教科書を正しく読めているか?

数年前に買ったこちらの書籍(続編も販売中)。久しぶりに読み返している。

これを購入した経緯は、読解力が著しく低下している目の前の子どもたちを見ていて危機感を覚えたから。どうにかできないものかと思い手に取った。

ここに書かれている読解力とは、例えば夏目漱石の小説とか外山滋比古の評論とか、そういう意味での読解力ではなく、あくまで文章の意味内容を理解するというごく当たり前の、基礎的な読解力のこと。けれども、この読解力が特に中高生で著しく低下していて、それに警鐘を鳴らしているのが本書。

例えば、以下の問題を読んでみてほしい(本書より引用)。

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問)次の報告から、①~③で確実に正しいと言えるものには○を、そうでないものには✕を、それぞれ答えなさい。
「公園に子どもたちが集まっています。男の子も女の子もいます。よく観察すると、帽子をかぶっていない子どもは、みんな女の子です。そして、スニーカーを履いている男の子は1人もいません。」
①男の子はみんな帽子をかぶっている。
②帽子をかぶっている女の子はいない。
③帽子をかぶっていて、しかもスニーカーを履いている子どもは、1人もいない。

引用:「AI vs. 教科書が読めない子どもたち」新井紀子著
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もちろんは①のみ。これを大学生6000人に解答してもらったところ、正答率はなんと64.5%だったとのこと。
また、中高生には次のような問題で調査。同じく本書からの引用。読解力チェックとして解いてみよう(答えは当ブログ最下部)。

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⑴係り受け
「Alexは男性にも女性にも使われる名前で、女性の名Alexandraの愛称であるが、男性のAlexanderの愛称でもある。」
この文脈において、以下の文中の空欄に当てはまる最も適当なものを選択肢のうちから選びなさい。
「Alexandraの愛称は(  )である。」
①Alex ②Alexander ③男性 ④女性

⑵照応
「火星には、生命が存在する可能性がある。かつて大量の水があった証拠が見つかっており、現在も地下には水がある可能性がある。」
この文脈において、以下の文中の空欄に当てはまる最も適当なものを選択肢のうちから選びなさい。
「かつて大量の水があった証拠が見つかっているのは(  )である。」
①火星 ②可能性 ③地下 ④生命

⑶同義文判定
「幕府は、1639年、ポルトガル人を追放し、大名には沿岸の警備を命じた。」
上記の文が表す内容と下記の文が表す内容は同じか。「同じである」「異なる」のうちから答えなさい。
「1639年、ポルトガル人は追放され、幕府は大名から沿岸の警備を命じられた。」
①同じである ②異なる

⑷推論
「エベレストは世界で最も高い山である。」
上記の文に書かれていることが正しいとき、下記の文に書かれたことは正しいか。「正しい」、「間違っている」、これだけからは「判断できない」のうちから答えなさい。
「エルブルス山はエベレストより低い。」
①正しい ②間違っている ③判断できない

引用:「AI vs. 教科書が読めない子どもたち」新井紀子著
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調査結果としては、中高生の3人に1人が、このような簡単な文章を正確に読めなかったとのこと。

小難しい評論でもなければ、重厚な小説でもない。教科書に書かれてあるような“ただの文”。でも、こういう文が正しく読めない中高生が多いのはホントのこと。指導現場では肌で感じている。だから、例えば数学が苦手な子を見ていると…

「数学ができないのか、あるいは、問題文を理解していないのか。」

…と思うことも。

また、本書には、基礎的読解力と偏差値とは、極めて相関が高いというデータも紹介されていた。確かにそう思う。いわゆるデキル子というのは、例外なく基礎的読解力が備わっている。

あらゆる教科に影響を及ぼすのが読解力。
まずは教科書を正しく読める力を。

 

