公立高校入試2024を振り返る

こんにちは、CLEARです…と今更ながら自己紹介してみる(笑)。

昨日はこのサイトへのアクセスがメチャクチャ多かった。入試情報を発信すると思ってらっしゃった方、スミマセン(汗)。全てが終わらない限り、アレコレといろいろなことを発信すると、特色検査を受ける受験生を動揺させると思っていたので、昨日は何も書きませんでした。

さてさて、今日でほぼほぼ入試も終わり。中3受験生の皆、お疲れ様でした。
それでは今年の入試について少し振り返ってみたいと思う。

英語
結論からいえばガチンコの難化。以前のブログ「国語と英語は難化?今年の公立高校入試の難易度を予想してみた」が的中した。英語が得意な子でもいつもような点数を取るのは難しく、それ以外の子は大きく点数を落としてしまったのではなかろうか。理由は、英単語のレベルと英文量にある。教科書改訂により小中学校で学ぶ英単語数が激増したことにより、今までなら注釈のあった英単語も注釈なしで読まなければならなくなったり、英文の量そのものが非常に多かったりで、制限時間内に読み解くのが極めて難しい。文科省は英語の学習において、「読む・書く・聴く・話す」と、4技能をバランス良くと謳っているけれど、高校入試や大学入試の現実は全く異なる。結局は「読む」スキルが求められている。平均点は昨年度比で-15~-10点ほどと見る。

国語
英語と同じく難化。これも以前のブログ「国語と英語は難化?今年の公立高校入試の難易度を予想してみた」で述べたとおり。特に複数の素材文の読解は、難易度としてはそれほど難しくないけれど、受験生は戸惑ったのではなかろうか。記述は“偶有性”という中学3年生には聞き慣れない言葉を使わなければならないため、苦戦した子も多いのでは?また、古文の読み取りが難しかった。昨年よりも文章が長かったし、注釈としての現代語訳も少なかったから、内容を掴むのはなかなかシンドイ。平均点は昨年度比で英語と同じく-15~-10ほどと見る。

数学
やや易化…?というのも、昨年よりも高難度、いわゆる“捨て問”が少なく、それ以外は比較的取り組みやすい問題であったため。難度の高い問題に見切りをつけることができれば上位校の受験者は70点以上は取り切りたい。平均点は昨年度並か+5点ほどか。

理科
やや難化?相変わらず難易度は高めで、とにかく問題文がまどろっこしく、“読めない”受験生は相当苦戦したのではないかとのこと。理科の知識云々が求められるのは当然のことながら、読解力が求められるような問題構成で、そういうタイプの子は、そもそも問題文が「何言ってるか分かんない」状態だったと思う。単純に問題のレベルとしては難化と言えそうだが、これまでのような複数できて正解というような完答式の問題がなかったため、部分部分の点数が加算されることで、結果として平均点は若干上がるのではなかろうか。平均点は昨年度比で+5点ほどか。

社会
やや難化であると思う。相変わらず複数の資料の読み取りに手間がかかるし、問1世界地理(イ)の<緯度+時差>の混合問題、問4近現代史(エ)の9択問題(汗)、問5経済(ウ)の為替問題などは、解答を絞り込むのに一手間も二手間もかかったのでは?他も基本的にはストレートに解答を絞り込める問題は極わずかであることから、昨年よりもやや難化といえそう。平均点は昨年度比で-10~-5点ほどか。

まとめ
5科計で昨年度比-30~-20点ほどになるのではなかろうか(270点前後)。おそらくここ数年のマークシート形式になってから最も低い平均点となりそうだ。
県教委としては、合格者平均点が250/500点前後になるよう作問されているそうだけれど、単純に問題の難易度で見れば、どれくらいの学力層をターゲットに作問しているのか分からないくらいの高難度だったように思う。下位層の受験生にとっては、この難度だと勉強していくためのモチベーションが下がってしまうのではなかろうか。受験生のガンバリがもう少し反映されるような問題か、難易度の異なる2種類の問題を作って高校によって選択可能とするか、あるいは、かつてのような独自問題を復活させるか。
独自問題というのは、2012年度入試まで行われていた制度で、いわゆるトップ校と呼ばれるような高校は英数または英数国を独自問題で実施していたのだ。もちろん共通問題よりも難しいのだが、受験生の学力に合った問題であったともいえる。ちなみに今の入試問題は、国語は別として英語や数学はそのときの独自問題よりも難しいと思う。この十数年の間に、神奈川県の公立高校入試の難易度は爆上がりしているのだ。
対策としては、やっぱり長い文章でも読み込んでいける耐性と読解力。そして、複数の情報を整理し考える分析力。これらが全ての教科の土台のような気がする。

最後に
このような難易度の入試である以上、学校の定期テストやそれに伴う評価基準も然るべきものになる必要があるように思う。易しい問題に慣れてしまうと今の入試では戦えないし、客観的な学力を考慮したうえで評定もつけなければ、学力に見合う高校選びや受験というものが難しくなってしまう。学校のテスト勉強を一生懸命ガンバリ、その結果として妥当な評価を受け、決して非現実的ではなく、真摯に努力を続ければ何とか手が届きそうな、そんな目標になりえる高校を目指せる、そういう当たり前の学習ができるように。そして、塾講師が言うのも変だが、今の入試は一定レベル以上の高校だと塾に通っていないとなかなか合格するのが難しいのが現実だ。そうではなく、塾に通わずとも、先ほど述べたように学校の勉強を一生懸命ガンバルことで、きちんと志望校を目指せるような、そんな健全な高校受験になることを切に願う。

とにもかくにも公立高校の入試も一段落。結果が気になるだろうけど、「人事を尽くして天命を待つ」だ。しばし羽を休めて2月28日㈬を待とう。

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