メモをとる力

本日…いや日付が変わったからもう昨日か(^^ゞ
冬期講習2024が開幕。
子どもたちの今冬のガンバリを少しでも多く発信していきたいのだが…
その前に…。
2024年が程なく終わろうとしている今、この1年間、子どもたちを見てきた中で成長したなぁと思うことを少しばかり。

それは「メモをとる力」。
中3受験生には耳タコ並に話してきていて、中1や中2にも折を見てはメモをとることの重要性を伝えてきた。

これは中3授業用のプリントなのだが、ビッシリとメモ書きされているのが分かると思う。この子以外も、中3受験生はほぼ全員、板書以外のことも必要なことはメモをとる習慣がついてきている。また、それは中1や中2、さらには小6の中にもチラホラと垣間見えたり…。そういう姿を見ると、「おっ、少し意識が変わってきたかな」と口には出さないけれど心の中でニンマリする(笑)。
一人ひとりを注視しているからよく分かる。ただホワイトボードに書かれていることを写すだけの子と、自分にとって必要なことをササーッとメモをとりながら授業を聞いている子と。

学校の授業も、塾の授業も、板書をきれいにノートに写すだけで勉強した気になってしまう子がいる。でも、写したノートを後で見返してみてもナニガナンダカワカラナイになりがち。そりゃそうだ。事柄と事柄との間、いわゆる行間の説明がないのだから。板書にはいわゆるポイントが書かれているが、そのポイントとポイントとをつなぐことができなければ後で見返してもワケが分からないのは当然のこと。そのつなぎの役目を果たすのがメモだ。

メモをとるというのは他にも重要なことがある。
それは、集中力。板書内容を写すだけの学習は受け身になりがち、というか完全に受け身で、ほとんど集中していない。でも、大事なことを聞き逃すまいとメモをとりながら授業を聞いていれば、集中力は自然と高まる。集中力が高まるから理解も深まる。だからメモって大事。

勉強だけじゃない。大人でも同じことが言える。例えば会議でも商談でも、それっぽく頷いてはいるもののメモをとらない人というのは、実は話しを聞いているようで聞いておらず、概ね内容も理解していない。
こういう大人にはなってほしくない。科目の勉強云々のためだけではなく、目の前の子どもたちがやがて大人になり社会に出たとき…についつい想いを巡らせてしまうがゆえに、アレコレ耳の痛いことを言ってしまう(^^ゞ。
人の話を真摯に聞き、理解に努めることで、相手も自分の話に耳を傾け、理解に努めてくれるものだ。そんな良い人間関係を築いていける。そういう大人になってほしい。

子どもも大人も、いわゆるデキる人というのは、このメモをとる力に秀でていることが多い。

教材選定

冬期講中3&高3の受験、それぞれに向けてあれこれ準備をしている中、新年度に向けての準備も同時並行で進めている。慌ただしい日々だ。まさに、師走…(^^ゞ

新年度の準備で頭を悩ます一つが教材の選定。
これまでの取り組みや成果を見直し、2025年度以降は一部の学年や教科において教材を刷新しようと思っている。

まずは小学生。eトレを廃止し、一般教養&読解力を身につける講座を新設することにしたため(「読みトレ教養(仮)」)、それに見合う教材だ。今のところは、理科や社会などを題材とした文章読解トレーニングができる教材にする予定。また、通常の国語や算数も、より中学進学を見据えたものに。
次は中3。近年の公立高校入試を見る限り、教科書準拠版では定期テストではそれなりに威力を発揮しても、入試に向けての実力養成に向けては物足りなさを感じる。もちろん後期では入試に向けて専用の教材を使用しているのだが、近年の入試はそれだけでは足りないと感じることも多々。ゆえに通年で実力養成ができる教材へのシフトを検討中…。

