オール3は真ん中ではありません~初めて5段階評価を受ける中学1年生とその親御様へ~

過去に何回かアップしているこの記事。定期的に読んでくださっている方がいるようで、ありがとうございます。前期の成績が明らかにある頃なので、改めて再アップすることにしました。中学生、特に始めて5段階評価を受ける中1と、その親御様は参考にしていただけますと幸いです。

5段階評価。中学生になって初めて経験する第三者からの数値による評価。◎○△と違って、数値というのは思いの外シビアに感じられるものだ。
ここで、そんな中1やその親御様に、今の中学校の成績の在り方について分かっておいてほしいことを述べていきたい。それは、

“評定3”は決して真ん中ではない、

ということ。「まぁ5段階の3だから、そんなに心配する必要はないか」というのは、もはや過去の話で今は全く違うということを認識するべき。相対評価を経験してきた親御様の世代にとっては、評定3というのはいわゆる真ん中という認識だったと思う。確かに当時はそれは間違ってはいない。でも絶対評価にある今は違う。親御様自身が中学生だった頃の感覚で我が子の成績を捉えると、学力の認識にかなりズレが生じてくる。

◆相対評価と絶対評価、何が違うの?

相対評価
評定5は7%、評定4は24%、評定3は38%、評定2は24%、評定1は7%、と、全体の中でどの位置にいるかによって評定が決まるというのがこの相対評価。簡単に言うと、上から順番に並べてここまでが5、ここからここまでが4で…といった成績の付け方。集団の中で他者と比較されて付けられる評価ということ。
絶対評価
今の成績の付け方。教育目標に対する到達度に基づいてなされる評価だ。簡単に言うと、テストの点数、提出物や授業態度という学習への主体性などを総合的に評価するというもの。また、評定5の人数は○○%などという基準はないため、評価する先生によってかなりばらつきがある。また、それぞれの評定の人数も定まっていない。だから、“理屈の上では”全員3や全員4もあり得る。

◆評定3は“普通”?

相対評価では評定3は全体の真ん中の成績だった。真ん中を平均あるいは普通とみなすのであれば評定3は“普通”の成績だったといえる。それでは絶対評価での3はどうだろうか。
評定がオール3だと9教科で合計27になる。この成績で神奈川県の公立高校を受験するとなると、近隣校では足柄高校や高浜高校を受験する子が多い。これらは弊塾が採用している神奈川全県模試で偏差値40ぐらいの学校だ。例えば100人中80番目ぐらいの順位の子が進学する学校。言わずもがな偏差値の中心は50。故にオール3というのは平均よりかなり下ということになる。
一方、オール4だと9教科で合計36。この成績だと偏差値50ぐらいの高校が目安になってくる。だから、成績のオール4というのが、ちょうど全体の真ん中ぐらいという認識を持つべき。つまり、絶対評価のオール4は相対評価だったころのオール3とほぼ同じといえる。だから、親御様世代が受験生だった頃のイメージで神奈川県の公立高校の内申点や偏差値を捉えるとズレが生じてくるという理由はここにある。

なぜこんなことが起こるのか。それは絶対評価だと、学校の先生は「評定4」や「評定5」をたくさんつけられる(つけたがる?)からだ。一方、厳しい先生もいて、評定5はほとんどつけないという場合もある。相対評価のように、全体の中で評定1~5それぞれの比率が定められていないためこういうことが起こりえる。

◆評定4でも楽観できない

成績はオール4で全体の真ん中ぐらい。ただし、テスト結果があまり振るわずとも提出物や授業態度等で稼いだ「評定4」の場合、その教科の学力は厳しい状況にあるかもしれないと言っていい。そして、「評定3」の成績がついた教科については、かなり真剣に取り組まないと大変なことになってしまうぐらいの危機感を持つべき。

◆でも入試は相対評価

入学定員が定められている入試はいわゆる相対評価といえる。神奈川県の公立高校入試は、内申点+入試点(+特色検査)の合計点で上から順に合格が決まる。例えば地元の人気校、西湘高校を目指すなら最低でも成績は36(オール4)程度を、小田原高校を目指すなら最低でも成績は42(5が6つの4が3つ)程度を。