問題の解答
⑴① ⑵① ⑶② ⑷①

だから努力は尊い

高校部の通塾生は、そのほとんどが中学部の卒塾生だ。
中には小学生から通ってくれている子、また、高校受験時に第一志望に届かなかった子も…。長くご縁をいただいていること、悔しい想いをさせてしまっても通塾を続けてくれていることに、ただただ…感謝。

そんな高校生だが、前職時代で印象に残っている子がいる(ここではMと呼ぶことにする)。地元のトップ校(公立)を受験したけれど、今一歩届かず併願の私立に進学した。
今でも昨日のことのように思い出す。高校受験期、本当に直向きに努力する子だった。成績(内申点)はその高校を受験するうえでは平均的だったため、入試当日にどれだけ点数を取れるかが勝負。でも、模試の点数がなかなか伸びない。受験校の再考をしたほうが良いと判断し、何度か話し合いをしたこともあるけど、Mの想いはぶれなかった

「私立覚悟でも挑戦したいです」

合格の可能性は高くはなかったが、決して非現実的な受験ではなく、持っている力を十分に発揮できれば合格できるかもしれない、そう信じて本人の意思を尊重することにした。もちろん親御様の意思も確認したうえで。
しかし、現実はそう甘くなかった。壁に跳ね返されてしまったMを思うと、もっと説得して志願変更をさせるべきだったかと自責の念に駆られた。

その代の高校受験を最後に前職を辞したため、その後Mがどうなったのかは分からなかったが、3年後に突然連絡が来た。それは…

「第一志望の青山学院大学に合格しました!」

という報告だった、
嬉しかった。本当に本当に…心底嬉しかった。覚えていてくれたことはもちろんだけど、高校受験での悔しさをバネに大学受験で夢を叶えたことが…。

長くこの仕事をしていて様々な子と接していると、「こんなに頑張っているのにダメなのか…」と、“報われない努力もある”、そう思わざるをえない現実と向き合う場面がどうしてもある。Mもそのうちの一人だった。
でも、だ。報われるという保証があれば、誰でも頑張るだろう。そうではなく…

報われる保証など決してないにも関わらず頑張ることができるからこそ、努力は尊く価値がある。

ムダな努力など決してない。そのとき報われずともそこに至るまでに積み重ねた経験というのは、必ず自分の糧になる。結果だけに価値を求めるならジャンケンで良い。そんな想いを強く抱くようになったのは、跳ね返された現実も、乗り越えた現実も、その両方を経験したMのことがきっかけとなっている。

近隣の公立高校を比べてみた

弊塾から受験する子が例年比較的多い、旧県西学区、旧平塚学区、旧茅ヶ崎寒川学区の高校についていくつか紹介したい。現受験学年の中3生はもちろん、中2生以下も是非参考にしてみてほしい。では、いってみよう!

※進学実績は各校のホームページで公開されているもの
※内申目安及び偏差値は全県模試のデータから

小田原・平塚江南・茅ヶ崎北陵

小田原
■旧県西学区トップ校
■学力向上進学重点校
■スーパーサイエンスハイスクール指定校(文科省)

●内申の目安(全県模試参考):126
●偏差値(全県模試参考):66
●直近の大学合格実績(既卒含む):
・東京都立15 ・横浜国立11 ・横浜市立6
・早稲田44 ・慶應19 ・上智15
・東京理科23 ・明治106 ・青学57 ・立教27 ・中央56 ・法政76
・日本32 ・東洋46 ・駒澤23 ・専修37
●他:運動系・文化系問わず、全国大会出場の部活が多く(少林寺拳法部・ソフトテニス部・陸上・放送部・生物部)、関東大会出場も多い。文化祭も盛り上がる!

