ある教え子のこと①~その1~

前職時代を含めれば、この仕事も気づけば14~15年続けている。アルバイトも含めれば20年…(汗)。まさに、光陰矢の如し。その中で多くの子どもたちと喜怒哀楽を共にすることができた。たくさん叱ったし、たくさん褒めた。また、たくさん笑い、たくさん泣いた。1人ひとりにドラマがあり、どの教え子も俺にとっては宝。その中で特に印象深かった教え子について、徒然なるままに綴っていこうと思う。

1人目は今から約10年前、前職時代のこと。逆転合格を果たした、ある受験生について。ただし、もう10年前のことだけに、俺の記憶が曖昧になってしまっていることを前提のうえ、読んでもらえたらと思います。それでは、ハジマリハジマリ…。

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Nが塾の門を叩いたのは、秋も深まりそろそろ冬の足音が聞こえてきそうな中2の2学期、少し遅めの入塾だった。中3二学期の成績はさることながら、中2学年末の成績も極めて大事だということは、神奈川県の中学生ならきっと誰もが知っていることだろう。これから受験に向けてかなりの努力が必要と思われるのは誰の目から見ても明らか、そんなNの成績だった。成績はオール3未満。しかし、受験と言ってもまるで他人事のよう、当のN本人には全く危機感がなかった、というよりも目標がなかった。何のために勉強しているのか、なぜ勉強する必要があるのか…。「とりあえず周りもみんな塾へ通ってるし、俺もいちおう行っておこうかな…。」きっとそんな軽い動機だったろう。

しかし、そんなNが、地区のトップ高・HKを目指すことになろうとは、このとき誰が予想しただろうか・・・。

(つづく)

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