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ある教え子のこと②~その9~

※今からおよそ15年前の話です。朧気な記憶を辿りながら綴っています。なお、公立高校の入試制度は現行のものとは異なり、前期選抜/後期選抜という2段階の選抜がありました。

<前回(その8)の話はこちら>

受験生にとっての真の天王山、冬期講習が始まろうとしていた。当時は、本講習が始まる前に、全教室の中3受験生を一堂に会して1日1000問の入試最重要問題を解くというイベントがあった。基礎知識の確認・習得と、入試本番に向けての士気を高めるのが目的だ。下の写真はその一部。

そして本講習は、期間中に10回ほどの塾内模試+復習指導を通じて、入試に向けての得点力強化を図った。もちろん、合格可能性の判断材料とするためでもある。ここでKは大きな壁にぶつかる。そう、

結果が出ない。

目標とする点数に全く届かない。定期テストでは範囲が限定的であったため、猛烈な努力によって何とかなってきたが、いわゆる実力が試されるような入試では歯が立たないことを痛感する。理由は単純で、1・2年の内容が全くと言って良いほどできていないからだ。ただ、それも決して不思議なことではなかった。もともと評定1が成績の半分ほどを占めていたKだ。入塾前は学校の授業も真面目に受けず、提出物も出さず、テストも散々…。中3の1学期内容はおろか、中1・2の内容など頭に入っているわけがなかった。ここにきてKは、後悔と自責の念に駆られるようになる。

「なんでちゃんとやらなかったんだろう…。」

とは言え、今それを悔いてもどうにもならない。とにかく入試本番までに出来る限り1・2年内容の復習に努める必要があった。これまで同様、塾にカンヅメになって勉強する日々が続いた。1から10まで、全てきっちりと復習する時間は残されていないため、塾内模試の復習や過去問の取り組みを徹底した。模試や過去問というのは、3年間の学習内容がバランス良く出題されているため、入試で問われやすい重要箇所をピンポイントで効率的に復習しやすい。だから、復習に復習を重ねた。入試に向けての小テストや課題なども、勉強が苦手だからと言って“特別扱い”などしなかった。どれだけ不合格になろうとも、どれだけ時間がかかろうとも、自分の力でやり切らせた。なお、この考えは今でも変わらない。安易にデキル・デキナイの線引きはしないようにしている。正しいかどうか分からないけど、「キミにはムリだろうからこの課題はやらなくていい」とか、「たぶん合格できないだろうから小テストはしない」とか・・・よほどのことがない限りはしない。そうしてしまうことで、その子の可能性を否定してしまっているような気がしてならないからだ。

話を戻そう。そんな、Kにとっては相当ハードとも言える冬期講習だったが、※120点程度(?)がやっとだった点数も150点に届くか届かないかぐらいにまでは伸びてきた(スミマセン、ここの点数は記憶がかなり曖昧です)。しかし、それでもまだまだ足りない。
※当時の学力検査は50点満点×5科の計250点満点

合格ラインの到達が見込めぬまま、
Kは冬期講習を終えた。
いよいよ受験に向けてのラストスパート。
舞台は直前講習へ。

<続く>

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勉強は苦手でも

英語や数学など、定期テストに向けて本人なりに頑張ってはいるものの、主要5科ではなかなか思うように結果に結びつかない…が、副教科の4科はなかなか順調。きっと美術やら技家やらの方が好きなんだろう。そんな、基本的に勉強が苦手な子もCLEARにはもちろんいる。でも、欠席(と言ってもほとんどしないけど)したときも友達からその日の授業内容を確認し、当日に出された宿題もきちんとやってくるし、小テストの勉強もしっかりとやってくる。漢字テストなんか不合格になったことなどほとんどない。

「休んだからできなくても当たり前」とか、
「欠席したから宿題は別にやらなくてもいい」とか、

そういう言い訳をしない子だ。休んだらその日の授業内容を友達に聞き、できるかぎり自分で何とかしようとする。こういうガンバリができる子だから、部活でも責任ある立場になるのだろうと思う。上手いだけ、じゃ務まらない。自分に厳しく、自分を律することができるような、そんな人間力が必要だ。