平塚江南
■旧平塚学区トップ校
■学力向上進学重点校エントリー校
■スーパーサイエンスハイスクール指定校(文科省)

●内申の目安(全県模試参考):119
●偏差値(全県模試参考):63
●直近の大学合格実績(既卒含む):
・東京都立4 ・横浜国立10 ・横浜市立5
・早稲田12 ・慶應10 ・上智1
・東京理科23 ・明治66 ・青学47 ・立教16 ・中央43 ・法政50
・日本36 ・東洋35 ・駒澤21 ・専修32
●他:体育祭の盛り上がりがスゴイ!学年の垣根を越えて縦割りブロックで、競技、仮装、立て看板と、3部門で競い合う。また、スポーツクライミング部など珍しい部活も。

茅ヶ崎北陵
■旧茅ヶ崎寒川学区トップ校
■学力向上進学重点校エントリー校

●内申の目安(全県模試参考):116
●偏差値(全県模試参考):60
●直近の大学合格実績(既卒含む):
・東京都立2 ・横浜国立5 ・横浜市立5
・早稲田13 ・慶應10 ・上智5 ・東京理科8
・明治36 ・青学38 ・立教19 ・中央49 ・法政64
・日本54 ・東洋32 ・駒澤28 ・専修49
●他:部活動がとにかく盛んで参加率は9割!特にサッカー部が強い!元宇宙飛行士の野口聡一さんは卒業生!

大学の合格実績で見れば、上記3校の中だと小田原高校がやはり頭一つ抜けている(国公立大学82名合格・内現役74名)。進学重点校の一角を担うだけのことはあるといった印象。

西湘・大磯・鶴嶺

西湘
■旧県西学区準トップ校
■プログラミング教育研究推進校

●内申の目安(全県模試参考):107
●偏差値(全県模試参考):52
●直近の大学合格実績(既卒含む):
・東京都立0 ・横浜国立0 ・横浜市立0
・早稲田0 ・慶應0 ・上智3
・東京理科2 ・明治3 ・青学13 ・立教3 ・中央7 ・法政13
・日本21 ・東洋7 ・駒澤13 ・専修30
●かつてスーパーサイエンスハイスクールの指定を受けていただけに、理系の設備が充実!陸上部は4年連続でインターハイ出場の強豪校!

大磯
■旧平塚学区準トップ校
■グローバル教育研究推進校

●内申の目安(全県模試参考):105
●偏差値(全県模試参考):52
●直近の大学合格実績(既卒含む):
・東京都立0 ・横浜国立1 ・横浜市立0
・早稲田6 ・慶應1 ・上智5
・東京理科0 ・明治12 ・青学8 ・立教1 ・中央9 ・法政10
・日本20 ・東洋10 ・駒澤8 ・専修22
●他:2027年に創立100周年を迎える、全国で2番目に海に近い伝統校!SF研究部は「磯高戦隊イソホークス」が地元では有名。

鶴嶺
■旧茅ヶ崎寒川学区準トップ校
■グローバル教育研究推進校

●内申の目安(全県模試参考):104
●偏差値(全県模試参考):51
●直近の大学合格実績(既卒含む):
・東京都立0 ・横浜国立0 ・横浜市立0
・早稲田0 ・慶應1 ・上智1
・東京理科1 ・明治5 ・青学10 ・立教5 ・中央6 ・法政6
・日本19 ・東洋12 ・駒澤17 ・専修51
●他:湘南エリアでは最も国際教育が充実していて海外の学校との交流も盛ん!今年度はニュージーランドやイギリスを訪問!

ほぼ同じ偏差値帯の西湘・大磯・鶴嶺。大学合格実績については、学校規模の小さい大磯が、「合格率」という点ではこれら3校の中でやや優れている(生徒総数:西湘971名/大磯821名/鶴嶺1157名)。

偏差値=入口だけでなく、卒業後=出口(進学率や就職率)も視野に入れながら、青春時代をどのように過ごしたいかを考えて、目指すべき高校を決めよう。

塾代と高校生と

高校生の中には塾の費用を自分で負担している生徒もいる。
立派だなと思う。アルバイトをしながら、一生懸命に学業に打ち込もうとするその姿を見ていると、希望の大学に合格させてやりたいと強く思わずにはいられない。

