公立高校の新制度入試について考えてみた

昨日、2024年度公立高校入試における選抜選考基準が県より発表された。程なく発表されるであろうと見越して、事前に入試制度のおさらいブログを一昨日に書いたのだが、その翌日にまさか発表されるとは…(汗)。

【CLEAR講師ブログ】
変わる神奈川県公立高校入試
【県教育委発表資料】
選考基準(全校一覧)

まず驚いたのは、面接を実施する高校が極めて少なかったこと。そして、内申2:入試8のような学力に振り切った比率にしてくる高校がなかったこと。

では、具体的に見ていこう。

弊塾の中3に関わると思われる高校をピックアップして説明していく。
例えば、小田原と平塚江南。いずれも、旧学区トップ校で進学重点校エントリー校だ。選考基準におけるこれら両校の違いは次のとおり。
【小  田  原】内申4:入試6:特色検査1=計1100点満点
【平塚江南】内申3:入試7:特色検査1=計1100点満点

小田原よりも平塚江南の方が学力重視。これがどう合否に影響してくるのか?具体例を示してみたい。

たとえば、小田原高校を受験する内申108のAさん内申120のBさんがいたとする。学力検査前の両者の持ち点は以下のとおり(小数点以下切捨)。
A:108×100÷135×4=320
B:120×100÷135×4=355
次に、両者の学力検査の得点を、Aさん420点Bさん400点と仮定すると、学力検査における両者の持ち点は以下のとおり(小数点以下切捨)。
A:420×100÷500×6=504
B:400×100÷500×6=480
ここまでの両者の総得点がこちら。
A:320+504=824 / 1000点満点
B:355+480=835 / 1000点満点
この時点ではBさんが上位。Aさんが逆転するには特色検査でBさんより12点以上上回る必要がある。とはいえ12点であれば、2~3問正答数を上回れば逆転できてしまう。

一方、そのAさんとBさんが小田原高校ではなく平塚江南高校を受験したとすると、学力検査前の両者の持ち点は以下のとおり(小数点以下切捨)。
A:108×100÷135×3=240
B:120×100÷135×3=266
次に、両者の学力検査の得点を、Aさん420点Bさん400点と仮定すると、学力検査における両者の持ち点は以下のとおり(小数点以下切捨)。
A:420×100÷500×7=588
B:400×100÷500×7=560
ここまでの両者の総得点がこちら。
A:240+588=828 / 1000点満点
B:266+560=826 / 1000点満点
今度はこの時点ではAさんが上位。まさに逆転現象が起こったということ。あとは特色検査の出来次第。

ここまでで分かるとおり、内申10点程度の差(とはいえ内申10点の差って“成績”で追いつくにはかなり大変)は、学力重視の高校なら学力検査次第で十分に逆転可能。20点ほど上回ればいい(1問4点や5点がほとんどのため正答数なら5~6問)。特に特色検査のある高校ならさらに逆転は起こりやすいだろう。

参考までに、各比率における内申1点に相当する入試の点数はこんな感じ。
①内申3:入試7⇒約1.6点
②内申4:入試6⇒約2.5点
③内申5:入試5⇒約3.7点
④内申6:入試4⇒約5.6点
⑤内申7:入試3⇒約8.6点

結論
①のような内申3:入試7の比率であれば、内申点の差なんてないと思った方がいい。学力重視の高校を志望するのであれば、学校の成績はもちろんのこと、とにもかくにも実力錬成を。そのための第一歩は、早期に過去問に着手すること。特に国語と英語は、おそらく特色検査を攻略するためにも必要なため、夏休み中には一通り解ききっておいた方が良い。あとは、模試の経験を可能な限り多く積んでいくこと。実戦経験に勝るものはないからだ。

「内申はあるけど、実力が…」と不安を抱えているのなら、それを解消するには勉強するしかない。誰よりも努力するんだ。たった残り数ヶ月を頑張れないでどうする?

ガンバレ!中3受験生!!!

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