当たり前と言えば当たり前かもしれないけど、その当たり前ができない子(・・・に限らず大人もだけど)が多いのも事実。ゆえに、立派だなと思う。こういう姿勢があるがゆえに、主要5科でも望む成果を得てほしいし、何とかしてやりたいと思う。

CLEARはデキル子だけが集っている塾でもなければ、デキル子だけを対象とする塾でもない。たとえ勉強が苦手でも、精一杯ガンバロウという意思のある子を応援する塾だ。

キレイゴトと言われてしまえばそれまでだが、結果だけに価値を認めるような指導はしたくない。

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ある教え子のこと②~その8~

※今からおよそ15年前の話です。朧気な記憶を辿りながら綴っています。なお、公立高校の入試制度は現行のものとは異なり、前期選抜/後期選抜という2段階の選抜がありました。

<前回(その7)の話はこちら>

1学期から2学期にかけて、10段階以上の成績アップを為し遂げたK。個人面談時にKが伝えてきた志望校は、茅ヶ崎高校。旧茅ヶ崎・寒川学区の3番手校で人気のある学校だ。当時の偏差値は50台前半。今の西湘と同じくらいの学力レベル。

『茅ヶ崎…そうか。成績はかなり上がったけど、それでもまだオール3には至らない状況だ。現時点では合格は厳しい。一層の努力が必要だぞ。』
「はい。」
『それでも頑張れるというなら、とことんやってみろ。俺も出来る限りのことはする。後期選抜の2次選考狙いだ。まずは160~170点を目指せ※。』
※当時の学力検査は5科計250点満点
「やります。」

夏休み前とは別人のKがそこにはいた。
過去は過去、大事なのは今、そして、これからだ。険しい道になろうと挑戦したいという強い想いが感じられた。

面談後、Kはこれまで以上に勉強に打ち込むようになった。学校から直塾し自習、コンビニで軽く夕飯を済ませ授業、また、授業のない日は自習の続き、という日々。
11月からか12月からか忘れたが、中3受験生のみ、親御様に了承を得ることを条件に自習を23時00(24時00分?)まで許可した。夜遅くになる、子どもだけで帰らせるわけにはいかず、親御様にはお迎えをお願いした。また、親御様がお迎えに来られない日は、自家用車で家まで送り届けたことも何度かあった。

Kはほぼ毎日残って自習。そんなKのガンバリがまたしても他の中3受験生に火を付けた。最初はごく少数だった居残り自習も、いつからか3分の1ぐらいが頻繁に残って自習するようになった。もちろんKも含め強制などしていない。

▼当時の居残り自習中の1枚(中央、右手に包帯を巻いているのがK)

そんな怒濤の日々が続き、あっという間に冬期講習。受験生にとっては試練の冬、真に受験の天王山ともいえる時期がやってきた。

しかし、Kはここで大きな壁にぶつかることとなる。

<続く>

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ある教え子のこと②~その7~

※今からおよそ15年前の話です。朧気な記憶を辿りながら綴っています。なお、公立高校の入試制度は現行のものとは異なり、前期選抜/後期選抜という2段階の選抜がありました。

<前回(その6)の話はこちら>

内申点が確定する、Kの中学3年2学期の成績は・・・

25(?)/45!
(記憶が曖昧のためスミマセン(^^ゞ。ただ、オール3に近い数字だったことは間違いありません。)
10段階以上のアップ!まず1がなくなり、3が多くなった。2つほど2があったような気がするけど、確か数学は4が付いていた記憶がある。改めて言う、入塾前の成績は・・・
13/45・・・半分近くが評定1(T_T)
(この数字は間違いありません。あまりにも衝撃的だったため強烈に記憶に残っています(^^ゞ)
長くこの業界にいるけど、短期間でここまで上がったのはKしか記憶にない。それこそ血の滲むような努力をしたにちがいない。もちろん、10段階以上のアップはこれまで何人かいたが、それは、中1から中2、中2から中3など、長い期間をかけての上昇だ。

