小学生英語のレベルと中学進学への備え

小学生英語の教科化(5年・6年)が始まって早1年半。
実際のところどんな学習をしているのか、そして、中学進学を見据えてどういうことができるようになっておくことが望ましいのかを述べてみたい。

CLEARの小学生英語では、教科書準拠のテキストを採択している。こちらが小5。

そして、こちらが小6。

上記の小5は道順の尋ね方と答え方。
・I want to go to the hospital.
・Where is the hospital?
・Go straight. Turn right(left).
・You can see it on your right(left).

一方の小6は好きなスポーツ選手の紹介文。
・What sports do you like?
・I like basketball.
・Who is your favorite sports player?
・My favorite sports player is Otani Shohei.
・He is a baseball player.

親御様世代の方にとってはにわかに信じがたいレベルかもしれない。ものすご~くザックリ言うと、小5・小6の2年間でこれまでの中1内容を概ね学習するカリキュラム。ただし、文法的要素にはほぼ触れずに、よく使われる単語やキーセンテンスを聴いて理解したり話したりができるようにするという感じ。

現行の学習指導要領では、「読む・書く・聴く・話す」といういわゆる4技能の習得をバランス良く、としているけれど、実際の学校現場では「聴く=話す>読む>書く」だろう。とにかく“使うこと”が重視されている指導要領下においてこれは致し方ないことだ。でも、これが中学英語のギャップの要因となる。「書く(writing)」スキルがあまり身に付いていないまま中学英語に突入すると、どうしても定期テストや受験には不利になる。英文の意味は何となく分かっても単語が書けない⇒英文を作れない、で結果“もう少し頑張りましょう”的な点数や成績に落ち着く。

学校の成績や受験なんて別に興味がない、というならば文法はおろか読んだり書いたりすることも後回しでいいだろう。でも、現実はどうか?おそらく大多数はNoだろう。それに、「文法=言葉のルール」をしっかりと身に付けておけば聴いたり話したりするのにも役立つし、書くスキルを磨こうとすれば語彙力は必然的にアップする。確かにかつては“This is a pen.”のような英文でbe動詞の始めの一歩を学習していて、こんなフレーズどこで使うの?とツッコみたくなったけれど、現行の教科書には日常会話でもよく使われる文法や表現が多分に含まれている。成績や受験のための英語は役に立たないという思い込みは捨てた方が良い。

英会話(聴く・話す)だけもNG、文法(読む・書く)だけもNG。両者は使える英語を習得するための“両輪”であるはず。でも、皆が皆それを目指しているわけでもないのが現実。多くは学校成績や受験に備えての英語力を身に付けたいと思っているのではなかろうか。

そんな方に向けての結論。

中学進学に備えての英語は、
・基本単語は読めて満足に終始せずスペル書きまでできるようにしておく
・英文構造(主語+動詞+補語or目的語)の基本を理解しておく

これらが十分にできていれば、中学でのトップランナーを目指せるはずだ。とりあえず英語は。

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