お金にキレイもキタナイもないと言う人もいるけれど、やっぱり一生懸命働いて稼いだお金は尊いと思う。そうしたお金のおかげで、帰る場所があり、寝床もあって食事に困らない生活が送れて、学校に行けて、ましてや塾や予備校、習い事、スポーツクラブにも通える。でも、そういった環境は決して当たり前ではなく、通いたくても通えない子も世の中にはたくさんいる。

一昔前までは、子どもにとってもお金の尊さであったり、重みであったり、そういうものを実感する機会がたくさんあった。今の子どもたちにとっては何のことかさっぱりかもしれないけれど…

そう、「月謝袋」もその一つ。
(CLEARも開校当初は月謝袋だった。その想いについてはこちらをクリック!)

かつての俺も中学時代、親に頼み込んで塾に通わせてもらっていた。決して大手の塾ではなく、弊塾のような小さな塾だった。でも、地域密着のその塾は地元で絶大な人気があって(そして、おっかない先生がいて・・・笑)、知り合いの多くが通っていた。そこには月謝袋で毎月の塾代を払っていて、月末ぐらいになると親から現金の入ったその袋を受け取って塾に持って行った。大手ではなかったし、もちろん今より物価は安かったから、そこまで高額ではなかったけれど、中学生にとって2万円前後というのは大金だ。袋には領収のハンコが増えていき、年間でこれだけお金がかかってるんだなぁなんて子どもながらに思ったものだ。

キャッシュレス決済が一般化した今、現金でやりとりする機会が著しく減ったし、親御さんの中には、金銭のやりとりを子どもに見せたがらない方もいるだろう。でも、時として、そういう生々しいお金のやりとりを子どもに見せるのも必要に思う。享受できている今の生活が、親御さんが懸命に働いて稼いだお金、その重みで成り立っているということを実感し、感謝の気持ちを育てることって大事ではなかろうか。そういう気持ちがあれば、塾や習い事をサボったり、長続きしなかったり…というような、自分本位のイイカゲンなことはできないはずだ。不真面目な取り組み等をする子に弊塾がとりわけ厳しいのは、こういうことが理由でもある。

その高校生の将来の夢は薬剤師になること。
今はまさに夢に向かって邁進中だ。
ガンバレ。

評定の割合って学校間でこんなに違いがあるの!?

よくご覧いただいているこちらの記事(「評定3は真ん中?」)。ありがとうございますm(__)m。やはり成績関連の記事には興味のある方が多いようなので、今回は・・・

「絶対評価の下の評定(いわゆる5段階の成績)の割合ってどれくらい?」

のテーマでアレコレと。
また、誤解を恐れず言うと、先生のさじ加減一つで、1~5の割合が決まるため、学校間の違いについても少しばかり言及していきたい。

さっそく下の画像を見てもらいたい。
これは東京都が公開している、都内公立中学校の令和5年度の中学3年生の評定割合一覧の一部(全てご覧になりたい方はこちらの「東京都内公立中学の評定割合(PDF)」をクリック)。入試に関わる主要5科のみを抜粋してあるのだが、「えぇ?」と目を疑う数値ではなかろうか(注視してもらいたい数値は赤で表記)。
※中学校名は非公開
※表中の5~1は5段階評価の数字
※最下部は相対評価の頃の割合

まず、A中学とC中学を見てもらうと、A中学では1が付いてしまった生徒が1人もいない。一方、C中学では1が付いてしまった生徒がかなりの割合でいる。
A中学に関して言えば、本当に1が付かないのか、あるいは、1を付けないという学校としての方針なのか。C中学に関して言えば、学習意欲が乏しい生徒が多いのか、あるいは、厳しく評価するという学校としての方針なのか。