3が多くなったのは、定期テストの結果もさることながら、提出物や授業態度が明らかに改善されたのが大きい。今までまともに出したことのなかった提出物、真面目に受けることのなかった授業・・・これらが劇的に変わった。

▼勉強の仕方が分からず同級生に教わるK(向かって左)。たぶん、これは・・・社会を教わっている様子かな。ちなみに教えている右側の子は平塚江南に進学した。

こういう子を指導してきた経験があるから、二言目には「分からない」「できない」と言っては努力を怠り、やるべきことをやろうとしない、謙虚に学ぼうとしない子にはどうしても厳しくなってしまう。今CLEARに通ってくれている子で、いくら成績が良くないと言っても、当時のKのそれよりは遙かに上だ。だから、ちょっとやそっとのことでムリだのデキナイだのと言うんじゃない!と。勉強が苦手?だから何だ。アアデモナイコウデモナイと理由をつけて逃げ回っているだけだ、と。

余談だが、このKに限らず、この学年は何かと手のかかる子が多かった印象がある。Kほどじゃなくても、超がつくほど勉強が苦手な子、学校の先生に目を付けられていそうなクセのある子、卒業後だが、警察のご厄介になってしまったようなヤンチャな子(^^ゞ・・・。そんな学年だっただけに、「ここは更生施設か?」と半分冗談ながらも思ったものだ(笑)。

▼そんな当時の中3の面々。30数名みな個性的。当時は教室で合宿のようなことをやっていて(任意参加)、これは朝まで寝ずに勉強したときの集合写真(^^ゞ。最下段中央の青TがK。

話を戻そう。そのときの生徒面談では、Kを思いっきり褒めた。これでもかと褒めた。気持ち悪いほど褒めた(笑)。珍しく顔をほころばせるK。今まで目標も何もなく、ただその日その日が楽しければ良く、高校なんて別に行けるところで・・・という感じだったKが明らかに変わった瞬間。過去と決別し、理想とする自分の未来像を描き始めた。

時期的にもちろん具体的な志望校の話になる。
そんなKが口にした志望校は・・・。

<続く>

教え子シリーズ①はこちら▼
ある教え子のこと①

★近日中に「中学生第2回定期テスト結果」を公開します。
通塾生のガンバリを是非ご覧ください。

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先取り学習の弊害

「早いうちから学習内容を先取りしておけば、後々ラクになるだろう。」

そう信じて、かなりのスピードで子どもに先取り学習をさせている親御様はいらっしゃるものだ。しかし、長く学習塾という指導現場で子どもたちと接してきて・・・

「先取りという“貯金”だけで乗り切れるほど、勉強や受験は甘くない。」

そう断言できる。むしろ、無茶な先取りをしてしまったことにより、学年が上がっていくにつれて学力が低下の一途を辿るケースすらある。

無茶な「先取り学習」が学力低下を招くことも

理由は至ってシンプル。脳の発達が追いついていないのに、上級学年の内容を詰め込もうとしてしまうから。すると、子どもは「なぜそうなるのか」を考えず、ただ「解き方(パターン)」の丸暗記だけでその場を乗り切ろうとする。

例えば算数。覚えた公式に数字を当てはめて解くことだけに慣れ、たとえ“ちゃんと”理解していなくても、低学年や基本的なレベルのテストならそれなりの点数が取れてしまう。英語も然り。よくあるのが定型文などの暗記に偏った勉強。中学1年生ぐらいまではそれでも何とか通用する。すると、親御様は「うちの子はできる」と安心し、子どもも「自分はできる」と過信するようになる。

しかし、学年が上がり、抽象度の高い学習内容に触れた途端に、この“メッキ”は無残にも剥がれ落ちていく。「考える力」を鍛えてこなかった子は、丸暗記したパターンが通用しなくなった途端に・・・“止まる”。また、先取りにより「この内容はとっくに勉強してるから大丈夫」と、高をくくり、学校の授業を真面目に聞かなくなり、ますます成績が落ちていく。

