入口の偏差値だけで志望校選びをするのは早計

中3、高3、いずれも受験生にとって冬は試練の季節だ。
まさに、第一志望合格に向けてラストスパートのとき。毎日のように顔を合わせる塾生も多くいる。

受験。いわゆる「せーのでドン!」の学力試験によって合否を決める在り方には賛否両論あるものの、壁を乗り越えるという実感、同じ志をもった不特定多数との健全なる競争…、受験を通じてをそういう経験ができるというのは、やはり人生における財産の一つになるように思う。
そんな受験を考えるとき、どうしても志望校選びの判断材料の一つとなるのは偏差値だが、ここでは高校受験について考えてみたい。大学進学を目指すならできるだけ偏差値の高い高校へ、というのは自然な心理かもしれない。とはいえ、“入口”の偏差値“だけ”で決めてしまうのは早計だ。

たとえば西湘高校と藤沢西高校。弊塾が採用している全県模試さんでは、内申点、入試得点、偏差値、いずれも藤沢西高校が西湘高校よりも上回っているが、直近3年間の大学合格実績は以下のようになっている(各校ホームページより)。

▇直近3年間の合格者数計(既卒含む)
●国公立

西湘:28名/藤沢西:13名
●早慶上理(早稲田・慶應・上智・東京理科)
西湘:27名/藤沢西:12名
●MARCH(明治・青山・立教・中央・法政)
西湘:154名/藤沢西:133名

大学進学という点では西湘の方がやや優位といえそうだ。やはり旧学区2番手校だったということ、また、かつてはスーパーサイエンスハイスクールの指定を受けていたこともあり、大学進学を志す生徒が多い。
一方、藤沢西高校も同じく大学進学に力を入れつつも、行事や部活も盛んで“アオハル”謳歌の3年間というイメージが強い。また、専門学校の進学先などを見ても、生徒達の多様な進路の実現に力を入れている様子がうかがえる。

続いて平塚江南高校と鎌倉高校。これも全県模試さんのデータに基づくが、内申点、入試得点、偏差値、いずれも近年は鎌倉高校が平塚江南高校を上回っている。同じく直近3年間の大学合格実績は以下の通り(各校ホームページより)。

▇直近3年間の合格者数計(既卒含む)
●国公立

平塚江南:209名/鎌倉:130名
●早慶上理(早稲田・慶應・上智・東京理科)
平塚江南:246名/鎌倉:210名
●MARCH(明治・青山・立教・中央・法政)
平塚江南:891名/鎌倉:1014名

直近3年間で見ると、国公立に関しては平塚江南の方にやや分があると言えそうだ。東大は直近3年間ではいないが、一橋大、東工大、京大と、最難関国立大にも合格者を輩出している。また、国公私立問わず、理系大学への合格者数が多いのも特徴の一つ。
一方、鎌倉も国公立大の合格者数を着実に伸ばしてきていて、2022年には東大や東工大の合格者もいる。旧学区2番手校だったとはいえトップが湘南だっただけに、他の旧学区トップ校並の学力のある生徒が多い印象。

大学進学を見据えた高校選びは、
“入口”の偏差値だけではなく、
“出口”も十分に考慮したうえで。

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