、最低限の文法的知識は小学校のうちに身に付けておくべきだ。be動詞とか一般動詞とかいう言葉すら知らないまま中学に進学するのが実際のところだろう。そして、単語の書き取り力。発音ができて何となく意味が分かればOKなのが小学英語。でも、ある程度は書いて覚えるという経験も必要だ。指導要領も4技能をバランス良くと謳っているのだから、「聴く・話す」に偏りすぎてもいけないし、「読む・書く」に偏りすぎてもいけない。

“聞きまくる”、“話しまくる”、とにもかくにも英語に触れるという、いわゆる英語の“シャワー”を浴びるような学習は、それこそ英語圏で生活しているような、英語を使わざるを得ない人にとっては有効かもしれないけれど、日常生活で英語を基本的に必要としない環境にある人にとっては、やはり最低限の文法は大事であるように思う。

因みに以下の画像は、小田原市が採択している教科書、中1Unit1本文の一部。Unit1からこの内容なので、いかに小学英語の習得を前提として構成されているかが分かる。もう一度言う、これUnit1です。親御様世代にはにわかに信じがたいレベルかも。でも、これ基本的には全て小学校で学んでいる表現なのだ。

とは言え、何か新しいことを始めたり、変化を加えたりしたときには、また新しい課題も出てくるのが常。文句ばかり言っても何も解決しない。改めるべきは改め、教える側も教わる側もそれぞれが試行錯誤して然るべきだろう。

かつては中1最初の定期テストでは、満点がザラにいて、9割以上も多く、8割前後までで学年のほとんどを占めていた。でも、今は違う。満点近く取る子も多くいれば、5割前後という子も結構いて、完全なる二極化傾向にある。ただ、これは教える側だけではなく、教わる側にも問題はある。覚えるべきものを覚えようともせず、日頃の勉強を怠っているのなら、出来なくなって当然だ。何でもかんでも人のせいにしてはいけない。まずは自分自身を見つめ直さないと。

さてさて、うちの中1はどうだったろうか…。

夏期講習2023のご案内②中学生編

進学塾CLEARでは夏期講習の新規受講申込を受付中!

CLEARの夏期講習(中学生)

全学年5科総合指導
理社は中2・中3から、というのが大手学習塾では一般的ですが、CLEARでは中1から理社も含めた5科総合指導。例年、受験生が苦手とする、理科・物理分野の音/光、また、社会・地理分野の時差などは、全て中1で学習する単元です。やがて訪れる高校受験に備えて、早期より5科の総合力強化に努めます。夏期講習では、夏休み明けすぐの第2回定期テストに向けて、既内容を随時振り返りつつ、予習を中心に5科の学習を進めていきます。

思考力強化
学力を考えるうえで、知識の多寡はもちろんのこと、近年それ以上に重要視されているのが思考力。とはいえ、その力は一朝一夕で身に身に付くものでは決してありません。そのため、CLEARでは5教科指導+αをご提供。地頭(じあたま)を鍛えるための思考力強化講座・the Atama Lab(ジアタマ・ラボ)を通常カリキュラムの一環として開講しています。物事に見通しを持ち、筋道を立てて、問題を解決するためのプロセスを構築するのが思考力。「考える力」をホンキで鍛えていきます。

入試特訓(中3)
「学校の成績さえ良ければ万事安心」がもはや通用しないのが今の高校受験。いわゆる“実力”なくして、第一志望合格は極めて難しいのが現実です。内申点をしっかりと確保しつつ、入試に備えて得点力強化に努めなければなりません。CLEARでは夏より入試対策を本格始動。まずは直近の8月全県模試に向けて、実戦問題を通して1・2年内容の復習を行いながら基礎力の底上げに努めます。