だから、弊塾では、無茶な先取りはしない。学校の少し先、中学英語で言えば1Unit分程度だ。ただ、受験学年に限っては、学校があまりにものんびりペースの場合は結構先を行くこともある(受験に間に合わないので)。

「学力崩壊」を防ぐためには

親御様の焦る気持ちはよく分かる。けれども、本当に必要なのは「進みの速さ」ではなく「理解の深さ」だ。今までは順調だったのに・・・と、我が子に感じている親御様は、アプローチの仕方を変えてみてはどうだろうか。

①子どもに説明させてみる
正解した問題に対して、「これ、どうやって解いたの? お母さんに教えてみて。」と尋ねて、自分の言葉で説明できていれば大丈夫。そうでなければ、それは理解しているのではなく、ただ丸暗記しているにすぎない。正解<理解という重要性を気づかせる必要がある。

②「速さ」ではなく「深さ」を意識させる
とにかく先に進めるという速さではなく、現学年の「ちょっと難しい問題(じっくり考えないと解けないような問題)」に挑戦させる機会を増やすことで、理解に深みを持たせる。すぐに諦めさせず、「アアデモナイ、コウデモナイ・・・」と考え抜かせる経験が後々伸びるための土台になる。

③学校の授業を「より真剣に受ける」ことを約束させる
たとえ塾などで先取りしている内容であっても、「学校の先生はどうやって説明するかな?」という視点で、学校の授業をしっかりと聞くように促す。知っていることでも謙虚に学び直すことの大切さに気づかせる。

親御様へ:
大事なのは「先取り」よりも「深掘り」

周りのデキル子が、どんどん先の学習を進めているのを見ると、親として焦る気持ちは痛いほどよく分かります。しかし、焦って無理に背伸びをさせ、中身が伴わない“ハリボテ”にしてはいけません。大切なのは、“基礎練”を何度も繰り返し、揺らぐことのない強固な基礎学力を土台に、難しい問題にも諦めずに果敢に挑戦する姿勢を身につけることです。その泥臭いとも言える過程を積み重ねた子だけが、入試本番、まさに勝負どころで「たくましい学力」を発揮するものです。

そのためには、まずは読む力を身につけることです。読解力が著しく乏しいと、先取り学習による弊害はより一層顕著になり、学年が上がるにつれて、成績は下降の一途を辿ります。英語だ数学だと言う前に、まずは国語、読解力。これを本当に大事にしてください。

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ある教え子のこと②~その6~

※今からおよそ15年前の話です。朧気な記憶を辿りながら綴っています。なお、公立高校の入試制度は現行のものとは異なり、前期選抜/後期選抜という2段階の選抜がありました。

<前回(その5)の話はこちら>

当時担当させてもらっていた教室が対象とする中学校は、3学期制の学校だった。今のここ小田原市のような2学期制ではないため、夏休み明けすぐに定期テストがあるようなことはなく、10月半ばに2学期中間テストがあった。テストまではまだ1ヶ月以上の“ゆとり”はある。ところが、夏休みが明けてすぐ、テスト勉強をするためにKが頻繁に自習に来るようになった。

『お?どうした?テスト勉強か?』
「はい、まぁ・・・。」
『ほぉ~~。』

最初はこんなやりとりをしたように思う。
真面目に頑張ると約束し、それを一度破り強烈に叱られ、反省し改めて今度こそちゃんと頑張ると約束はしたものの、評定のおよそ半分に1がついてしまうような子だ、またいつか“やらかしてしまう”のではないか、という不安も正直どこかにあったし、自主的に勉強に来るようなことも、三日坊主で終わるのではないかとも思っていた。

ところが、不真面目に取り組む様子は全くなく、小テストなども不合格だらけで大変でも、再テストを何度も何度も繰り返しては必死に食らいついてきた。そして、三日坊主と思っていた自習も、定期テスト前であろうとなかろうと、ずっと続いた。しかも、誰よりも多く、誰よりも早く自習に来た。まぁ、仲の良い友人も多くいたため、そんな中で互いに切磋琢磨しながら勉強するという空気感が、Kにとっては新鮮だったのかもしれないが、それにしても、この変わりようには同じ教室を担当している先輩講師も驚いていて・・・(以下、細かい表現の違いはありますが、内容としてはこんなやりとりをしました)

