小中学生英語の現実

小学英語の教科化、そして、中学英語の内容も改定され、近年は中学英語の習熟度において、その二極化が顕著になり始めたと感じてはいたものの、そう感じるのはやはり自分だけではなかったようだ。既に弊塾のFacebookでもシェアしている記事をご紹介。

英語嫌いが増えて成績が二極化 小中の英語教育の連携問題に具体的な解決策なし〈AERA〉

中学で既習として扱われる「小学校700語問題」、誰が教える? 会話や聞き取り特化の中で教師も困惑〈AERA

小学英語はとにかくコミュニケーション重視。確かにその方向性は間違ってはいないと思う。ただ、文法を軽視しすぎるのも良くない。中学で体系的に文法を学ぶことになるのだから、最低限の文法的知識は小学校のうちに身に付けておくべきだ。be動詞とか一般動詞とかいう言葉すら知らないまま中学に進学するのが実際のところだろう。そして、単語の書き取り力。発音ができて何となく意味が分かればOKなのが小学英語。でも、ある程度は書いて覚えるという経験も必要だ。指導要領も4技能をバランス良くと謳っているのだから、「聴く・話す」に偏りすぎてもいけないし、「読む・書く」に偏りすぎてもいけない。

“聞きまくる”、“話しまくる”、とにもかくにも英語に触れるという、いわゆる英語の“シャワー”を浴びるような学習は、それこそ英語圏で生活しているような、英語を使わざるを得ない人にとっては有効かもしれないけれど、日常生活で英語を基本的に必要としない環境にある人にとっては、やはり最低限の文法は大事であるように思う。

因みに以下の画像は、小田原市が採択している教科書、中1Unit1本文の一部。Unit1からこの内容なので、いかに小学英語の習得を前提として構成されているかが分かる。もう一度言う、これUnit1です。親御様世代にはにわかに信じがたいレベルかも。でも、これ基本的には全て小学校で学んでいる表現なのだ。

とは言え、何か新しいことを始めたり、変化を加えたりしたときには、また新しい課題も出てくるのが常。文句ばかり言っても何も解決しない。改めるべきは改め、教える側も教わる側もそれぞれが試行錯誤して然るべきだろう。

かつては中1最初の定期テストでは、満点がザラにいて、9割以上も多く、8割前後までで学年のほとんどを占めていた。でも、今は違う。満点近く取る子も多くいれば、5割前後という子も結構いて、完全なる二極化傾向にある。ただ、これは教える側だけではなく、教わる側にも問題はある。覚えるべきものを覚えようともせず、日頃の勉強を怠っているのなら、出来なくなって当然だ。何でもかんでも人のせいにしてはいけない。まずは自分自身を見つめ直さないと。

さてさて、うちの中1はどうだったろうか…。

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