【勉強お役立ちブログ】高3が冬からやるべき勉強は?

11月8日、立冬。暦のうえでは、冬、来たり。
高3は大学受験に向けて全力疾走中。
そこで冬以降の受験勉強のあり方について。

受験生の冬からの勉強の注意点①
新しい問題集に手を出さない

受験生の冬以降の勉強の注意点1つ目は、「新しい問題集に手を出さない」だ。
入試レベルの問題に触れ始めると、足りない部分が浮かび上がって
「もっといろいろやらなければ!」
とカンチガイして、新しい問題集を何冊も買ってしまう受験生がいるが…
それはやめよう
すでに持っている問題集を極めてしまってやることがないっていうぐらいなら買ってもいいけど、そうでないならとりあえずは、持っている問題集を極めるべし。そうすれば、いろいろやらなくてもちゃんと解けるようになっていくので。

受験生の冬からの勉強の注意点②
確実に解ける問題を解けるようにする

受験生の冬以降の勉強の注意点2つ目は、「確実に解ける問題を解けるようにする」だ。
入試レベルに触れると、難しい問題が解けなくてそればかりをやろうと時間を割いてしまいがち。それは時間の無駄なのでやめよう入試レベルに触れる目的は、まず、解ける問題を確実に解けるようにすることだ。だから、あまりにも難しい問題は解説を読んで、「へぇ~こうやって解くんだ」と解き方をなんとなく理解しておく程度でOK
難しい問題に時間を割きすぎて、基礎基本が疎かになってしまい悔しい思いをした受験生を何人も見てきた。

受験生の冬からの勉強の注意点③
配点も意識して勉強する

受験生の秋以降の勉強の注意点3つ目は、「配点も意識して勉強する」だ。
②の「難しい問題に時間を割かない」にも関わることで、配点も意識して勉強しよう。「合格するには○○点くらい必要」というラインがある。それに合わせて、解くべき問題のレベルを選定するのだ。例えば、7割くらい取ればいいのであれば、難しい問題はあまり解けるようになる必要はない。ただし、基礎的な問題や中程度の難易度の問題は確実に取り切れるように鍛えよう。
そんな感じで、「目標点数に応じて、解くべき問題かどうか?」を過去問を通してチェックしながら勉強してみてほしい。

受験生の冬からの勉強の注意点④
大問ごとの時間配分を意識する

受験生の秋以降の勉強の注意点4つ目は、「大問ごとの時間配分を意識する」だ。
たとえば共通テストの国語は、第1問(現代文・評論)、第2問(現代文・小説)、第3問(古文)、第4問(漢文)という構成。これらを80分で解かなければならないのだが、これがまたなかなかに難しい。時間が足りないなんてザラにあるので、まずザックリと前半の現代文(第1問・題2問)で45分、後半(第3問・第4問)で30分、残り5分を見直し時間、のように決めて、各科目いずれも本番を想定したトレーニングをし重ねていってほしい。
特に共通テストは時間との勝負。時間配分を誤ってしまうと解けるはずの問題も落としてしまいかねない。徹底すべし。

共通テストまで、あと…
66日!!!

ガンバレ!高3受験生!!!

公立高校入試の新制度について改めてまとめてみた

「面接廃止によって神奈川公立高校の入試はどうなる?」の記事がいつも閲覧されているようなので、やはり関心をもたれている親御様や受験生自身も多いのではないかと思い、改めて新制度入試について過去記事を引用して説明していきたい。

ポイントは2つ。
「全員一律の面接廃止」、
「調査書の『主体的に学習に取り組む態度』の活用」。

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全員一律の面接廃止

全員一律の面接が廃止され、選抜方法が以下のように変わった(県教委HPより抜粋)。

第1次選考はS1の点数に基づいて選考する。これまでのS1の満点は面接点を含めて1000点だったため、調査書と学力検査の比率(上記のfとg)は最大6までだった、けれども、新しい入試制度では「8」まで設定することが可能となる。つまり、以下のいずれかの比率となる。

・調査書2:学力検査8(学力超重視型)
・調査書3:学力検査7(学力重視型)
・調査書4:学力検査6(学力やや重視型)
・調査書5:学力検査5(バランス型)
・調査書6:学力検査4(内申やや重視型)
・調査書7:学力検査3(内申重視型)
・調査書8:学力検査2(内申超重視型)

上位校であれば学力重視型の傾向にあり、下位校であれば調査書重視型の傾向にあるのはこれまでの選考基準でも明らかなところ。受験生はこの数値をしっかりと認識しておく必要がある。

●「主体的に学習に取り組む態度」の活用

第2次選考はS2の点数に基づいて選考する。これまでの選抜方法では第2次選考は学力検査と面接の結果(特色検査を実施した場合はそれを加えた結果)によって選考を行ってきた。そこでは調査書は使用されなかったが、新しい入試制度では第2次選考においても調査書に記載されている観点別評価の「主体的に学習に取り組む態度」が活用される。つまり、調査書の重要性が増すことになる。

・調査書2:学力検査8(学力超重視型)
・調査書3:学力検査7(学力重視型)
・調査書4:学力検査6(学力やや重視型)
・調査書5:学力検査5(バランス型)
・調査書6:学力検査4(主体性やや重視型)
・調査書7:学力検査3(主体性重視型)
・調査書8:学力検査2(主体性超重視型)

