教科書改訂に伴う中学英語で大事なことは…

周知の通り、2021年度は中学校における新学習指導要領の全面実施=教科書大改訂元年だ。教育関係のどこの情報を見ても聞いても、英語の激震を煽る内容のものが目立つ。確かにこの改訂、英語は際立っているのは間違いない。でも、実際のところどうなのか?

小田原市が採択する中1から中3までの教科書は”Here We Go!(光村図書)”。その準拠版テキストには一通り目を通したので、ざっくりとその感想を述べてみたい。

【中3】
高校から降りてきた新たな文法事項は原形不定詞、現在完了進行形、仮定法。いずれもこれまでの学習内容に少し+αされただけ。そこまで大変じゃない。
【中2】
中3から降りてきた文法事項は、第5文型(make[call]+目的語+補語、wantなど+目的語+to不定詞)。中2で第1~5文型まで全て取り扱うことになるのでちょっとしんどいかな。
【新中1】
中2から降りてきた文法事項は、第二文型(look+形容詞)、不定詞・動名詞の基礎。また、これまで中学では学習してこなかった感嘆文が加えられた。Unit1からbe動詞と一般動詞とcanの文が出てくるのが非常に新鮮。まずはbe動詞から学習した保護者様世代の方は驚かれるかも。

そして、文法事項以上に留意しなければならないのは、やはり単語量だろう。例えば、中1ではこれまでの導入部分の単語量と比べるとはるかに多くなっている。まぁ小学英語の復習という位置付けだけど、単語をあまり習得してこなかった子にとっては少し大変かもしれない。

確かに盛りだくさんな印象ではある。でも、これらは小学生英語の教科化を受けての改訂であり、中学英語がハチャメチャに難しくなったというほどではない。小学校卒業の段階で基礎力(語彙やキーセンテンスの習得)を十分に身につけておけば、中学英語に困惑するようなことはさほどないはずだ。

個人的な結論。
大事なのは、小学英語。学校現場ではリスニングやスピーキングの指導に時間が割かれるだろうけれど、自分なりにリーディングやライティングにもしっかりと取り組んでおくことが望ましい。特に5~6年にかけて十分な基礎単語やキーセンテンスのスペル書きができるように練習しておくことだ。
だから、中学英語だけにフォーカスして、過度に神経質になる必要はない。学習塾においては中学英語の難化をある程度は周知させる必要があろうけれど、必要以上に子どもや保護者様の危機感を煽るべきじゃない。

小学英語を疎かにしないこと。これホントに大事。
英会話やっとけば大丈夫…とは思わない方がいいかも。
ライティングの力とある程度の体系的な文法理解が必要。
そうすれば中学英語の接続はそんなに大変じゃない。

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