次に、B中学とD中学とを比べてみると、それぞれの5の割合に大きな違いがある。B中学では理科を除いて3~4人に1人に5が付いている。一方、D中学では、これも理科を除いて5が付いているのは極少数。
B中学に関して言えば、評価そのものが甘いのか、あるいは、優秀な生徒が多いのか。D中学に関して言えば、優秀な生徒が少ないのか、あるいは、厳しめに評価しているのか。

このようなことは、観点別の絶対評価の現在では起きて当たり前のこととは言え、学校間でこれだけの格差があるというのは、親御様にとってはにわかに信じがたいことかもしれない。神奈川は上記のようなものを公開していないため実態について明言はできないが、東京と似たようなものだと思っていい(個人的には神奈川も公開してほしいと思う)。

分かっておかなければならないのは、これだけの格差がある中で入試という“相対評価”の試験に挑むということ。同じ内申点でも、神奈川では実力のある生徒と実力の乏しい生徒とが同じ土俵で戦うのだ。上記の東京の例で言えば、B中学の生徒とD中学の生徒とでは、同じオール5の生徒でも、そこにはかなりの学力差があると言って間違いない。
評定の割合が定まっていて、あくまで全体の位置で評価される相対評価ではこのような現象は起こりにくかった。しかし、絶対評価とはそういうものだ。割合が定まっていないのだから、理屈の上では生徒全員に5を付けようと思えば付けられる。

「学校の成績が良好だから大丈夫」という時代は、とうの昔に終わっているのが現実。成績に甘んじることなく、実力向上のための弛まぬ努力、そして、定期的な学力把握(模試の受験など)をしていかなければ、第一志望合格は難しい。

最後に
このような現状から、今の中学生を「かわいそう」と思う方もいる。でも、果たしてそうだろうか。かつての神奈川では中2の学年末にアテスト(親御様世代以上が経験)というものがあり、中2修了時点でほぼ進学先が決められてしまっていたようなものだった。また、学区もあったため行きたい高校の選択肢がどうしても制限されていた。結果として、「ほぼ落ちない入試」という時代だった。でも今は違う。自分の可能性を信じ、最後まで諦めずにガンバリ抜ければ、いくらでも選択肢はある。

競争は激しくないけど、選択肢が限られてしまう「落ちない入試」か、
競争は激しいけど、選択肢がいくらでもある「落ちる入試」か。

価値観や考え方はそれぞれだけど、後者の方が夢があるような気がする。

小学英語の学習レベル

小学英語が教科化され丸5年が過ぎた。
かつては中学生から「よーいドン!」で始めた英語学習だったので、中1の初めの頃はそこまで英語で困る子は少なかった。でも、今では小学校卒業時点で英検5級はクリアできる程度(ちゃんと身についているということを前提に)まで学習済することになっているため、中1の早々に“英語難民”になってしまう子が一定数いる。親御様世代としてはにわかに信じがたいことかもしれないけど。

で、こちらが弊塾で使っている小学生英語のテキストの一部。

「読む・書く・聞く・話す」という、いわゆる4技能をバランスよくが理想だけど、現実的には授業回数等の関係から、学校では「読む・書く」の比率がどうしても少なくなりがちであるため、塾ではそこを補えるように心がけて指導する。もちろん、「聞く・話す」にも留意しつつ。

be動詞とか一般動詞とかいう、文法用語は使わないものの、英語の基本的な語順や語句の役割を身につけられるようにトレーニングする。

小学校卒業時点でこれだけ学習するのだから、そりゃ中学英語が難しくなって当たり前といえば当たり前なんだけど、きちんと身についていないまま中学に進学している子が結構いるため、中学英語で早々に差がついてしまっているのが現実。

このブログでも何度も訴えているけど、小学校でガッチガチの英文法をガリガリやる必要はそこまでないと思う。ただ、基本的な英単語の習得(書けるレベルまで)と語順(SVCとSVO)の理解はしておいた方がいい。