「主体的に学習に取り組む態度」が点数化され選考に使用されるのは、業界内では本当に物議を醸している。これは客観的かつ統一的な評価が難しいため、評価する側(学校の先生)の主観が多分に含まれることは否定できず、極めて不透明な選抜になりかねないからだ。少し言い方は悪いけれど、「先生に気に入られている子」だけが有利になってしまうようなことがあってはならない。

では、これまでの内容を、実際の高校に当てはめて具体的に見てみよう。

●第1次選考の具体例

弊塾の中3に関わると思われる高校をピックアップして説明していく。
例えば、小田原と平塚江南。いずれも、旧学区トップ校で進学重点校エントリー校だ。選考基準におけるこれら両校の違いは次のとおり。
【小  田  原】内申4:入試6:特色検査1=計1100点満点
【平塚江南】内申3:入試7:特色検査1=計1100点満点

小田原よりも平塚江南の方が学力重視。これがどう合否に影響してくるのか?具体例を示してみたい。

たとえば、小田原高校を受験する内申108のAさん内申120のBさんがいたとする。学力検査前の両者の持ち点は以下のとおり(小数点以下切捨)。
A:108×100÷135×4=320
B:120×100÷135×4=355
次に、両者の学力検査の得点を、Aさん420点Bさん400点と仮定すると、学力検査における両者の持ち点は以下のとおり(小数点以下切捨)。
A:420×100÷500×6=504
B:400×100÷500×6=480
ここまでの両者の総得点がこちら。
A:320+504=824 / 1000点満点
B:355+480=835 / 1000点満点
この時点ではBさんが上位。Aさんが逆転するには特色検査でBさんより12点以上上回る必要がある。とはいえ12点であれば、2~3問正答数を上回れば逆転できてしまう。

一方、そのAさんとBさんが小田原高校ではなく平塚江南高校を受験したとすると、学力検査前の両者の持ち点は以下のとおり(小数点以下切捨)。
A:108×100÷135×3=240
B:120×100÷135×3=266
次に、両者の学力検査の得点を、Aさん420点Bさん400点と仮定すると、学力検査における両者の持ち点は以下のとおり(小数点以下切捨)。
A:420×100÷500×7=588
B:400×100÷500×7=560
ここまでの両者の総得点がこちら。
A:240+588=828 / 1000点満点
B:266+560=826 / 1000点満点
今度はこの時点ではAさんが上位。まさに逆転現象が起こったということ。あとは特色検査の出来次第。

ここまでで分かるとおり、内申10点程度の差(とはいえ内申10点の差って“成績”で追いつくにはかなり大変)は、学力重視の高校なら学力検査次第で十分に逆転可能。20点ほど上回ればいい(1問4点や5点がほとんどのため正答数なら5~6問)。特に特色検査のある高校ならさらに逆転は起こりやすいだろう。

参考までに、各比率における内申1点に相当する入試の点数はこんな感じ。
①内申3:入試7⇒約1.6点
②内申4:入試6⇒約2.5点
③内申5:入試5⇒約3.7点
④内申6:入試4⇒約5.6点
⑤内申7:入試3⇒約8.6点

●第2次選考の具体例

ではこれまた弊塾の中3に関わりのある西湘高校を例にとって説明していこう。
たとえば西湘高校の第2次選考基準は「学力検査8:調査書(観点)2」。XさんとYさんが受験したとする。
Xさん:「主体的」観点オールA(27点)/学力検査320点
【学力検査】320×100÷500×8=512
【調査書】27×100÷27×2=200
【合計点数】512+200=712
Yさん:「主体的」観点オールB(18点)/学力検査350点
【学力検査】350×100÷500×8=560
【調査書】18×100÷27×2=133
【合計点数】560+133=693

従来の入試制度なら圧倒的にYさんが有利。そりゃそうだ、学力検査で30点も上回っているのだから。ところが新制度ではどうだろう。学力検査で30点も下回っているにもかかわらずXさんの方が有利になるのだ。全ては「主体的に学習に取り組む態度」によるもの。これまでのような入試一発勝負が難しくなったワケはここにある。とはいえ、この主体的云々は、定期テストのような客観的な数字による評価が難しく、評価する側の主観に左右されてしまうのが実際のところだろう。授業に臨む姿勢や提出物関連の精度(期限もナカミも)等がこの評価に大きく関わるところだからだ。だから、「第2次選考の“闇”」なのだ。「先生に気に入られた者勝ち」があってはならない。

ちなみに、多くの高校が上記の「学力検査8:調査書2」の比率で、次いで7:3が多い印象だ(「専門学科・コース」などは除く)。その中にあって、6:4の高校がある。

藤沢西高校だ。

湘南地区にある藤沢西高校は、毎年人気の集まる高校の一つ。弊塾からも何名か進学している。比率8:2でさえ観点別評価次第では「入試でいくら点数を取っても…」であるのに、それが6:4ならなおのこと。たとえ成績に4や5が並んでいても、「主体的に学習に取り組む態度」がトータルで低くては、たとえ入試で頑張っても報われなくなってしまう。ただ、藤沢西高校はそれだけ、積極的に学ぼうとする生徒が欲しいということ。高校のカラーが如実に表れていると見て取れる。

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ここまで読んでいただきありがとうございました。
ご参考にしていただけましたら幸いです。

要するに「学力向上進学重点校」って何?