例えば、こちらは2024年度入試・数学の問3(ウ)。正答率は3%台の難問。近年の数学は学校の定期テストレベルを遙かに凌駕しているこのような難問が散見する。

そしてこちらも同じく2024年度の英語・問4の語順整序問題。全問の中で最も正答率が低く難易度はかなり高い。これも教科書準拠指導だけでは到底解けないレベル。

もちろん、このような問題が解けなければ合格できない、ということはないのだけれど、解ければもちろん大きなアドバンテージとなるわけで。そのためには、やはり実力を強化するための学習機会をもっと増やさなければならないと切実に思う。

各教科50点満点だった頃の…そう、今の保護者様が受験生だった頃の神奈川県公立高校入試の面影は皆無と言っていいほど、難度が著しく上昇したのが今の入試。その頃のレベルであれば、教科書準拠指導だけでも十分に対応できたのだけれど、今はそれでは“勝てない”。

まだしばらくは答えが出そうにない。
最適解=bestなどないのだが、betterを突き詰めて選定していきたい。

中3受験生必読!定期テストレベルの勉強ではなく、入試に向けて必要な勉強とは?

中3受験生は内申点が確定し、これから先は、入試に向けてどれだけ得点力を強化できるかで合否が左右される。
ここでは改めて、秋に投稿した以下の記事を再UPするので、今後の受験勉強に少しでも役立てて欲しい。

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入試に向けてやるべき勉強はズバリ以下の2点。

① 範囲の広いテスト形式の総合問題を解く(入試過去問・模試など)
② ①で抽出した弱点の補強に努める

では詳しく述べていこう。

① 範囲の広いテスト形式の「総合問題」を解く(入試過去問・模試など)

狙いは、
広い範囲の記憶を刺激するため
「『テスト=点数が出る』ため緊張感をもって取り組める」

これを第一に考えよう。過去問や模試は、広い範囲を基礎から応用まで、バランスよく取り組めるように構成されている。丸付けをし、解説を読んで理解するところまできっちりやる。そうすると当然、できなかったところや理解が難しいところが出てくる。でもそれでOK。むしろ、弱点を抽出することもこの勉強の狙いの一つ。とにかくよほどスッカラカンになっていない限り、総合問題を解く機会を増やすことが大事だ。過去に受けた模試や学力テスト、入試過去問を最大限に活用してほしい。一方、英語の「不定詞」とか「関係代名詞」とか、単元ごとの勉強ももちろん必要なのだが、それに終始してしまうのは範囲の狭い定期テストレベルの勉強
また、テストと名の付く以上、点数が出る構成になっている。点数が出るとやはり緊張感も増すものだ。集中力も違ってくるだろう。

【NGな勉強】
「単元ごとに学習していく“だけ”の勉強」
理由は…
●パターン化された問題にしか対応できなくなる
答えは同じなのに少し問われ方が変わるだけで途端に解けなくなってしまうということ。初見の問題にめっぽう弱く、似たような形式、同じような問題でないと対応できないというのは、学校の成績は良いけれど入試の点数が伸びない受験生の典型的な例。
●学習を進めていくうちに過去の内容から順に忘れていきやすい
例えば歴史。古墳時代、飛鳥時代…江戸時代、と順に学習を進めていくと、入試前には古墳時代など記憶の彼方になってしまっていることも…。
ゆえに…
単元ごとの学習は範囲の広いテスト形式の学習と並行して行うのが望ましい

② テストで抽出した弱点の補強に努める

これが秋からの勉強法の2つ目。1から10まで全部やろうとするのではなく、まずは弱点の補強に努めたほうがいい。具体的には、総合問題のテストで間違いの多かった単元を、学校のワークや教科書準拠の問題集などで復習する。ちなみに模試の個人成績票には単元ごとの到達度が載っているのだから有効活用すべき。▼

