面接廃止により高校入試はどう変わるのか?

先日、2024年度の公立高校入試から一律の面接を廃止する旨が県教育委員会より発表され、業界では激震が走っている…ようだ。面接そのものがなくなる…ということよりも、それに伴う選抜方法そのものの変化に。

一部の高校では確かにほぼ形骸化している現行の面接。その面接について思うところはこれまでブログでも発信してきた。以下==は過去ブログより抜粋。
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中3受験生は面接対策に入る。
事前に高校側に提出する面接シートなるものには…
・志望動機
・中学校での教科の活動に関する意欲
・中学校での教科外の活動に関する意欲
・自身の長所
を書く。これは全ての公立高校で問われる共通の観点だ。これに各校の判断により他の観点での質問がなされる。
「面接ではほぼ差がつかないから準備しなくても大丈夫だろう」なんて声をよく聞くことがある。確かに差をつけない高校はある。一方、露骨に差をつける高校もある。いずれにせよ、高校側から質問される内容が事前に明示されているという意味を考えてみてほしい。要するに…
「ちゃんと準備してこい!」
というメッセージの表れでもある。その場のノリで上手く答えればいいだろうなどと安易に考えているとすれば、それこそ勘違いも甚だしい。

これまではこのような面接を課すこの入試に、実は否定的な立場だった。「たかだか10分やそこらでその子の何を評価できるというのか?」また「予め質問される内容が分かっている面接は作為的になるばかりで意味がない」という考えがあったから。
けれども、ここ最近は肯定派だ。14歳や15歳の子にとって、自分自身のこれまでの足跡を見つめ直す機会などそうそうあるものではない。でも、面接シートを記入する過程や実際の面接を通じてそれができる。そこに面接の価値がある。これまでの自分、今の自分、その経験値から少しでも思い描ける自分自身の未来像を真剣に考える機会になるはずだ。だから、面接って大事だと考えを改めた。
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では、本題へ。少々長くなりますがお付き合いを(特に現中2以下の生徒並びに保護者様は必読を!)。

以下が県教委が公開した2024年度以降の公立高校入試(共通選抜)の概要だ。

※詳しくはこちら(PDFファイル)をどうぞ!

注視しなければならない変更点は…
①特色検査に面接が含まれる!
特色検査というものは、これまでは自己表現検査と実技検査のみだったが(いわゆる難関校で実施される教科横断型の筆記試験は本来は自己表現検査といわれるもの)、そこに面接も加わる。
“特色検査”と名前だけ変わって事実上の面接を実施する高校もあるかも
②「主体的に学習に取り組む態度」が数値化!
5段階評定の観点(A~Cで評価)の一つである「主体的に学習に取り組む態度」が数値化され、第二次選考の資料として扱われる。提出物や授業態度により一層の意欲的な取り組みが求められる。
これまでのような、成績が振るわずとも「入試一本、実力勝負!」で合格を目指すことが現行よりも難しくなる可能性が高い。まずは成績(内申点)をしっかりと

今回の変更点で少し心配なのが、上記の②だ。かつては「関心・意欲・態度」という名目で評価されてきたこの「主体的に学習に取り組む態度」。これが面接に代替するものとして数値化されていくのだが、どうしてもこの観点は評価する側の主観に左右されることが多いのが現実(面接でもそれは心配されていた点ではあるけどね)。

心構えとして…
①面接が完全になくなると考えるのは早計。自分の志望校が特色検査と名を変えて面接を課すのかどうかは早めに把握を!
②入試一本勝負と決め込んで学校の成績を軽視するなどというのは愚の骨頂。特に「主体的に学習に取り組む態度」に関わる学習活動(授業態度や各種提出物)はより一層の努力を!

「主体的に学習に取り組む態度」の評価を上げるために…
自ら課題を見出し解決しようとする姿勢を
「誰かがやるだろう」という何でもかんでも“人任せ”はNG。少々面倒でも飛び込んでみる経験を。また、常日頃から“考える”機会を大事に。
提出物一つとっても取り組みの工夫を
「言われたからやった」と露骨に分かるようなものはNG。知識や技能を身につけるために自分なりの工夫を。また、言われずともプラスαができるように。

最後まで読んでいただきありがとうございました。
参考にしていただけたら幸いです。

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