地元の小田原高校が2024年度以降の学力向上進学重点校に指定されたことを受け、ここで改めて「学力向上進学重点校とは何ぞや?」について述べていきたいと思う。

そもそも「学力向上進学重点校」とは?

将来のリーダーに求められる資質・能力を育むことができるよう、主体的、総合的、探究的な学びをとおして、様々な教科等で身に付けた資質・能力を活用して課題を解決する思考力・判断力・表現力等の育成に取り組み、希望する進路の実現を図ります。(県教委HPより)
学習指導を通じて、将来のリーダーたる資質を育てるという、まさに崇高な理想を掲げる学校群といったところだろうか。

学力向上進学重点校の歩み

2007年
学力向上進学重点校(以下、重点校)の歴史は2007年にまでさかのぼる。その最初の重点校がこの10校だ。
湘南 / 横浜翠嵐 / 柏陽 / 小田原 / 光陵 /
多摩 / 横須賀 / 鎌倉 / 横浜国際 / 平塚江南
ほとんどが旧学区トップ校。いずれも伝統ある進学校が指定された。厚木が入っていなかったのが今思えば不思議。

2010年
その後の2010年に、次の8校が加えられ18校となった。
川和 / 希望ヶ丘 / 横浜緑ケ丘 / 追浜 / 秦野 /
厚木 / 大和 / 相模原

2013年
その18校が再指定され、その中でも横浜翠嵐と湘南はアドバンス校となり、重点校の牽引校ともいえる役割を果たした。
湘南 / 横浜翠嵐 /
柏陽 / 小田原 / 光陵 /
多摩 / 横須賀 /
鎌倉 / 横浜国際 / 平塚江南 /
川和 /
希望ヶ丘 / 横浜緑ケ丘 / 追浜 /
秦野 /
厚木 / 大和 / 相模原

2016年
これまでの指定は一旦終了し、以下の17校が「エントリー校」という位置付けに。横浜国際が指定から外れたのが意外だったな。
湘南 / 横浜翠嵐 / 柏陽 / 小田原 / 光陵 / 多摩 /
横須賀 / 鎌倉 / 平塚江南 / 川和 /
希望ヶ丘 /
横浜緑ケ丘 / 厚木 / 大和 /
相模原 / 横浜平沼 /
茅ヶ崎北陵

2018年
改めて以下の基準で上記エントリー校の中から重点校を指定することとした。
①主体的・協同的な学びの教科指導を展開し、高いレベルの能力育成のため、達成するべき学力水準を示している。
②県教委実施の生徒学力調査の結果により、高い学力が身についている。
③生徒の7割以上が、在学期間中に英検2級程度以上の高い英語力を取得している。
④全国規模の大会の取り組みなど、学校の教育活動全体を通じて、豊かな人間性や社会性を育み、その成果をあげている。
⑤難関大学への現役進学に高い実績をあげている。
理念を具体的に示したような感じ。個人的には③⑤がポイント。やはり英語力の向上に力を注いでいて、それを大学進学の実績に繋げようとする思惑か。で、指定されたのが以下の4校
横浜翠嵐 / 湘南 / 柏陽 / 厚木
※横浜翠嵐と湘南は2017年に先行指定

2021年
川和が追加指定され5校になり、エントリー校も横浜国際が再指定され13校に。
●重点校
横浜翠嵐 / 湘南 / 柏陽 / 厚木 / 川和

●エントリー校
小田原 / 光陵 / 多摩 / 横須賀 / 鎌倉 /
平塚江南 /
希望ヶ丘 / 横浜緑ケ丘 / 大和 /
相模原 / 横浜平沼 / 茅ヶ崎北陵 / 横浜国際
ちなみにこれら重点校及びエントリー校の中には、文科省によるSSH(スーパーサイエンスハイスクール)、神奈川県による理数教育推進校に指定されている高校が多い(小田原、多摩、平塚江南、希望ヶ丘、横浜緑ヶ丘、鎌倉、厚木、相模原)。

2024年
で、2024年度以降の重点校がこれらの8校。
横浜翠嵐 / 湘南 / 柏陽 / 厚木 / 川和
横浜緑ヶ丘 / 多摩 / 小田原
横浜緑ヶ丘、多摩、小田原が加わり8校に。ちなみにエントリー校は取り組み状況や成果によってその指定が取り消される可能性もあるため、まだはっきりとは分からない。来春改めて指定されるとのこと。なお、↓が上記8校の直近の難関大学合格実績。一通り各校の実績には目を通したけれど、横浜翠嵐や湘南を除けば、国公立では厚木に一定の強みがあるような気がする。

重点校は他校と何が違う?