こういう言い方をすると、「塾へ通ってるような子しかそういう勉強はなかなかできないじゃないか」と言われてしまいそうだけど、そんなことはない。塾へ通わずとも、小6からでいいので市販の問題集(教科書準拠で易しめのもの)を1冊購入し、中学進学までに一通り学習しておくといい。「完璧になるまで」のように、構えて取り組む必要はない。自主学習教材として自分のペースで構わないので、1年かけて1冊じっくりと取り組んでみてほしい。それをやっておくのとやっておかないのとでは、中学進学後に全然違うと思う。くれぐれも「実力をつけなきゃ」と意気込んで、本格的な難しめの問題集にはしないこと。「教科書準拠で易しめ」を推奨しているのは、やっぱり学校の授業がワカルようになるのがいちばん良いし、小学生のうちはあまりストレスを感じずに無理なく進めるのが大事だから。

子どもに「どうして勉強しなきゃいけないの?」と問われたら・・・?

「どうして勉強しなきゃいけないの?」

今も昔も子どもたちが一度は必ず口にする言葉かもしれない。かくいう自分自身も子どもの頃は何度もそう思ったものだ。でも、大人になって思う、勉強って大事だな、と。そして、この塾講師という立場となって二十数年、日々子どもたちと対峙する中で、何となく自分の中で確かなものとなってきた、勉強することの意義。数学の関数、歴史の年号、理科の化学式・・・学者や研究者にでも成らない限り、社会に出てから直接的に役立つことは希有だろう。でも、なぜ勉強するのか、それは、

「生きるため」
「自分自身を磨くため」

そう強く思うようになった。このことはかつてのブログ「なぜ勉強しなければならないの?」(2019.10.7)にも書いてある。

昭和を代表する文豪・太宰治。その著書「正義と微笑」にはこんな文言がある。

・・・勉強というものは、いいものだ。代数や幾何の勉強が、学校を卒業してしまえば、もう何の役にも立たないものだと思っている人もあるようだが、大間違いだ。植物でも、動物でも、物理でも化学でも、時間のゆるす限り勉強して置かなければならん。日常の生活に直接役に立たないような勉強こそ、将来、君たちの人格を完成させるのだ。何も自分の知識を誇る必要はない。勉強して、それから、けろりと忘れてもいいんだ。覚えるということが大事なのではなくて、大事なのは、カルチベートされるということなんだ。カルチュアというのは、公式や単語をたくさん暗記している事でなくて、心を広く持つという事なんだ。つまり、愛するという事を知る事だ。学生時代に不勉強だった人は、社会に出てからも、かならずむごいエゴイストだ。学問なんて、覚えると同時に忘れてしまってもいいものなんだ。けれども、全部忘れてしまっても、その勉強の訓練の底に一つかみの砂金が残っているものだ。これだ。これが貴いのだ。勉強しなければいかん。そうして、その学問を、生活に無理に直接に役立てようとあせってはいかん。ゆったりと、真にカルチベートされた人間になれ!・・・

太宰治「正義と微笑」青空文庫より引用

※カルチュア:culture(文化、教養)
※カルチべート:cultivate(耕す、養う、洗練させる)
cultivate「自然を耕す」から「心を耕し、育て、洗練していく」へと派生し、cultureは文化や教養という意味になった。

自分の言葉ではなかなか端的に表現しにくかった「勉強することの意義」、まさにこういうことだなと。自分なりに解釈すると・・・
「エゴイストにならず、洗練された人間になるため」
不勉強な人というのは、自分が知らないこと、理解できないことを受け入れようとしない。なぜなら、知ろうとも理解しようともしないから。自分が知らないこと、理解できないこと、経験したことがないようなことは、全て否定する。それはエゴイストであると。そうならぬよう、カルチべートされた(洗練された)人間になれ、と太宰治は言っているのかな。

受験生として夏休みをどう過ごすべきか(中3編)