難しすぎる場合は、まず解答・解説をしっかりと読み込んでから実際に解いてみよう。そして数日置いて忘れた頃に(←これが大事)、今度は何も見ないで解いてみる。これらを繰り返して弱点の補強に努めよう。「思い出す⇒忘れる⇒思い出す⇒また忘れる…」の繰り返しで記憶は定着していくものだ。矛盾しているかもしれないけど、“覚えるために一度忘れる”のだ。いいかい?記憶として定着させるためには、思い出そうとする回数を増やすことが大事だ。

【NGな勉強】
「アレもコレもと多くの問題集に手を出す」
理由は…
●いろいろとやりすぎてもどれも中途半端になるだけ
勉強の基本は、「これ!」と決めた1冊を徹底的に繰り返すことにある。目安としては最低でも3回は繰り返したほうがいい。1教科1冊あれば十分。真面目な子ほど、「あれもやらなきゃこれもやらなきゃ…」と陥りやすいので気をつけよう。

弱点を発見したら、それはむしろチャンスだと思うべき。伸びしろがあるのだから。例えば得意な数学を80点から90点にするよりも、苦手な国語を40点から70点にする方が総合点は上がる。

上記はあくまで一般例に過ぎないけれど、最低限守ってほしい勉強の仕方。参考にしてみてほしい。

ガンバロウ!中3受験生!

最終決戦まで、あと…
78日!!

「教えすぎ」の弊害

「分からないことは何でも先生に質問しなさい」
実はこのような考えには少し否定的だ。

前職時代のこと…。
勉強が苦手な子につきっきりで教えていたことがある。叱咤激励しつつ、質問には何でも答え、分からないことは全て教え、躓かないように躓かないように…。するとどうだろう。目の前の定期テストや学校の成績ではそれなりの成果が上がるものの、受験では全く歯が立たない、自分で進路を決められない…というような状況になってしまった。
塾講師として駆け出しだった頃、とにかく手取り足取り対応することがその子のためになると信じて疑わなかった。でも、それは間違っていた。大人が先回りしてアレコレとお膳立てをしすぎると、子どもは自分で考えなくなる。少し想定外のこと、ちょっと困難なことに直面すると、途端に思考停止してしまい、前進できなくなってしまう。与えられなければ何もできないという状況。まさに、教えすぎの弊害を実感した。
とある親御様との面談の際に、
「テストの点数や成績も大事なんですけど、それよりも、私たち親がいつまでも子どもの側にいるわけではなく、いつかは自立していかなければならないので、自分で自分の道を決め、たくましく進んでいける子になってほしいです。」
そんなことを言われたことがある。そのときからだろうか、テストの点数や成績を追いかけるのは塾として当然の責務なのだが、それを成すためには、根っこが大事であると意識するようになったのは…。根っこ=人間力だ。

●自ら課題を見出し解決していく力

●逃げずにきっちりと完遂できる力
●計画・実行・改善を繰り返せる力

こういう力を身につけることが、先の親御様の願いにもつながるのではないだろうかと思うようになった。点数や成績、偏差値を追いかけ、数字さえ良ければいいという考えから、そのような取り組みを通じて、人間力を向上させていきたいと…。

だから、「分からないことは何でも先生に質問しなさい」には少し否定的。まずは自分でとことん考え、調べさせることを優先する。自分の意思を持つ、自分で試行錯誤する、自分で決める…、たとえ望む結果にならずとも、全てが生きる力に繋がる、そう信じながら。

もちろん様々な考え方・塾があるわけで、これが正しい・最も良いなどとは決して思わない。ただ、子どもたちを導くうえで、CLEARはこういうことを大事にしている塾であるということ。そんな塾に大切な我が子を託してみたいと思ってくださる親御様にとっては、最強の塾でありたいと思う。

いざ、最終決戦に向けて…!!!