●予算が他校より多い
重点校には重点校にふさわしい人員と予算が配備されている。大学進学に向けてより一層の教育環境の充実を図るため、優秀な教員を多く配備したり、ICT環境を優先的に整えたりすることができる。

●重点校同士の交流がある
重点校同士、特に英語学習についての交流が盛んらしい。重点校の生徒同士あるいは教員同士による即興型英語ディベート大会を開催したり、海外リーダーシップ研修として海外の大学を訪問したりというプログラムもあるそうな。

で、結局のところ重点校って?

難関大学の現役合格に向けて学習環境がより一層整備された学校で、特に英語力向上に力点を置いている(SSHや理数教育推進校は理系科目にも)、と言えそうだ。

重点校の魅力とは?(個人的意見)

確かに予算や学習環境が他校よりも整えられているのは魅力的ではあるけれども、そのようなハード面より、やはり「そこに集う生徒」=ソフト面、にこそ魅力があるように思う。多感な青春期、高い志をもった者同士が切磋琢磨できる経験というのは、一生モノの財産ともなるにちがいない。どこそこの名門大学に進学しているとか、偏差値の高い難関大学に合格しているとか、そんな結果云々よりも、そこに向かう過程における自己研鑽。そういう経験こそ貴く、生きる力を育むものだ。

最後に
とは言え重点校が絶対などでは決してない。高校時代の3年間というのは、大人になってからの3年間とはワケが違う。高校が目指している方向性、校風、そして、卒業後もしっかりと見据えたうえで、何を学び、どんな経験をし、それらをどう進路に繋げていきたいか、どんな3年間にしたいか、あらゆることを総合的に考えた志望校選択を。

神奈川公立高校入試の英語で80点以上を目指すには

このブログでもしばしばテーマにさせてもらっているけれど、神奈川公立高校入試の英語は安定の難しさと言っていい。

とい言うのは、上の表からも明らかなように現行の入試制度になってから、5教科の中で唯一、合格者平均点が60点を超えていないのが英語だからだ。特に2016、2019、2020年度では50点を下回る難度。また、業界で物議を醸した2014や2015年度の理科も凄まじかったけれど(汗)。ちなみに難易度の推移から、今年度の国語は間違いなく難化するだろうな。

とは言え、横浜翠嵐や湘南を始めとする県下のトップ校なら90点台、小田原や平塚江南といった地域のトップ校なら80点台が合格するための絶対条件ともいえるのが英語だ。理科や社会は難易度の変動が著しく、また、数学はたとえトップ校でも80点台が極めて難しいのが近年の傾向。ゆえに、トップ校受験者にとっては英語+国語で稼いでいかなければならない。

そのためには、配点の高い読解問題(問6~問8)にどれだけ時間をかけられるかが勝負になってくる。これら読解問題に30分は費やせるような時間配分でトレーニングしていくべきなのだが、そこで厄介になってくるのが語順整序(並べかえ)と条件英作文だ。これまたかなり難度が高く、毎年受験生を悩ませる。以下に少しその例を。

問4(語順整序 ※1語不要)

2023年度

(ウ) Eri, ( 1.have  2.we  3.milk  4.are  5.any  6.do ) left in the bottle?
【答】Eri, ( do we have any milk ) left in the bottle?
分詞の後置修飾⇒「瓶に残っていた牛乳」に気づけたかどうか。leftが過去分詞と気づけても選択肢にhaveがあるため現在完了形と勘違いしてしまう受験生もいたかも。
(エ) Don’t ( 1.afraid  2.asking  3.be  4.to  5.questions  6.of ) if you have something you don’t understand.
【答】Don’t ( be afraid of asking questions )if you have something you don’t understand.
前置詞+動名詞⇒ofに続く形が名詞のカタマリ(動名詞)に気づけたかどうか。この<前置詞+動名詞>は近年頻出パターンの一つ。

2022年度

(ウ) I’d like to buy a new computer, but I can’t ( 1.should  2.I  3.one  4.to  5.which  6.decide ) buy.
【答】…but I can’t ( decide which one I should ) buy.
間接疑問文⇒should I~としないように。またdecide to~を誘発するような問題構成もヤラシイ。あと<which+名詞>も意外とできない子が多かったのでは。
(エ) But I ( 1.better  2.wish  3.were  4.I  5.could  6.at ) playing it.
【答】But I ( wish I were better at ) playing it.
仮定法+比較級⇒個人的には近年で最高難度。be good at~ingは知っていても、このgoodを比較級で使うことに慣れている受験生は希だったのではなかろうか。それに仮定法まで加わっているため難儀。

問5(条件英作文)

2021年度


【答】How many students watch movies…?
★実は中1レベルの問題。でも正答率が低かったのは、<how many+複数名詞>を主語として使うのには慣れていないから。おおくの受験生がHow many students do…と書き出したのでは?

2018年度


【答】When will it be returned?
★<助動詞+受動態>の疑問詞付き疑問文。ただでさえ疑問詞を伴う受動態の疑問文は間違えることが多いのに、それに助動詞まで加わっている。

このように問4や問5には、80点~90点台を阻むような難度の問題が随所にある…が、トップ校に合格するためには越えなければならないハードルだ。数秒考えて答えを導けそうになければ思い切って飛ばすのもアリ。とにかく読解問題群には30分を費やし、そこで稼ぐことを優先しよう。

ガンバレ!中3受験生!!!