公立高校の受験日は2026年2月17日。あと7ヶ月程だ。
まだ7ヶ月?それとも、もう7ヶ月?
中3受験生が毎年入試を迎える頃に口を揃えて言うのは、
「あっという間に受験が来た。」
受験学年は体感速度が他学年と異なる。おそらく勉強により時間密度が高められているから。そんな受験生にとって、この夏休みをどのように位置付け、どのように過ごすべきかを簡単にまとめてみたい。

1.いわゆる“勉強体力”をつける夏に
この長期休暇を活用してまず身に付けてほしいのがこれ。これから受験勉強を本格的に始めるに当たって、長時間机に向かっても集中力を持続できる“勉強体力”を身に付けてほしい。

2.勉強時間をたっぷりと確保できる最後のチャンスという認識を
受験前のこれほどの長期休暇は夏休み以外にない。ゆえに勉強時間を十分に確保できる受験前最後のチャンスといえる。ただ長期休暇とは言え、アレモコレモと欲張りすぎてもどれも中途半端に終わるのが関の山。やるべきことに優先順位をつけ、きっちりと取り組むことが重要だ。以下に取り組んでほしいことを明記する。

①復習(苦手教科を中心に)
言わずもがなこの長期休暇期間は、学校の授業が進まないため復習をするのに打って付けの期間だ。十分な復習を心がけて欲しい。これまでの定期テストの今一度の解き直しを。それこそ満点が取れるまで何度でも。きっちりと取り組めば数学は特に効果が見込めると思う。

②入試過去問
特に国語と英語。周知の通り、神奈川公立入試問題の文字数・単語数は全国屈指。その中でも国語と英語は抜きん出ている。今年は例年より若干少なくなったと言われる国語だが、それでも約18,000字。これ400字詰め原稿用紙の約45枚分に相当する量で、もちろん全国公立№1。英語も同様に長文や情報量の多さに少しでも早く慣れておくことが望ましい。国語などは学年に関係なくほぼ取り組めるし、英語も中学内容が未了でもできる問題はかなり多い。なお神奈川は英文法に関する単独問題も出題されるため、その復習もできる。これら2教科だけでも、市販されている過去問集で直近の3年間分ぐらいは解いてみることを推奨する。

③理社の1・2年分野
苦手とする分野はそれぞれだが、理科なら物理分野(特に中1で学習した「光・音」)、社会なら歴史(江戸時代まで)を苦手とする受験生が一般的に多い。全ての復習は無理でも、特に著しく理解ができていない分野や単元だけでも、この夏休みを使ってひととおり復習しておいたほうがいい。具体的な取り組みとしては。学校や塾の問題集を使って基礎知識のアウトプットに努めよう。いくら思考力重視といえども、まずは基礎知識がなければどうにもならない。それを終えたら入試問題にチャレンジだ。

直近の全県模試は第3回(全員受験)。夏期講習期間内に受験してもらうのだが、そこに照準を定めて頑張ってほしい。受験勉強に前向きに取り組めるようになるには、やはり一定の成果を収めることだ。それができて初めて「次もガンバロウ」につながり、その積み重ねが力となる。

ただ大変なのは、上記と並行して定期テストにも備えなければならないという点だ。二期制の学校では、夏休み明けすぐに定期テストがあるため、より計画的な学習が求められる。

夏のガンバリは秋~冬にかけて効いてくる。
ガンバロウ!中3受験生!!!

次回は高3編を投稿予定

どうして夏休みの勉強が大事か?