中3受験生の事実上最後の定期テストが終わった…と同時に最終決戦(=入試)に向けてシフトチェンジ。一息などついていられない。むしろここからが本当の戦いだ。そんな中3受験生へ…

まずは定期テスト、お疲れ様。
あとは内申点の確定を待つばかりだ。
さて、
入試まで残りおよそ3ヶ月。
当然ながら全力でやり切ろう。
高校受験は終着点ではなく、
あくまで通過点にすぎない。
けれども、
今ある自分の力を最大限に。
「どこに」受かるかよりも、
「どのように」受かるか。
偏差値の高い低いなど関係ない。
受験を終えたとき、
過去の自分を越えた自分でいられるように。
小学生のときより中1、
中1のときよりより中2、
中2のときより中3受験生としての今、
そんな今よりも高校生のとき…
やがて大人になったとき、
「高校受験のときがいちばん頑張ったなぁ」、
よりも、
「今がいちばん頑張れている」と、
胸を張って言い切れる、
そんな生き方ってカッコイイ。
「生きる力」を磨くとはそういうものだろう。
だから、
直向きに、
真っ直ぐ、
力の限り、
共に進もう。

最終決戦まで、あと…
89日!

…と同時に、今度は中1&中2の定期テスト。

11月は怒濤だ。

気合い×2…(^^ゞ

★冬期講習2024についてはこちら

怒濤の2ヶ月…!

11月・12月は怒濤の2ヶ月だ(^^ゞ。

11月上旬
■中3定期テスト
11月下旬
■中1・2定期テスト
■高校生定期テスト(後期中間)
■中3内申点確定⇒保護者面談
12月上旬
■高校生定期テスト(2学期期末)
12月下旬
■冬期講習開幕

息つく暇がないほど、テスト、テスト…と追われるうちに、気づけば冬期講習=受験生にとっての最終試練がやって来る。
と同時に、この怒濤の2ヶ月から冬期講習を挟んだ年明けまでが、塾講師にとって1年の中で最も気合いが入る時期と言っても過言ではない(いつも入ってるけどね)。この時期だけは申し訳ないが、どうしても受験学年に最大限の力を注がねばならない。
とはいえ、中1・中2、そして高1・高2のケアも抜かりなくいきたい。
中1
英語は疑問詞の使い方、“難所”とも呼ばれる三単現、数学は方程式、比例・反比例、と理解が難しい単元が続々と登場。予想通り“壁”にぶつかる子が出てきたが、何とか乗り越えてほしいところだ。
中2
中1同様に英数の習熟度に顕著な差が出てきそうだ。予想されるテスト範囲として、英語は助動詞・不定詞・比較、数学は鬼門の一次関数がメイン、とかなりエグイ内容になりそうだ。十分に練習を積んでおかないと散々な目に遭いかねない。
高1
授業は“試運転”が終わり“通常運転”となっていく一方、高校生活にも慣れ、いわゆる「手の抜き方」を覚え始める時期。それに伴い成績も徐々に下降し始めやすい。締めるべきところは締めなければ、このままズルズルと行きかねない。
高2
気づけば高校生活も折り返し。自分の進路を真剣に考え始めるべき時期。とはいえ何をどうすればいいか分からないという子も。大学受験に向けて、“準受験生”としてより具体的な取り組みができるように精一杯のサポートをしていきたい。高2の残りの期間は“高3の0学期”という意識を持たせたい。

★冬期講習2024の新規申込受付は11/11㈪より開始致します。

保護者面談

先々週から先週にかけては、保護者様との面談期間だった。
お子様の塾でのご様子のご報告、学習面に関するお話し合い、そして、保護者様の想いをお聞きするための大切な時間。ご多忙の折、足をお運びいただきました保護者の皆様、貴重なお時間をありがとうございました。

さて、前職時代を含めると俺も武山も幾度となく行ってきた保護者面談。生徒を多く抱えていたときは、それこそ朝から晩まで一日に20件近く。話しが長引いて1時間や2時間になってしまうこともあったり…(^^ゞ厳しいお叱りをいただいたこともあるし、学習姿勢や素行面によりこちらから退塾処分をお伝えしたことも。無理難題なことを言ってこられる、いわゆるモンスターペアレント(?)的な方もいれば(^^ゞ、こちらが恐縮してしまうぐらい塾にご理解やご協力を示してくださる方も。ただ、いずれも共通して感じるのは、「我が子への想い」