「これがあのKか?(^^ゞ」
『ホントですよね、アイツ、変わりましたよね。何かあったんですかね。』
「夏期講習で叱られたのが相当効いてんだろ。あれだけこっぴどく叱られたのは、Kにとっては初めてだったんじゃないのかなぁ。今は学校の先生もあまり強く叱ることができないから。」
『そうなんですかね。』
「成績も1ばっかりだろう。だから、学校も含めて周りの大人も諦め半分で、それをアイツ自身も感じていて・・・真面目にやろうなんていう気持ちもなくなってたんじゃないか。」
『・・・そうかもしれませんね。』
「でも、そんな中であれだけ本気で自分と向き合ってくれる大人がいたことに驚いたんじゃないのか。それでアイツの中で何かが変わったような気がするんだよなぁ。」

自分ではよく分からない。当時は只々必死だった。お預かりすると決めた以上はとにかく何とかしなければ・・・と、その一心だった。

そんなKの変貌ぶりに周りの子どもたちも感化されたのか、「アイツどうしたの?(..;)」「俺も負けられない」と、塾に自習に来る子が明らかに増えた。受験学年ということもあっただろうけど、当時の中3の受験に向けての士気を一段階上げたのは、このKだったと言っても過言ではない。

▼毎日自習に来るKに感化され他の中3も続々と

そんな2学期も半ばを過ぎ、いよいよ受験に向けて内申点が確定する時期となった(中3は11月上旬に行われる2学期期末テストまでの結果で内申点が決まる)。成績は1学期よりも上がった子がほとんど(これは今の小田原でも同じで、2年の後期&3年の11月の成績は上昇傾向にある)。そんな中、Kの成績は・・・。

<続く>

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ある教え子のこと②~その5~

※今からおよそ15年前の話です。朧気な記憶を辿りながら綴っています。なお、公立高校の入試制度は現行のものとは異なり、前期選抜/後期選抜という2段階の選抜がありました。

<前回(その4)の話はこちら>

夏期講習が始まって程なく、親にウソをつき塾をさぼったKを強烈に叱り飛ばした。涙を流し、その日は元気なく帰ったK。その後、塾に来てくれるかどうか一抹の不安を抱えながら迎えた中3の講習日。

「こんにちは。」

Kはちゃんと来てくれた。
『おう、こんちは。』
特にふてくされたり、気を抜いたりした態度をとることもなく、真面目に授業を受ける姿がそこにはあった。以後は、一度も欠席することも遅刻することもなかった。

そして、講習も終わろうかという時期、2学期以降の正規入塾をするかどうかを決めることとなった。講習当初こそ、塾をサボるような不真面目な面もあったが、その後は特に問題もなく、真面目に授業を受け、周囲に迷惑をかけるようなこともなかったため、入塾を許可する方向で考えてはいたが、一度強烈に叱り、厳しい塾であることを思い知らされたKだ、このまま頑張ろうという意思はないかもしれない、というのが正直な気持ちだった。

ところが、Kの出した結論は意外なものだった。

「このままここで頑張りたいです。」

今もそうだが、入塾するか否かは本人の意思を最も尊重している。親に行けと言われて入塾したところで、本人のやる気がなく、「通わされている」という気持ちのまま通塾しても成果は見込めない。

『本当に自分の意思で頑張りたいと思ってるか?』
「はい。」
『お父さんもOKしてるか?』
「はい。」

K自身の意思を確認し、お父様には講習中の様子の報告を兼ねて、入塾の可否について改めて確認させてもらった。

「はい、Kもやる気があるようですので、宜しくお願いします。」
『ありがとうございます。出来る限りのことをしていきます。』

Kの正規入塾が決まり、夏休みが終わった。学校も2学期が始まり、塾も通常授業が再開。そこには、今までのKとは到底思えないような姿があった。

<続く>

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もうすぐ夏も終わり・・・

もうすぐ小中学校の夏休みも終わる。

いつの時代も、夏休みが終わろうというこの時期、子どもたちは切なさ寂しさを覚えるものだ。とはいえ、時は止まってはくれない。中学生は夏休み明けにほどなく第2回定期テストが待ち構えている。だから、中学部通塾生には、