【勉強お役立ちブログ(英)】丸暗記不要~前置詞ofの核心~

どえらく久しぶりの「勉強お役立ちブログ(英)」(汗)。今回のテーマは前置詞ofの核心!中学生だとそれほど使い方に苦労しないofだけど、高校生になるとこれがまた結構厄介。さまざまあるofの使い方をここで一気にスッキリさせてしまおう。

まず、次の例文をご覧あれ。

This is a picture of my family.
「これは僕の家族の写真だ。」

まぁ中学生で初めて習うときの例文みたいなものだ。こういう例文からofの意味は「~の」なんて、日本語“だけ”で覚えようとしてしまうと後々混乱する。まず結論から言うと…

ofは「~の」という意味ではない!

こう断言してしまうと誤解を生んでしまいそうなので言い直そう…

ofは「~の」と日本語訳することが多いけど、日本語だけで覚えてしまうと何かと不便!(…長い汗)

ofは前置詞。そもそも前置詞は日本語にはない概念だから、日本語で覚えようとするとムリが生じる。前置詞はイメージで覚えることが大切。ofのイメージは以下の画像のとおりだ。

そう、ofは「所属からの取り出し・分離」!これがofの核心。ちなみにoffはofから派生したもので完全なる分離を表す。だから「接触」を表すonと対の意味を成すのだ。では、このofの核心を念頭に置いて例文を見ていこう。

① The capital of Japan is Tokyo.
「日本の首都は東京だ。」
確かにofは『~の』と訳すけど、Japanからthe capitalを“取り出す”イメージを持とう。

② She is the oldest of the four.
「彼女は4人の中で最も年上だ。」
『~の中で』とか『~のうちで』とかって訳すのが自然だから、そのような意味として覚えているだろうけど、これも、“取り出す”だね。the four(4人)からthe oldest(最も年上)を取り出すイメージ。

③ He is a man of ability.
「彼は有能な男だ。」
何かability(能力)のカタマリから一人のman(男)を取り出すイメージ。能力のカタマリから取り出された男、要するに「有能な男」ってことだよね。これを理解できていれば、たとえば、of importance=important、のような「of+抽象名詞=形容詞」も納得できるはず。

④ She robbed him of his bag.
「彼女は彼からカバンを奪った。」
これ入試頻出。この日本語だとついつい、She robbed his bag from him.としてしまいがち。まずrobという動詞は、そもそもの語源が「身ぐるみをはがす」というもの。だから、目的語には人がくる。そして、何から“はがす”のか、その分離を表すのがof。カバンから彼をはがす=分離する、というイメージ。これと同じような使い方をする動詞の代表例がこちら。

・The government deprived us of our liberty.
「政府は自由の状態から我々を引き離した。
⇒政府は我々から自由を剥奪した。」
deprive A of B(AからBを奪う)
※この「奪う」は地位や権力といった抽象的なもの
・This medicine will cure you of your stomachache.
「この薬はあなたの胃痛の状態からあなたを分離するだろう。
⇒この薬を飲めばあなたの胃痛は治るだろう。」
cure A of B(AのBを治す)

これらも、BからAをはがす・分離するとイメージしておけば解釈もしやすくなる。

もちろんこれで全てではないけれど、“核”を理解しておくと知識がなくても解ける(こともある)し、応用が利くようにもなる。もう一度言う、

ofは「所属からの取り出し・分離」!

頑張れ!中高生

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【勉強お役立ちブログ】高3が秋からやるべき勉強は?

受験生にとっては“天王山”とも言われる夏が程なく終わる。
これから秋を迎えるにあたって、受験生が秋以降にやるべき勉強について簡単に述べていきたい。

受験生が秋からやるべき勉強①
共通テストレベルの問題
受験生が秋以降にやるべき勉強1つ目は、共通テストレベルの問題に取り組むだ。共通テストの過去問(赤本や黒本)を使うでもいいし、数学ならチャート式の共通テスト対策などを使うのでもOK。夏休みまでは基礎基本の定着が目標だったが、秋からは積極的に入試本番レベルの問題に触れていこう

受験生が秋からやるべき勉強②
志望校の過去問
受験生が秋以降にやるべき勉強2つ目は、「志望校の過去問に取り組むだ。
これは共通テストほどガッツリやらなくてもいいけれど、徐々に勉強スケジュールに組み込み、志望校の傾向に合わせた勉強をしていこう(共通テストの目標点に近づいてきたぐらいに)。ちなみに、志望校の試験で一切出ない問題はサラッと流す(解説を読む)程度でOK。早めに志望校の入試レベルに触れることで足りない部分を明確にできれば、効率的な対策ができるようになる

受験生が秋以降にやるべき勉強③
「抜け」があったら戻る
受験生が秋以降にやるべき勉強3つ目は、「『抜けがあったら戻るだ。
入試レベルの問題に触れてみて、明らかに抜けている、完成度が低い、と感じられた部分はすぐに戻って復習しよう。出来ていなかったところの類題を数題解く感じで補強していけばいい。しばらくするとまた「抜け」が生じるだろうけど、その度にちょっと復習していくことで、習熟度が確かなものとなっていく。

