小学校の頃、「ドリル」というものをよくやっていた人も多いのではないでしょうか。そもそも「ドリル」とは何でしょう?演習とは違うのでしょうか???
調べてみると、「ドリル」は習慣的、反射的に行われる訓練のこと。「トレーニング」は能力を向上させるための訓練だそう。
学習以外でもよく使われることがある言葉なので、これが学習のことを言っているとは言い切れませんが、その違いはわかります。これまでの塾では講義が主です。講義があって次に「ドリル」や「トレーニング」という流れがありました。
それが、最近は演習をしないとテストで結果を出せないということもあり「トレーニング」に力を入れる塾が増えてきました。eトレを入れたCLEARもそうです。問題を解いた量が多くの人にとっては、テストの点や偏差値に直結していっていると感じています。
また、「ドリル」ですが、「ドリル」に力を入れているのが、公文かもしれません。他にも、最近は見なくなりましたが、昔ならば「そろばん」も「ドリル」と言えるかもしれません。自分が子どもの頃は、近くにそろばん教室があったので、数年通っていたりしました。今は、そろばん教室も少なくなり「ドリル」という学習に力を入れている教室は少なくなってきたのかもしれません。
最近の傾向として「思考力を伸ばそう」という方向性が世の中にあります。「暗記に頼らず、自ら考える力が大切である。」という流れです。これだけインターネットが発達し、多くの人がスマホを持っている時代、昔ではでは調べることが大変であったことも、今は「検索」という方法で、探している情報に容易くたどり着くことができます。そんな中、暗記よりも思考力というのは自然な流れです。
受験でも思考力重視の流れがあります。入試の問題を見れば、数年前とはかなり傾向が変わってきました。10年前の入試と解き比べればかなり違うことに気がつきます。また、中学入試でも、「入試」を実施してきた学校が、「適性検査」に変えていく学校があります。いわゆる「旅人算やニュートン算のように学校の勉強だけでは無理」という入試スタイルから、適性検査に変更してきた学校が増えたように思います。
そんな流れに乗ることも大切です。ただ、それと同じくらい基本に戻ることも大切なのではないかと感じています。生徒の中には「ケアレスミスが多い」タイプの子がいます。一番心配なのは、「あとでやったらできた。」と言って、ケアレスミスを大したことないと自分に言い聞かせているタイプ。こういうタイプはきっと、次回も似たミスをするでしょう。
「思考力を身につける」ことや「ケアレスミスをなくす」ことは別のベクトルではなく、様々な基礎的な事項が身についているから、「思考力」の問題も解けるようになるし、「ケアレスミス」も減ってくるのではないかと思います。そうなると、『「ドリル」的学習が最近足りていないのではないか!』と感じるようになってきています。
「これくらはできて当たり前だからいいでしょ。」と思わず、ドリルの目的である「習慣的、反射的に行われる訓練」がスラスラ解くにはとても大切な要素です。様々な問題に対し、スラスラ解けるようになれば、時間的にも心理的にも余裕が生まれ、焦ることなく問題に対し集中できるようになれます。
どの学年も夏以降には学習内容が難しく、進度も早くなります。少し進度的に余裕があるこの時期にドリル的学習を増やして、夏以降に瞬発力がある学習に取り組めるようにしていきます。