お気軽にお問い合わせください。
☎0465-46-7685
お問い合わせフォームはこちら

第1回定期テスト対策最終日の風景

本日は国府津中対象の定期テスト対策最終日。
中1・中3の文系重点学習DAYだ。

中1はこれまで英語・国語に重点を置いてきたため、最終日は地理の緯度・経度や時差に関する単元を集中学習した。たとえば…
1)東経135度・北緯45度の地点の対蹠点(ちょうど反対側)の緯度と経度はそれぞれ何度?
2)東京が2月20日午前8時のとき、次の都市はそれぞれ何月何日何時?
①ロンドン(経度0度)
②カイロ(東経30度)
③ロサンゼルス(西経120度)
子どもたちが苦手にしがちな問題を厳選。いやぁ時差の習熟度が悪い悪い…(汗)。

そして、英語はテスト範囲までの文法および重要単語の習熟度を最終確認するため、抜き打ちでテストを実施。易しめに設定したのだが。。。
何度も何度も何度も…繰り返し注意してきているにもかかわらず、ここにきて絶対にやってはいけない間違いの多いこと多いこと(怒)。あまりにも不甲斐ない取り組みであったため一喝。テスト直前期だけにかなり厳しく指導した。

こちらがそんな中1に配布した練習問題の一部。
【中1地理】時差特訓
⇒これがスラスラできれば時差はOK。
【中1英語】U1+2英作文
⇒be動詞/一般動詞/助動詞canの総復習。重要単語等も合わせて復習できるようになってます。
毎度のことながら答えはつけていませんが、必要な方はご自由にダウンロードして使ってください。

中3は英語教科書の重要単語・表現のテストから。さすが受験学年、みなキッチリと取り組んできている。言うことなし。あくまで定期テストレベルではあるけれど、この学年は手前味噌ながら英語はよくできる。これまでの定期テストも塾平均点で40点(8割)を割ったことは一度もない。ちなみに前回は45点超。
そんな中3だけに、“満点”を狙うための最終確認を行った。
たとえば…
①「私はこんな古い車を今まで見たことがない。」
⇒suchの使い方が肝。もう1箇所ウッカリポイントがあるけれど。
②「私はあなたに私の宿題を手伝ってもらいたい。」
⇒原形不定詞とwant人to~の融合。やや難。
③「私にあなたの新しい自転車を見せて。(Letから始めて)」
⇒Let me show…と書いてしまった子多数(汗)。まぁそれを見越して取り組んでもらってるんだけどね。
などなど、ミス誘発ポイントを英作文で確認。

そして社会、公民の知識確認のため、これまた抜き打ちテストを実施。少し習熟度に不安があるものの、この学年ならテスト本番までには仕上げるだろうと判断した。

さぁ、テスト当日まで残すところあと1日。とにかく最初が肝心だ。
中2・中3は自己最高得点の更新ができるよう、
中1は学び多きテストとなるよう、
残された時間を密度濃く過ごし、
スタートダッシュをかませ!!!

見えないガンバリを

ここ何回かに分けて、公立高校の新制度入試についてアレコレと私見を述べさせてもらった。特に第2次選考の基準の一つ、「主体的に取り組む態度」の取り扱いには。

ガンバリを先生にアピールするのが、上手な子もいれば下手な子もいる。前者の子がが有利に、そして後者の子が不利になってしまうような入試にだけはならないことを願うばかり。

学校も塾も、そして。スポーツの世界でも何でも、指導する側は、“見えないガンバリ”に目を向けられるようにありたいものだ。数字=結果には表れずとも、その過程に努力の足跡を、
たとえばノートの取り方。今まではただ黒板を写すだけだった子が、大事なことをメモ書きできるようになった。
たとえば丸付けの仕方。今まではただマルとバツだけをつけて終わっていた子が、間違い直しや解き直しをやるようになった。
たとえば字の書き方。今まではひどく雑に字を書いていた子が、誰にでも読みやすい丁寧な字を書くようになった。
たとえば家での自主学習の仕方。今までは3日と続かなかった子が、1日おきに変えて1ヶ月続くようになった。
などなど。さすがに家庭学習までは目を配れないが、子どもたちの授業中や自習中の様子から、そういうガンバリや成長を見逃さぬようありたいと思う。そして、実際にそういう瞬間を目の当たりにすることは幾度となくあるわけで。