受験生が秋からやるべき勉強④
同じ問題を繰り返す
受験生が秋以降にやるべき勉強4つ目は、「同じ問題を繰り返すだ。
どんどん新しい問題を解きまくるよりも、同じ問題を「少し忘れてるかなぁ」くらいのタイミングの度に何度も繰り返すほうが勉強の効率は高まる今手元にある問題を見た瞬間に正解までの道筋が浮かんでくるくらいまで繰り返すのが理想だ。なお、文系理系問わず必要な英語は、兎にも角にも単語力。常に単語帳に目を通して単語力を確かなものにしよう。また、国公立や私立文系なら古文単語も同様。いずれも文法が少々あやしくても、単語力があればかなりカバーできる。

受験生が秋からやるべき勉強⑤
基礎基本を疎かにしない
受験生が秋以降にやるべき勉強5つ目は、「基礎基本を疎かにしない」だ。
入試レベルに偏ってしまうと、「ついうっかり」が頻繁に起こりえるため、基礎基本の振り返りは適宜やるようにしよう。英語なら文法、数学なら計算と、とにかく少しでも触れるようにすることで、ケアレスミスも減っていく。

最後に。
当たり前だけど、毎日勉強しよう。
ここから入試本番までは、勉強しない日をつくってはいけない。
自ら決めた道、最後まで走り抜け、やり抜け。
「次はガンバル」などと言うな。
そういうヤツは一生言い続ける。
今、ガンバレ!高3受験生!!!

【勉強お役立ちブログ】文章読解~選択問題の取り組み方~

本日は国語を苦手とする子向けの記事。特に読解の選択問題で不正解になることが多い子は是非とも参考にしてみてほしい。

まず、国語の選択問題で不正解になる原因の一つは、「『あれもこれも答えじゃないか?』病」に罹ってしまっているところにある。正解の根拠となる文は、傍線部や空欄の前後4~5行にある場合が多いのだが、本文中にそれっぽいことが書かれていると、まんまと引っかかってしまう。また、もう一つ(これやりがち)は、世間一般的に常識、妥当と考えられる選択肢を選んでしまうこと。たとえ世間一般の常識等に照らし合わせ、それが妥当であったとしても、本文中に書かれていないことは選んではいけない。

読解問題に弱い子の中には、そもそも間違った認識で問題を解いている子もいる。まずはそこを改めなければならない。ここを間違えていると、無意識のうちに「あなたはどう思いますか」の視点で選択肢を選んでしまいがちだ。ド基礎中のド基礎だが、読解というのは…

読み手(=あなた)の考えを問うているのではなく、あくまで筆者の主張を正しく読み取れるか問うているのだ。

さて、本題に入ろう。そんな選択問題で正答率を上げていくには、正解を“考える”ではなく、“絞り込む”意識で選択肢と向き合うこと。そう、基本的には消去法で不正解の選択肢を削っていくといい。次に下の画像を見て欲しい。これは、今年度(2023年度)の神奈川公立高校入試・問3(論説文)の一部。4択が基本の神奈川のため、“きちんと”読めば正解は絞り込める。この“きちんと”をどうするか。

画像にあるように、選択肢それぞれの文において意味のまとまりごとに/(スラッシュ)を入れてあることに注目してほしい。全体をサーッと読むだけで選択肢を絞り込める子はこんなことをする必要などないけれど、いつも間違えてしまう子はスラッシュを入れて一つひとつの文のカタマリを吟味してみた方がいい。例えば、
1.~~~/~~~/~~~。
2.~~~/~~~/~~~。
3.~~~/~~~/~~~。
4.~~~/~~~/~~~。
1.は、上3分の2までは本文に書かれているけど、下3分の1は誤り。
2.は、最初の3分の1が誤っている。
3.は、特に誤った箇所は見当たらない。
4.は、それっぽいことが書かれているけど、本文にその記述が見当たらない。
よって、3が正解、というような感じで絞り込んでいく。

まとめると、
①傍線部や空欄の前後を精読する
②消去法で攻める
③選択肢の文をスラッシュで区切る

国語はセンスじゃない。
「正しく読み、正しく解く」を積み重ねていけば必ずできるようになる。
そして「何となく」の勉強から卒業しよう。
ガンバレ!!!

追記:高校生向け勉強お役立ちブログ(英語)
なぜ文型が大事なのか
時制の使い分け
分詞構文とは?

関係詞攻略大作戦!①
関係詞攻略大作戦!②
関係詞攻略大作戦!③
willは未来形ではない?
現在完了形の核とは?
so~that…構文の核
頻度を表す副詞の位置は?
比較①not more(less) thanとno more(less) than、何が違うの?
比較②no more(less)…than~をスッキリと!

不定詞・動名詞の違いって?
大学入学共通テストのリスニングって?
英単語習得法
仮定法は“もしもボックス”
等位接続詞は正しい英文解釈をするうえで超重要!
原形不定詞をとる動詞は5種類だけ!
倒置のルールって実は簡単

難関校合格のカギ、特色検査を攻略するには?