曲がったことや筋の通らないようなことが大嫌いな性分ゆえに、保護者様と対立することもあったのだが、その中でも強烈に記憶に残っているのが今から15年ほど前のある出来事。
ある日、「塾で子どもがいじめられている」という相談を受けた。よくある相談の一つだ。いじめをしていると思われる名前が2名挙がった。事実をはっきりさせるため、いじめている[と思われる]側(A、Bとする)、いじめられている[と思われる]側(Cとする)、当事者双方の話しをじっくり聞いた。もちろんその経緯を双方の保護者様にも伝えながら。けれども、いじめの存在を決定づけるものがなかった。AやBがウソをついているのか、あるいはCの被害妄想なのか…。どうにも解決が難しかった。するとCの父親が業を煮やしたのか、A、Bと話しをさせるように言ってきた。俺は悩んだ。彼らは中学2年生、相手は面識のない大人、しかも我が子をいじめていると決め込んでやってくるのだ、相対してまともに話し合いなどできるわけがない。しかし、Cの父親を説得するのは難しく、意を決して話し合いの機会を作ると約束した。

話し合いの当日、Cのご両親が来られた。予想通り父親は、相手の子どもたちを詰めた。AもBも必死に否定するも詰問が続いた。それこそ裁判にでもかけられているようで、ついには彼らは泣き出してしまう始末。我慢ならなかった俺は、つい語気を強めて言ってしまった。
「こいつらはやってません!」
この期に及んで彼らがウソをついているようにはどうしても思えなかった。その後、さまざまな問答が続いたと思われるが、必死さのあまりどんなやりとりをしたか今となってはもう覚えていない…。
とても納得できるものじゃないという様子でご両親は帰られ、程なくCは塾を辞めてしまった…。

今でも真相は分からない。そして、自分の判断が正しかったのか間違っていたのかも分からない。ただCの父親の気持ちも理解できる。何を置いても大切な我が子を守ろうとする親の想いとはそういうものだろう。でも当時は、教え子のAやBを守るのにただただ必死だったことは覚えている。もちろんCも大切な教え子なのだが、詰め寄られ涙する彼らをそのときは放っておけなかった。

そんなAやBだが、先月だったか先々月だったか、偶然ばったりコンビニで再会。「長谷川先生!」と突然声をかけてきたのはAだった。あの頃と全然変わっていない^_^。しばし立ち話をしてお互い帰路についたのだが、元気そうで何よりだ。

Bは何してるかな、
もちろん、Cも…。
元気でやってくれているといいな。

 

画像はCLEAR卒塾生(第7期生)Mによる似顔絵(^_^)

学年順位や平均点の公開、その是非について

「テスト結果を見ても、果たしてこれが良いのか悪いのか分からない。」

というのが、親御様の感じられるところではなかろうか。相対評価だったかつての中学校では、テストの平均点や学年順位、得点分布を公開することが一般的だったが、絶対評価となった近年ではそのようなことがほとんどなされなくなった(高校では今も順位や偏差値が露骨に出る)。今の子どもたちにとってはにわかに信じがたいかもしれないけれど、かつては実名入りで順位が教室や廊下に張り出されたりもした(^^ゞ。
ここまでやれとは決して言わないけれど、適度な競争は子どもたちのやる気を刺激することができる。上位にいれば、もっと頑張ろうと思い、下位にいれば、それに甘んじることなく何とかそこから這い上がろうと努力する。そういう経験をすることも大事だろう。

