“難関”公立高校を目指すには

神奈川県の公立高校で俗にいう“難関校”とは、県や市の指定を受けた進学重点校、それにエントリー校を加えた19校だろう。

神奈川県:学力向上進学重点校
横浜翠嵐、川和、柏陽、湘南、厚木
神奈川県:学力向上進学重点校エントリー校
希望ケ丘、横浜平沼、光陵、横浜国際、横浜緑ケ丘、多摩、横須賀、鎌倉、茅ケ崎北陵、平塚江南、小田原、大和、相模原
横浜市:進学指導重点校
横浜サイエンスフロンティア


これらの高校を目指すうえでの必要な取り組みについて述べていきたい。

⑴目安の内申点(分母135)は?
極論を言ってしまうと、どんな成績であろうと学力検査等の得点次第で合格できるのだが、あくまで目安(合格者平均が基準)を以下に示すと…。
<全県模試データより>
・進学重点校:127~131
・エントリー校:119~126
・横浜サイエンスフロンティア:120~121
上記数値から成績(分母45)でいえば、
横浜翠嵐を始めとする進学重点校は42~43/45、
エントリー校やサイエンスフロンティアは40~41/45、
ぐらいが目安といえる。

⑵学力検査で必要な得点(分母500)は?
難易度や内申点にもよるけれど、ザックリと言えば…
・進学重点校:440~460点
・エントリー校:400~430点
・横浜サイエンスフロンティア:420~440点
近年だとこれぐらいの得点力が必要かな。ただし横浜サイエンスフロンティアは、理数での高得点が前提。

⑶学力検査に向けて
いずれにせよ上記の高校を目指すなら、学力検査で8~9割の得点力を身に付ける必要がある。そのために知っておいてほしいこと。
①英数国合計で250~270点を
上記の高校を受験する子たちは、ほぼほぼ英数国の基幹3科でガッチリと得点してくるので、特に国語は9割以上を目標としたい。数学は年度により難易度にばらつきがあるけれど、最低でも70点台は確保すべき。
②理社合計で150~170点を
年度により英数国より難易度のばらつきがあるのがこれら2教科。一時は合格者平均点が40点台前半まで落ち込んだ社会、そして、40点を下回ったことが2回ある理科だが、これら2教科は近年では60~70点台となっている。要するに、理社は難易度の変動が著しいため計算が立ちにくい。それもあって、英数国は手堅く取っておきたいのだ。

⑷そのために
①過去問の早期取り組み
特に国語は学年問わず取り組めるし、英語は長文に慣れておいた方が良い。数学は二次関数までの学習を終えたら取り組んでみるべき。理科や社会は分野ごとに取り組んでみよう。特に社会は大問ごとに分野が分かれているから取り組みやすいはず。地理なら全て、歴史なら近世までできる。
②模試の活用
できる限り多くの模試を受け、実戦経験を積んでおいたほうがいい。そして、相対的な自分自身の位置の把握に努め、目標到達点を常に意識できるようにしておこう。
③特色検査過去問の取り組み
まずは学力検査の得点力向上を最優先に。ただし過去問には夏休みぐらいから触れてみるべき。これまでの傾向だと、特に問1の英文読解や問2の国語は、早い段階での取り組みが可能だ。なお、横浜サイエンスフロンティアは独自問題なのだが、好きな子は解いてて面白いと感じるんじゃないかな。

⑸最後に
今回はいわゆる“難関校”について言及したけれど、今の神奈川公立高校は、一昔前と違って、「公立高校(普通科)ならどこも一緒でしょ」では随分なくなってきているため、それぞれの高校の特色をしっかりと調べたうえで、偏差値だけにとらわれない選択をすべき。どんな高校3年間にしたいのか、高校卒業後はどうしたいのか…、“入口”だけでなく“出口”も踏まえて、できるだけ後悔のない進学先を選ぼう。

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