横浜翠嵐や湘南、近隣では小田原や平塚江南など、県下の進学重点校およびエントリー校で実施される“6教科目”ともみなされる特色検査。これをいかにして攻略するかが難関校合格のカギともいえる。

ちなみに進学重点校とエントリー校の特色検査の比率は以下のとおり。
※( )の数値が特色検査の比率。

【内申3:学力検査7の学校】
横浜翠嵐(3)、柏陽(2)、横須賀(1)、平塚江南(1)
【内申4:学力検査6の学校】
川和(1)、希望ケ丘(1)、横浜緑ケ丘(2)、多摩(2)、鎌倉(1)、湘南(2)、茅ケ崎北陵(1)、厚木(2)、大和(1)、小田原(1)、横浜国際「国際」(1)、横浜国際「バカロレア」(2)
【内申5:学力検査5の学校】
横浜平沼(1)、光陵(1)、相模原(1)

横浜翠嵐は13分の10(1300点満点中1000点)が当日の得点次第という、超実力重視の比率。

近年の特色検査(正しくは「自己表現検査」…だが、これの何が自己表現なのかもはや分からん…汗)の傾向は…
①問1以外は理系色が極めて強い問題群
②受験生が“freeze”してしまうような超難問は減少傾向
③県下の公立中高一貫校の適性検査に類似(小学生でも解ける問題あり)
ここでは③について少し述べていきたい。

こちらは県立中等の適性検査。

こちらは特色検査。

見ため的に分かりやすい問題を抜粋したけれど、サイコロを使った論理的思考力を測る問題。これら以外にも特色検査と適性検査はかなり似通ってきているため、適性検査の過去問も活用の仕方次第では特色検査対策として非常に有効だ。過去3年分ぐらいの問題と解答ならインターネットから自由にダウンロードできるので、この夏から少し取り組み始めてはどうだろう。

神奈川県立中等教育学校(適性検査Ⅰ)
神奈川県立中等教育学校(適性検査Ⅱ)
横浜市立横浜サイエンスフロンティア高等学校附属中学校(適性検査Ⅱ)
横浜市立南高等学校附属中学校(適性検査Ⅱ)

理系色が強いため、サイエンスフロンティア附属の適性検査などは、結構オススメ。解き応えのある問題多し。

中高一貫校の適性検査の過去問等を通じて地頭(じあたま)を鍛えてから、実際の特色検査の過去問は秋以降に取りかかるのも大いにアリだ。ただ、耳にタコだが、5科の学力検査の得点力を伸ばすことが最優先であることは忘れずに。

頑張れ!中3受験生!!!

公立高校入試 第2次選考の“闇”

先日書いたブログ「公立高校の新制度入試について考えてみた」は、主に第1次選考について。今回は業界内で物議を醸している第2次選考について説明していきたい。ついでにこちらのブログ「変わる神奈川県公立高校入試」も参考に。

第2次選考の“闇”

“闇”というと大袈裟に聞こえるかもしれないけれど。実際“闇”だと思う。
これまで説明してきたとおり、今回の制度改定のポイントは、
①受験者一律の面接廃止
②二次選考における調査書(内申)の点数化

この②がヤバいのだ。改めて2次選考の基準がこちら(Bは学力検査の点数、Cは調査書の観点別評価「主体的に学習に取り組む態度」の点数)。

これまで第2次選考には調査書(内申)は一切含まれず、学力検査+面接(+特色)によるものだった。資料等が整わない受験者のためでもある。ところが、今回の改定では調査書がガッツリ含まれるのだ。観点別評価の一つである「主体的に学習取り組む態度」を、
A=3点 / B=2点 / C=1点として点数化し、
これらを9教科全てで合計点とする。
つまりオールAなら、
3点×9科=27点、
ということになるのだ。
そして、この点数を100点満点に換算し、各高校毎の比率に乗じる。

では今回も同じく、弊塾の中3に関わりのある西湘高校を例にとって説明していこう。
西湘高校の第2次選考基準は「学力検査8:調査書(観点)2」。XさんとYさんが受験したとする。
Xさん:観点オールA(27点)/学力検査320点
【学力検査】320×100÷500×8=512
【調査書】27×100÷27×2=200
【合計点数】512+200=712
Yさん:観点オールB(18点)/学力検査350点
【学力検査】350×100÷500×8=560
【調査書】18×100÷27×2=133
【合計点数】560+133=693

従来の入試制度なら圧倒的にYさんが有利。そりゃそうだ、学力検査で30点も上回っているのだから。ところが新制度ではどうだろう。学力検査で30点も下回っているにもかかわらずXさんの方が有利になるのだ。全ては「主体的に学習に取り組む態度」によるもの。これまでのような入試一発勝負が難しくなったワケはここにある。とはいえ、この主体的云々は、定期テストのような客観的な数字による評価が難しく、評価する側の主観に左右されてしまうのが実際のところだろう。授業に臨む姿勢や提出物関連の精度(期限もナカミも)等がこの評価に大きく関わるところだからだ。だから、「第2次選考の“闇”」なのだ。「先生に気に入られた者勝ち」があってはならない。