先日こんなことがあった。小学生のeトレ個別演習のときだ、なかなか正解を導けずに先に進められない子がいた。
「どうする?もう答え教えようか?」
すると、
『…もう少し考える』
と。
今までは諦めの早かった子だ。少しずつではあるが粘り強く考えられるようになりつつある。

また、中学生も然り。まだ計算分野ながら早くも数学で苦戦している子が。何度も何度も繰り返し練習してもなかなかスムーズにできるようにならない。
でも、めげない。
思うようにいかないと、勉強もついやりたくなくなりがちだが、自習に来ているときにいつも目に留まるのは数学を勉強している姿。至らぬ自分からはどうしても目を背けたくなるもの。でも、しっかりと向き合っている。立派だ。

青・緑の丸は、間違えた問題の解き直し。できるまでの徹底だ。)

それぞれの歩幅でのガンバリを見つめ、後押しができるようしたい。
でも、それはあくまで精一杯取り組んでいるというのが大前提だけどね。

夏期講習2023のご案内①小学生編

進学塾CLEARでは夏期講習の新規受講申込を受付中!

CLEARの夏期講習(小学生)

“読みまくる!”国語
子どもたちの読解力の低下が危惧されるようになって久しい昨今。読む力は全ての学びの礎となるだけに、学力そのものの低下にも拍車をかけかねません。CLEARでも国語の重要性はことあるごとに訴えてきました。
そこで今夏は、いわゆる“文章読解問題を解く”という定番の国語学習から脱し、傑作と名高い児童文学をじっくりと読み込むことで、読書好きになるきっかけづくりに努めます。読書で培われるのは、何も読解力だけではありません。語彙力、想像力、集中力といった、学びの土台が培われます。
美しい朗読を耳で聞き、目で文章を追いかけ、子どもたちの想像力にはたらきかけながら読み進めてまいります。また、読後は感想文の記述を通して、表現力の強化に努めます。

“解きまくる!”算数
「子どもの算数嫌いをどうすれば克服できるだろう?」
このように悩んでいる保護者様もいらっしゃるのではないでしょうか?算数には、『計算力』『論理的思考力』『空間認識力』の3つの力が求められます。今夏は、これら3つの力のうちの計算力にフォーカスし、これを徹底的に鍛えてまいります。計算は算数で習うほぼ全ての単元の基礎であり、問題を解いたり考えたりするうえで避けては通れません。問題を解くのに時間がかかったり、計算ミスが増えたりすると、算数に苦手意識を持ち始めます。中学や高校の数学につながる土台を学ぶ小学生のうちに、確かな計算力を身につけておきたいところです。
CLEARでは今夏、19×19までを暗算でできるようになることを目標に、苦手を克服し、そして得意へとつないでいくための一里塚となるよう指導してまいります。

“書きまくる!”英語
小学英語が教科化されてから3年。中学英語の内容も刷新され、子どもたちの英語における習熟度は二極化の一途を辿っているのが現状です。コミュニケーション重視の方向性は決して間違ってはいないのですが、文法や単語を軽視し過ぎるのもいささかの不安を禁じ得ません。事実、小学校で習得したはずの単語を中学進学後にほとんど覚えておらず、「読めない、書けない、意味も分からない」のまま。それでも既習内容として中学の授業は進んでしまうため、ついていけずに英語嫌いになってしまう一因ともなっています。
CLEARの夏の小学英語は「語彙力の強化」。基礎単語の習得に努め、正しい発音、意味の理解、そして、書き取りができるレベルを目標に、子どもたちの習熟度に合わせながらトレーニングしてまいります。

お気軽にお問い合わせください。
☎0465-46-7685
お問い合わせフォームはこちら

公立高校入試 第2次選考の“闇”