これで梅雨明けしてないのかい!?とツッコみたくなるような暑さが続く今日この頃(^^ゞ。程なく今よりも容赦ない暑さに見舞われる、本格的な夏が到来するのだが、この時期の勉強が中学生にとってどうして大事なのかをザックリと説明していきたい。

中3
言わずもがな受験学年。1年で最も長いまとまった休みである夏休みは、入試に向けて復習をするのに打って付けの期間。必ずやってもらいたいこと(塾でもその時間を設けるけど)は以下の3つ!
●苦手教科の集中学習
●理社の1・2年内容の復習
●入試の過去問に触れる(夏休み前には過去問題集を購入すべき)

同時に、夏休み明けすぐの定期テストに向けての勉強も同時進行しなければならない。勉強法など詳しくは後ほど改めてブログにアップ予定。

中2
夏休み明け~年末(いわゆる3学期制でいうところの2学期)は、英数の学力差が一気に広がる単元が目白押し。
●英語:不定詞(応用含む)/助動詞/第4文型
●数学:連立方程式(文章題含む)/一次関数/図形
特に数学の一次関数。中2数学で最も優劣が分かれやすいともいえる単元で、点数を落としやすい。また、英語では不定詞基本3用法+応用までを2年で学習するのが今の教科書(オソロシイ・・・汗)。
例えば、y=2x+1, y=-x+7のx・yの解が出ないとか、I like to play tennisやTo play tennis is funが日本語に出来ないとか、という状況であれば、この夏休みは十分に復習することを強く勧める。

中1
中2同様。英数の学力差が残酷なまでに広がる期間。以下の単元を見れば納得してもらえると思う。
●英語:疑問詞/三単現/人称代名詞
●数学:方程式(文章題含む)/比例・反比例/図形
英語が苦手になる2つ目の分岐点である三単現が満を持して登場。また、数学は方程式という、ここまでの内容が定着できていなければ。以後の数学はほぼ壊滅状態になるという超重要単元を取り扱う。
例えば、-2+6×(-3)が解けないとか、Are you like~?やI am not play~とやってしまうとか、という状況であれば、この夏休みは小学生の頃と同じようなノリで過ごしていてはいけないだろう。

このように、
中3は入試に向けての助走
中1・中2は夏休み明けの英数のエグさ
以上のことから、夏休みの勉強ってすごく大事。決して大袈裟ではなく。

ただ、矛盾するようだけど、「勉強ばっかり」も良くない。適度に身体を動かしたりリフレッシュしたりするなど、何事もメリハリとバランスが肝要。決してアタマデッカチにならぬように、有意義な夏休みを過ごしてほしい。

提出物について思うところをつれづれなるままに

「成績に響くから提出物はちゃんと出しなさい」

提出物等が成績に幅を利かせるようになって久しい。学校の先生も、塾の講師も、そして、親御様も、似たようなことを言うだろう。確かにそのとおり。成績にメチャクチャ響く。提出を怠ったり(故意ではなくうっかり忘れも含め)、テキトーな取り組みをしていたりしたら、1段階ぐらい平気で下がる。仮に定期テストで満点を取っていたとしても、絶対に「5」は付かない。加えて定期テストの結果も厳しければ、目が点になるような成績が付く。ただ、定期テストでやらかしてしまっても、提出物等がきちんとなされていれば、余程のことがない限り「3」は死守できる。それが今の成績の付け方。だから、だれもが言う。

「成績に響くから提出物はちゃんと出しなさい」と。

確かに出すべきだ。でも、その目的が自分的には少し違うというか、成績よりももっと根っこの部分にあるというか・・・。

「約束事やルールといった社会性を学べ」

そう思うから。
期限を守らない、約束を守らない、時間やお金にだらしない・・・そんな人間は信用もされなければ信頼もされない。そうではなく、周囲から可愛がられるような、愛される人間になってほしい。

社会に出てから困らぬように、学生時代は一定の社会性を身につけるための、ある種の訓練期間。提出物一つとっても、個人的にはそんな訓練の一種だと捉えている。

考え方や価値観は人それぞれ。これが正しい!なんて声高に訴えるつもりなど毛頭ない。ただ、通ってくれている子どもたちを指導するうえで、何となく大事にしていることの一つ。