外部の模試や学力テストでしか自分の客観的な学力を把握できないのが現状だが、最も身近な定期テストこそ、現在の自分の位置を知り、学力を見つめ直す機会でなければならないような気がする。もちろん過度な競争は避けるべきだが、ある程度の競争があった方が子どもたちは伸びるものだ。また、このようなことは、決して他者との競争や比較だけではなく、自分自身の成長の確認にもなる。前回の自分と比べてどうだったかというのは、問題の難易度も異なるため素点だけでは測りにくい。しかし、平均点や順位等が明らかであれば、その比較もできる。そう、自分自身との競争でもある。
学校の部活動というのはあくまで教育の一環として行われているわけで、スポーツの世界も同じことだろう。レギュラーの子、補欠の子、スタメンの子、ベンチ入りできた子、ベンチ入りできなかった子…さまざまいるのが現実で、その競争が是とされ、学業が非とされる論理は果たしてどうなのだろうか。

一部のメディアによって、「競争=悪」のように喧伝されてしまい、それに敏感になってしまっている子どもや親御様の声が学校現場に反映されてしまっているのかもしれないけれど、

「悔しさをバネにして頑張る。」
「順位を励みに頑張る。」

そういう経験も子どもたちには必要ではなかろうか。

てなわけで、近々に中学生第2回定期テスト結果を公開予定。
努力を重ね、頑張った子はきちんと評価したいもの。

ガンバル子になってほしい~向上心の乏しい我が子を想う親御様へ~

「向上心のない我が子に不安がある。」
「やればできるはずだからもっと頑張ってほしい。」
「現状に満足せずにもっと上を目指してほしい。」

このような悩みを抱えている親御様は多いのでは?
今回は、ガンバル子になるために、「向上心が乏しい子にありがちなこと」と「向上心を育てるには」について塾講師の視点から述べてみたい。

「行きたい学校があるのに勉強しようとしない」
「今の成績で満足してしまっている」

当てはまるお子様も多いのでは?でも実はこのようなことで悩みを抱えている親御様は案外多い。

向上心が乏しい子は⑴
自分で自分の可能性に線を引いてしまう

中学生でいえば、誰もが『オール5を目指して勉強をバリバリ勉強している』わけではない。けれども、向上心のある子は「もっと点数を上げたい」「もっと成績を伸ばしたい」「より高いレベルの高校へ行きたい」と目標を持って前へ進もうとしている。一方、向上心のない子というのは、前に進もうとせず現状維持で良しとしている状態といえる。そう、

「まぁこれでいっか」

という状態。
「自分はここまででOK」と線を引いてしまう。これでは成長は期待できない。

例えば、サッカーの試合で「試合に出られればそれでいい」というAくんと、「試合に出てゴールを決めたい」というBくんとでは、明らかに差が出てくる。どちらが成長できるかと問われれば、言うまでもないこと。

向上心が乏しい子は⑵
いざというとき頑張れない人になってしまう

向上心のない我が子見ていると「やればできるのに…」「ここぞという時に踏ん張ることができない」と焦れったくなることも。とは言え…

「高得点をとってほしいわけではない」
「レベルの高い学校へ行ってほしいわけでもない」

というのも本音では?
親御様というのは、“結果”を求めているのではなく“努力する過程”を大事にしてほしいと思っているのが大半ではなかろうか。

もし、努力ができない子になると社会人になった時に

「会社で怒られた…仕事を辞めたい」
「上手くいかないことばかり…もうどうでもいい」

と、嫌なことから逃げてばかりの人生を送ってしまいかねない。そんな人にはなってほしくないはず。

向上心を育てるには⑴
目標を持つこと

これこそまさに“言うは易く行うは難し”。誰かから「目標を持ちなさい」と言われて、あるいは、自分で「よし目標を持とう」と意気込んで目標が持てれば苦労はないわけで。かといって何もしなければそう簡単に目標が芽生えることもない。ではどうしたらいいか。