先日書いたブログ「公立高校の新制度入試について考えてみた」は、主に第1次選考について。今回は業界内で物議を醸している第2次選考について説明していきたい。ついでにこちらのブログ「変わる神奈川県公立高校入試」も参考に。

第2次選考の“闇”

“闇”というと大袈裟に聞こえるかもしれないけれど。実際“闇”だと思う。
これまで説明してきたとおり、今回の制度改定のポイントは、
①受験者一律の面接廃止
②二次選考における調査書(内申)の点数化

この②がヤバいのだ。改めて2次選考の基準がこちら(Bは学力検査の点数、Cは調査書の観点別評価「主体的に学習に取り組む態度」の点数)。

これまで第2次選考には調査書(内申)は一切含まれず、学力検査+面接(+特色)によるものだった。資料等が整わない受験者のためでもある。ところが、今回の改定では調査書がガッツリ含まれるのだ。観点別評価の一つである「主体的に学習取り組む態度」を、
A=3点 / B=2点 / C=1点として点数化し、
これらを9教科全てで合計点とする。
つまりオールAなら、
3点×9科=27点、
ということになるのだ。
そして、この点数を100点満点に換算し、各高校毎の比率に乗じる。

では今回も同じく、弊塾の中3に関わりのある西湘高校を例にとって説明していこう。
西湘高校の第2次選考基準は「学力検査8:調査書(観点)2」。XさんとYさんが受験したとする。
Xさん:観点オールA(27点)/学力検査320点
【学力検査】320×100÷500×8=512
【調査書】27×100÷27×2=200
【合計点数】512+200=712
Yさん:観点オールB(18点)/学力検査350点
【学力検査】350×100÷500×8=560
【調査書】18×100÷27×2=133
【合計点数】560+133=693

従来の入試制度なら圧倒的にYさんが有利。そりゃそうだ、学力検査で30点も上回っているのだから。ところが新制度ではどうだろう。学力検査で30点も下回っているにもかかわらずXさんの方が有利になるのだ。全ては「主体的に学習に取り組む態度」によるもの。これまでのような入試一発勝負が難しくなったワケはここにある。とはいえ、この主体的云々は、定期テストのような客観的な数字による評価が難しく、評価する側の主観に左右されてしまうのが実際のところだろう。授業に臨む姿勢や提出物関連の精度(期限もナカミも)等がこの評価に大きく関わるところだからだ。だから、「第2次選考の“闇”」なのだ。「先生に気に入られた者勝ち」があってはならない。

ちなみに、多くの高校が上記の「学力検査8:調査書2」の比率で、次いで7:3が多い印象だ(「専門学科・コース」などは除く)。その中にあって、6:4の高校がある。

藤沢西高校だ。

湘南地区にある藤沢西高校は、毎年人気の集まる高校の一つ。弊塾からも何名か進学している。比率8:2でさえ観点別評価次第では「入試でいくら点数を取っても…」であるのに、それが6:4ならなおのこと。たとえ成績に4や5が並んでいても、「主体的に学習に取り組む態度」がトータルで低くては、たとえ入試で頑張っても報われなくなってしまう。ただ、藤沢西高校はそれだけ、積極的に学ぼうとする生徒が欲しいということ。高校のカラーが如実に表れていると見て取れる。

結論
成績が同じ4や5でもそのナカミに注視を。「主体的に学習に取り組む態度」はAを目指すべし。そのためには日々の取り組みが超重要。
提出物関連(ワークやレポート)の精度を上げられるような努力を。
「ヤッツケ仕事のようになっていないか?」
「解答の丸写しになっていないか?」
授業中の取り組みに積極性を。
「ただ板書を写すだけになっていないか?」
「持参物を忘れていないか?」
そのうえで、早期に過去問に着手し、実力に磨きをかけよ。

中にはもちろん面倒くさいこともあろう、やりたくないこともあろう。
そんなことは大人も同じ。重々承知だ。でもな、面倒なことでも、やりたくないことでも、こういうことをキッチリとできる人間というのは、高校、大学、そして社会に出てからも強い。道を切り拓いていける人間になれる。
ガンバロウ!中3生!!!

