英語を克服したある中3生の話

ある中3生の頑張りに敬意を表して書き留めておきたい。

ある中3生、ここではMとしておく。Mは中2の途中に入塾してくれた子だ。苦手教科は英語。入塾直前の定期テストの得点率は5割にも届かず……な感じだったが、入塾後初の定期テストでは何とか6割台へ到達。そして、学年末では…

9割台へ(47/50点)!!

本当によく頑張った。確かに全体の平均点も高かったけれど、苦手としていた英語をおよそ半年間でここまで伸ばしたのは見事としか言いようがない。

英語は数学と比べて克服するまでに時間がかかる教科だ。正負の計算と方程式ができれば何とかそれなりに積み重ねていける数学とは違い、英語は単語、文法、語法、読解、(リスニング)…と、あらゆる段階を踏んでいかないとテストの点数にはなかなか反映されない。

Mがどのようにしてここまで力をつけたのか?英語を苦手としている子、または伸び悩んでいる子にとって、少しでも参考にしてもらいたいので簡単に振り返ってみたい。

入塾当初のMは、be動詞と一般動詞との使い分けができていない状況で、まさに英語を苦手とする典型的な例だった。けれども、だ。前職時代からそうなのだけれど、どんなに勉強が苦手な子に対しても、”特別扱い”はしないというのが俺の流儀。「君にはデキナイと思うからこれはやらなくてもいいよ」とか「小テストやるけど合格点は他の子よりも低く設定するよ」とかは一切しない。それぞれの得手不得手に応じて…は必要だけれど、安易にそれをやってしまうとその子の可能性を摘んでしまいかねない。だから、Mにも他の子と同じ質量の課題、各種テストを課してきた。他の子より時間がかかってもいい、とにかく自力でやりぬいてほしいという想いゆえだ。きっと大変だったろう。でもそれはこちらも重々承知の上。まずはトコトン本気でやってみなければ、本当に出来るのか出来ないのかなんて分からないのだから。

そんなこんなで夏休み前には、be動詞と一般動詞との使い分けがどうにかこうにかできるようになった。そして迎えた夏休み。Mには特別課題を出した。

「夏休み中にこの文法問題集一冊、指定したページを終わらせること。」

全て中1の復習。夏休みという長期休暇を有効に使わない手はない。特別に塾用教材を一冊プレゼントし、夏休み中に終わらせるよう厳命。塾でも取り組む時間を設け、進捗状況を随時確認した。課題を通じて、英文の基本構造、疑問文や否定文の作り方、疑問詞の使い方等、基本中の基本を何度も反復できる教材を選んだため、夏休み明けには、それなりに出来るようになっていて、これまでのようなとんでもない間違いはしなくなった。

ある程度の文法力は身についたものの、課題はまだまだ山積。その一つが語彙力だった。基本単語を身につけていないため、英文の意味は分かっていても書けない。だから、学年末のテストを迎えるにあたり、教科書本文の重要単語・熟語のテストをした。もちろん合格するまで…を予定していたのだが、Mは一発合格。一生懸命覚えてきていた。前回のテストでは単語が書けなかったばかりに思うような結果を得られなかったのが悔しかったのかもしれない。そのときはキッチリと仕上げてきた。その結果としての9割突破だった。そうは言っても、まだあくまで定期テストレベルの克服。まだまだ入試で”勝てる”だけの力は足りないが、Mならきっとさらなる頑張りを見せてくれるだろう。

ザックリとではあるけれど、このような経緯で英語を見事に克服したM。まとめると、まずは、be動詞と一般動詞との使い分けを理解し、その後は、単語力を強化、という感じ。文章にすると、別に特別なことをやったわけでもなんでもなく、ただ、基本中の基本を徹底したにすぎない。でも、これが大事。苦手教科を克服するには、まずは出来ることからやってみることだ。ナンダカンダと理由をつけて逃げるのではなく、「エイヤ!」と気合い一発やってみる。そして、少々面倒でも続けること。

こういうことって勉強に限ったことじゃない。
社会に出てからも大事なこと。

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