「第1回はみなそれぞれの歩幅で精一杯頑張れたように思う。自己最高得点を更新した子もけっこういるだろう。でもな、その頑張りが活きるか否かは、第2回定期テストに懸かってるぞ。ここで大コケしてしまったら、せっかくの第1回の頑張りが、水の泡とまでは言わないけど・・・望むような成績に結びつかなくなってしまう。いいか、そろそろスイッチを入れろ。ギアを上げろ。」

こんな話をした。

中3は言うまでもなく、中2も夏休み前より良い顔つきになってきている子もいる(まだまだの子もいるけど汗)。中1は・・・もう少しかかりそうかな。
いずれにせよ、この夏で少し変わってきたかなと思われる子はチラホラ・・・。

字が丁寧になってきた子、
集中力が続くようになった子、
粘り強く考えるようになった子、
うっかりミスが少なくなってきた子、
メリハリがついてきた子、
人の話に耳を傾けられるようになってきた子、
自分の意思で動けるようになってきた子、
テキトーさがなくなってきた子、
甘さがなくなってきた子、
+アルファができるようになってきた子、
目標が芽生え始めてきた子・・・。

中学生の後期は1000問ノックという圧倒的な演習カリキュラムもあり、今夏はなかなかにハードだったと思う。それも全ては学力向上、成績向上のため。

さぁ、もう一踏ん張り。
頑張れ、CLEARの子どもたち。

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親の「やればできる」が子どもをダメにすることもある

少し耳の痛い内容かもしれませんが、忖度抜きでガチ本音で語ります。

「やればできる。」

そう言われて意気に感じ、頑張ろうとする子もいるだろうけど、逆に、それがプレッシャーとなって押しつぶされてしまいそうになる子もいる。そう、諸刃の剣とも言えるのが「やればできる」。

学年が上がるにつれて学習内容は当然難しくなる。小学校までは出来ていたのに中学校に入ってから途端に・・・とか、中1までは成績が良かったのに中2になってからどんどん成績が下降して・・・とか、決して珍しいことじゃなく、むしろよくあること。学習レベルが上がっているのだから。それを、スランプとか、出来るはずなのに、という言葉で片付けてしまうのは、問題の本質に蓋をしてしまっている。

「できるだけ上位の学校に進学してほしい」と思ったり、「やればきっとできる」と信じたりするのは、親心としてはごく自然なことだろう。でも、無意識のうちに「信じる」が「押しつける」になってしまってはいまいか。親は親、子は子であることを忘れてはいまいか。

親御様は、「うちの子はやればもっとできる」と信じつつも、一方では、我が子の能力を、客観的に且つ冷静に、把握するよう努めるべき。努力で補えることはもちろんあるが、努力ではどうにもならない壁というのもある。ただ、それをわざわざ子どもに言う必要もない。子ども自身が限界を超えて頑張ろうとしているのなら、可能な限り頑張らせてあげた方が良い。自分の能力や努力の限界というのは、誰かに言われて決めるものではなく、あくまで自分自身が身を以て知るべきことだ。

そして、この「努力」。このブログで何度か記事にしているけれど、努力ができるということそれ自体が能力、才能の一つだと思っている。我が子が、「努力ができる子であるかどうか」「少々大変なことでも投げ出さずにやり切る子であるかどうか」も、親御様が知っておかなければならないこと。努力ができる子であれば、一定のラインまでは必ず伸びるし、努力が能力を補い、希にそれを凌駕することすらあるだろう。

だから、学年が上がるにつれて成績が下降してきたら、それはまず我が子の能力的な問題であることをごまかさずに受け止め、そして、それを努力で補おうとする意欲や姿勢があるかどうかを見極めたうえで、かけるべき言葉を選ばなければ、子どもは健全に伸びてはいかない。

最後に好きな言葉を。

「努力する人は希望を語り、
怠ける人は不満を語る」
-井上靖-

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