公立高校の新制度入試について考えてみた

昨日、2024年度公立高校入試における選抜選考基準が県より発表された。程なく発表されるであろうと見越して、事前に入試制度のおさらいブログを一昨日に書いたのだが、その翌日にまさか発表されるとは…(汗)。

【CLEAR講師ブログ】
変わる神奈川県公立高校入試
【県教育委発表資料】
選考基準(全校一覧)

まず驚いたのは、面接を実施する高校が極めて少なかったこと。そして、内申2:入試8のような学力に振り切った比率にしてくる高校がなかったこと。

では、具体的に見ていこう。

弊塾の中3に関わると思われる高校をピックアップして説明していく。
例えば、小田原と平塚江南。いずれも、旧学区トップ校で進学重点校エントリー校だ。選考基準におけるこれら両校の違いは次のとおり。
【小  田  原】内申4:入試6:特色検査1=計1100点満点
【平塚江南】内申3:入試7:特色検査1=計1100点満点

小田原よりも平塚江南の方が学力重視。これがどう合否に影響してくるのか?具体例を示してみたい。

たとえば、小田原高校を受験する内申108のAさん内申120のBさんがいたとする。学力検査前の両者の持ち点は以下のとおり(小数点以下切捨)。
A:108×100÷135×4=320
B:120×100÷135×4=355
次に、両者の学力検査の得点を、Aさん420点Bさん400点と仮定すると、学力検査における両者の持ち点は以下のとおり(小数点以下切捨)。
A:420×100÷500×6=504
B:400×100÷500×6=480
ここまでの両者の総得点がこちら。
A:320+504=824 / 1000点満点
B:355+480=835 / 1000点満点
この時点ではBさんが上位。Aさんが逆転するには特色検査でBさんより12点以上上回る必要がある。とはいえ12点であれば、2~3問正答数を上回れば逆転できてしまう。

一方、そのAさんとBさんが小田原高校ではなく平塚江南高校を受験したとすると、学力検査前の両者の持ち点は以下のとおり(小数点以下切捨)。
A:108×100÷135×3=240
B:120×100÷135×3=266
次に、両者の学力検査の得点を、Aさん420点Bさん400点と仮定すると、学力検査における両者の持ち点は以下のとおり(小数点以下切捨)。
A:420×100÷500×7=588
B:400×100÷500×7=560
ここまでの両者の総得点がこちら。
A:240+588=828 / 1000点満点
B:266+560=826 / 1000点満点
今度はこの時点ではAさんが上位。まさに逆転現象が起こったということ。あとは特色検査の出来次第。

ここまでで分かるとおり、内申10点程度の差(とはいえ内申10点の差って“成績”で追いつくにはかなり大変)は、学力重視の高校なら学力検査次第で十分に逆転可能。20点ほど上回ればいい(1問4点や5点がほとんどのため正答数なら5~6問)。特に特色検査のある高校ならさらに逆転は起こりやすいだろう。

参考までに、各比率における内申1点に相当する入試の点数はこんな感じ。
①内申3:入試7⇒約1.6点
②内申4:入試6⇒約2.5点
③内申5:入試5⇒約3.7点
④内申6:入試4⇒約5.6点
⑤内申7:入試3⇒約8.6点

結論
①のような内申3:入試7の比率であれば、内申点の差なんてないと思った方がいい。学力重視の高校を志望するのであれば、学校の成績はもちろんのこと、とにもかくにも実力錬成を。そのための第一歩は、早期に過去問に着手すること。特に国語と英語は、おそらく特色検査を攻略するためにも必要なため、夏休み中には一通り解ききっておいた方が良い。あとは、模試の経験を可能な限り多く積んでいくこと。実戦経験に勝るものはないからだ。

「内申はあるけど、実力が…」と不安を抱えているのなら、それを解消するには勉強するしかない。誰よりも努力するんだ。たった残り数ヶ月を頑張れないでどうする?

