今年の特色検査は、共通問題+選択問題(各校)という形式になってから、過去最高難度と言っても良いのではなかろうか。受験者の全員が解く、共通問題の問1・問2についてのみ、簡単な所感を述べたいと思う。
<内容>
問1:英文による読解
形式は例年通り。テーマは「サグラダ・ファミリアと横浜駅」。いつまでも完成しないことから「日本のサグラダ・ファミリア」とも呼ばれる横浜駅の話題から始まり、本家スペインのサグラダ・ファミリアの建築構造や歴史、そして、3Dプリンタの技術による完成へと話題は展開していく。
読解の中に、直線の回転による曲面形成の理解、プラスチック素材の密度や硬度を用いた推論など、理数的要素を含む問題が散見。まさに教科横断的内容。

問2:日本文による読解
形式は例年通り。二つのリード文から構成され、文章Ⅰは「食品ロス」がテーマで、廃棄物処理の現状とそれにかかるコストついて論じられた。文章Ⅱは「資源の循環」がテーマで、飼料化の方法や食料自給率への影響について論じられた。
読解の中に、複数資料の読み取り、データの考察、乳酸発酵の化学反応式を用いた計算など、問2も the 特色検査的な教科横断的内容。

<所感>
これを60分で解ききるのはまずムリ。受験生のどんな力を測りたいのか皆目わからない。というのは、さらに大問が2題あるわけで、この共通問題2題だけで精一杯となる受験生が多かったと思う。これまでの特色検査では、この問1・2は比較的取り組みやすかった印象があるけれど(それでも難しいけどね)、今年は難易度が極めて高い。全問解き切るとなると、高度な読解力、迅速な情報処理力、そして、難しすぎて折れそうになる心にも負けないタフな精神力が求められる。今年の特色検査はとにかく異次元の難しさ。ぶっ飛んでる。某塾の自己採点結果を見てもそれは明らか。特色検査実施18校中13校が平均点30点台って異常だよ。
年々平均点が下降しているこの特色検査。そのあり方を検討するべき時期に来ているのではなかろうか。実際、既に4年前の時点で公立高校入学者選抜制度協議会なる場で以下のような話し合いがあったようだ。
2022年1月28日当時の協議会議事録の一部▼
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~中略~

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上記に書かれてあるとおり、塾講師の立場で言うのもおかしな話だけれど、塾に通わなければ対応が難しいというのであれば、それは改めるべき。塾に通わずとも、中学校での学びと自身の努力により、きちんと対応できるのが健全な入試(ただ、塾に通っていれば大丈夫、というレベルでもなく、それさえも超えているのではないかというのが今年の特色検査だったけど・・・)。個人的には、2019年度か2020年度の難易度ぐらいがちょうど良いように思う。ちなみに、県は特色検査(筆記型の自己表現検査)の概要を以下のように説明している。
提示された文章や資料を読み取り、中学校までに習得した知識・技能を教科横断的に活用して、問題を解決する思考力・判断力・表現力や創造力等を把握するための検査
率直な感想として現行の特色検査は、思考力・判断力・表現力や想像力等ではなく、「易しめの問題を手際よく解いて点数を稼ぐ力」を測るような検査になってしまっているような気がしてならない。きちんと思考力や表現力を把握するためならば、もっと制限時間を延ばすべきだ。
今回は言いたい放題で大変恐縮なのだが、全ては、「塾に通っていてもいなくても、受験生の努力がきちんと反映される検査であってほしい」と願うゆえ。小さな小さな個人塾のような塾が何を言ってもどうにもならないけれど、やはり目の前で頑張っている受験生の姿を毎年見ていると、「精一杯やり切った」と彼ら彼女らが胸を張って言い切れる高校受験にしてやりたい。このままじゃ15歳の受験生には酷だよ。