それにはまず、どんな些細なことでもいいから成功体験を積み上げていくこと。例えば定期テスト。1教科でも構わない、前回の点数を上回ること。そして、親御様はそれをきちんと認めてあげること。過去の自分を越える経験を積み上げていく中で、いつしか追いかけているもの、それが目標。シンプルにいえば、

「成功体験」と「承認」

これらをが大事。

向上心を育てるには⑵
環境を変えること

「朱に交われば赤くなる」とはよく言ったもので、人間はどうしても環境に左右されやすい。ハード面ソフト面いずれにおいても。
学校は変えることはできないので、例えば塾や習い事。勉強をサボりがちだったり真面目に取り組まなかったりの子たちばかりの中に身を置いているとすれば、よほど自分を持っていなければ、やはりどうしても影響は受けやすくなってしまう。我が子がその影響を受けているようなところが散見されれば、その塾や習い事は変えてみたほうがいい。

また、家庭内でできることとすれば、「自分の部屋で勉強」から「リビングで勉強」に変えてみる、またはその逆も然りで、子どもが勉強に集中しやすい場所を模索してみること。
集中しやすい場所というのは人によってかなり異なる。図書館やカフェなどを上手く利用してみるのも一つの手だ。それにより一定の成果=“成功体験”に繋がる。

最後に

ここまでアレコレと述べてはきたものの、価値観が多様化する現代は、「向上心がなくてはだめだ」とは言い難く(言いにくく?)、「自分らしさ」や「オンリーワン」が受け入れられやすい世の中。ただ、「自分らしさ」も「オンリーワン」も、“自分磨き”をして初めて得られるものではなかろうか。もちろん努力しても実らないことはあるだろう。でも努力をしなければ実ることもまたないのだ。やってみてダメだったことと、やる前からダメだと決めつけてやらないこととは全く違う。塾講師としてはやはり、子どもたちには確かな向上心をもって、より高みを目指す人になってほしいというのが本音だ。

“考えながら”勉強していますか?

ただいま中学生の定期テスト期間の真っ最中。
テスト直前期や期間中は、通常の授業を行わず、テスト勉強をしやすい環境を整えることに注力する。中1から中3まで、各々の勉強をしつつ我々講師陣はサポートに徹するのみ。

以前にも似たような記事を書いたけれど、この期間は子どもたちそれぞれの地力というか本質的な部分が垣間見える。少人数制とはいえ授業というのはどうしても受動的な学習になりがちだが、この期間は子どもたちが能動的に学習するため、いろいろと“見えてくるもの”がある。

最低限の計画性をもって取り組めているか。
テスト当日までを逆算してしっかりと勉強を進められている子がいる一方、「それ今やるべき勉強?」ってツッコみたくなるような、行き当たりばったりの勉強をしてしまっている子がいたり。
勉強=作業になってしまっていないか。
学校のワークや塾のテキストをきちんと活用できている子がいる一方、漢字や英単語をただひたすら書いてるだけのいわゆる作業に終始してしまっている子がいたり。
そもそも面倒くさがってやるべきことをやらなかったり…。
もちろん、「これはいかん」と思うような勉強をしてしまっている子には注意や助言をする。

ちゃんと“考えながら”勉強しているかどうか。教科書を漠然と読んで、漢字や単語を何となく書いて、ノートをただまとめて…ではなく、その勉強の目的が何であるかをきちんと考えなければだめだ。
特に初めて9科3日間のテストを経験する中1には、「考えながら勉強する」、その意味や重要性を耳にタコができるくらい言い続けてきた。第1回と第2回のテストレベルは全く違うため、前回と同じ質や量の勉強では到底太刀打ちできなくなるからだ。

もちろん高得点=“成功”が理想だろう。けれども、一生懸命頑張ったのなら、たとえそれが数字という目に見える結果=“成功”ではなくとも、成長はできる。

計画性、思考力、耐性。
勉強を通じて様々なことが身に付けられる。
だから、勉強って大事。
ガンバレ、中学生。