ガンバレ!中3受験生!!!

変わる神奈川県公立高校入試

そろそろ2024年度の神奈川県公立高校入試における各高校の選考基準等が明らかになるため、今一度、今年度より変わる公立高校入試についておさらいしておきたい。

全員一律の面接が廃止

全員一律の面接が廃止されるただし、特色検査として各校の判断で実施できるようになる。すなわち、面接を実施する学校としない学校がでてくる。
そのため、選抜方法が以下のように変わる。

調査書(内申)と学力検査の取り扱い方
A:調査書の評定
2年9科計+(3年9科計×2)=135点満点⇒A

※3教科の範囲で2倍まで重点化可(その場合の満点は変わる)。
B:学力検査の得点
100点×5科=500点満点⇒B

※2教科の範囲で2倍まで重点化可(その場合の満点は変わる)。
C「主体的に学習に取り組む態度」
調査書の第3学年の観点別評価のうち「主体的に学習に取り組む態度」を、「
評価A=3点 / 評価B=2点 / 評価C=1点」として点数化。
3点×9科=27点満点⇒C
※3教科の範囲で2倍まで重点化可(その場合、満点は変わる)

第1次選考は上記S1の点数に基づいて選考する。これまでのS1の満点は面接点を含めて1000点だったため、調査書と学力検査の比率(上記のfとg)は最大6までだった、けれども、新しい入試制度では「8」まで設定することが可能となる。つまり、以下のいずれかの比率となる。

・調査書2:学力検査8(学力超重視型)
・調査書3:学力検査7(学力重視型)
・調査書4:学力検査6(学力やや重視型)
・調査書5:学力検査5(バランス型)
・調査書6:学力検査4(内申やや重視型)
・調査書7:学力検査3(内申重視型)
・調査書8:学力検査2(内申超重視型)

上位校であれば学力重視型の傾向にあり、下位校であれば調査書重視型の傾向にあるのはこれまでの選考基準でも明らかなところ。受験生はこの数値をしっかりと認識しておく必要がある。

「主体的に学習に取り組む態度」の活用

第2次選考では、調査書に記載されている第3学年の観点別評価のうち「主体的に学習に取り組む態度」が活用されることになる。

第2次選考は上記S2の点数に基づいて選考する。これまでの選抜方法では第2次選考は学力検査と面接の結果(特色検査を実施した場合はそれを加えた結果)によって選考を行ってきた。そこでは調査書は使用されなかったが、新しい入試制度では第2次選考においても調査書に記載されている観点別評価の「主体的に学習に取り組む態度」が活用される。つまり、調査書の重要性が増すことになる。

・調査書2:学力検査8(学力超重視型)
・調査書3:学力検査7(学力重視型)
・調査書4:学力検査6(学力やや重視型)
・調査書5:学力検査5(バランス型)
・調査書6:学力検査4(主体性やや重視型)
・調査書7:学力検査3(主体性重視型)
・調査書8:学力検査2(主体性超重視型)

「主体的に学習に取り組む態度」が点数化され選考に使用されるのは、業界内では本当に物議を醸している。これは客観的かつ統一的な評価が難しいため、評価する側(学校の先生)の主観が多分に含まれることは否定できず、極めて不透明な選抜になりかねないからだ。少し言い方は悪いけれど、「先生に気に入られている子」だけが有利になってしまうようなことがあってはならない。

いずれにせよ程なく各高校の選考基準も明らかになる。
注視しておかなければ…!!

==============
★高校進学説明会のお知らせ★
上記のような入試制度の変更を受けて、弊塾では中3通塾生保護者様を対象に高校進学説明会を開催する予定です。準備が整い次第、ご案内を開始致します。