ちなみに、多くの高校が上記の「学力検査8:調査書2」の比率で、次いで7:3が多い印象だ(「専門学科・コース」などは除く)。その中にあって、6:4の高校がある。

藤沢西高校だ。

湘南地区にある藤沢西高校は、毎年人気の集まる高校の一つ。弊塾からも何名か進学している。比率8:2でさえ観点別評価次第では「入試でいくら点数を取っても…」であるのに、それが6:4ならなおのこと。たとえ成績に4や5が並んでいても、「主体的に学習に取り組む態度」がトータルで低くては、たとえ入試で頑張っても報われなくなってしまう。ただ、藤沢西高校はそれだけ、積極的に学ぼうとする生徒が欲しいということ。高校のカラーが如実に表れていると見て取れる。

結論
成績が同じ4や5でもそのナカミに注視を。「主体的に学習に取り組む態度」はAを目指すべし。そのためには日々の取り組みが超重要。
提出物関連(ワークやレポート)の精度を上げられるような努力を。
「ヤッツケ仕事のようになっていないか?」
「解答の丸写しになっていないか?」
授業中の取り組みに積極性を。
「ただ板書を写すだけになっていないか?」
「持参物を忘れていないか?」
そのうえで、早期に過去問に着手し、実力に磨きをかけよ。

中にはもちろん面倒くさいこともあろう、やりたくないこともあろう。
そんなことは大人も同じ。重々承知だ。でもな、面倒なことでも、やりたくないことでも、こういうことをキッチリとできる人間というのは、高校、大学、そして社会に出てからも強い。道を切り拓いていける人間になれる。
ガンバロウ!中3生!!!

公立高校の新制度入試について考えてみた

昨日、2024年度公立高校入試における選抜選考基準が県より発表された。程なく発表されるであろうと見越して、事前に入試制度のおさらいブログを一昨日に書いたのだが、その翌日にまさか発表されるとは…(汗)。

【CLEAR講師ブログ】
変わる神奈川県公立高校入試
【県教育委発表資料】
選考基準(全校一覧)

まず驚いたのは、面接を実施する高校が極めて少なかったこと。そして、内申2:入試8のような学力に振り切った比率にしてくる高校がなかったこと。

では、具体的に見ていこう。

弊塾の中3に関わると思われる高校をピックアップして説明していく。
例えば、小田原と平塚江南。いずれも、旧学区トップ校で進学重点校エントリー校だ。選考基準におけるこれら両校の違いは次のとおり。
【小  田  原】内申4:入試6:特色検査1=計1100点満点
【平塚江南】内申3:入試7:特色検査1=計1100点満点

小田原よりも平塚江南の方が学力重視。これがどう合否に影響してくるのか?具体例を示してみたい。

たとえば、小田原高校を受験する内申108のAさん内申120のBさんがいたとする。学力検査前の両者の持ち点は以下のとおり(小数点以下切捨)。
A:108×100÷135×4=320
B:120×100÷135×4=355
次に、両者の学力検査の得点を、Aさん420点Bさん400点と仮定すると、学力検査における両者の持ち点は以下のとおり(小数点以下切捨)。
A:420×100÷500×6=504
B:400×100÷500×6=480
ここまでの両者の総得点がこちら。
A:320+504=824 / 1000点満点
B:355+480=835 / 1000点満点
この時点ではBさんが上位。Aさんが逆転するには特色検査でBさんより12点以上上回る必要がある。とはいえ12点であれば、2~3問正答数を上回れば逆転できてしまう。

一方、そのAさんとBさんが小田原高校ではなく平塚江南高校を受験したとすると、学力検査前の両者の持ち点は以下のとおり(小数点以下切捨)。
A:108×100÷135×3=240
B:120×100÷135×3=266
次に、両者の学力検査の得点を、Aさん420点Bさん400点と仮定すると、学力検査における両者の持ち点は以下のとおり(小数点以下切捨)。
A:420×100÷500×7=588
B:400×100÷500×7=560
ここまでの両者の総得点がこちら。
A:240+588=828 / 1000点満点
B:266+560=826 / 1000点満点
今度はこの時点ではAさんが上位。まさに逆転現象が起こったということ。あとは特色検査の出来次第。

ここまでで分かるとおり、内申10点程度の差(とはいえ内申10点の差って“成績”で追いつくにはかなり大変)は、学力重視の高校なら学力検査次第で十分に逆転可能。20点ほど上回ればいい(1問4点や5点がほとんどのため正答数なら5~6問)。特に特色検査のある高校ならさらに逆転は起こりやすいだろう。

参考までに、各比率における内申1点に相当する入試の点数はこんな感じ。
①内申3:入試7⇒約1.6点
②内申4:入試6⇒約2.5点
③内申5:入試5⇒約3.7点
④内申6:入試4⇒約5.6点
⑤内申7:入試3⇒約8.6点

結論
①のような内申3:入試7の比率であれば、内申点の差なんてないと思った方がいい。学力重視の高校を志望するのであれば、学校の成績はもちろんのこと、とにもかくにも実力錬成を。そのための第一歩は、早期に過去問に着手すること。特に国語と英語は、おそらく特色検査を攻略するためにも必要なため、夏休み中には一通り解ききっておいた方が良い。あとは、模試の経験を可能な限り多く積んでいくこと。実戦経験に勝るものはないからだ。

「内申はあるけど、実力が…」と不安を抱えているのなら、それを解消するには勉強するしかない。誰よりも努力するんだ。たった残り数ヶ月を頑張れないでどうする?

ガンバレ!中3受験生!!!