英語で理解する力を~公立入試問題から~

公立高校入試が終わった。
まずは受験生のみなさん、お疲れ様でした。しばらくは羽を休めよう。

さて、では今年の入試問題についての考察。文系担当のため英語について思うところを書いてみたい。
問1【リスニング】
例年通り。ただ受験者の声を聞く限り、今年はかなりゆっくりめで聴き取りやすかったらしい。でも(イ)のスピーチ原稿の聴き取りは、音声としては流されない単語を推測して選択したり書いたりしなければならないため、やや難しかったように思う。
問2【語彙】
(ウ)のvoiceが書けたかどうか。あとはafraid、strongestを書かせる出題だが、単語レベルはやはり年々上がってきているように思う。
問3【適語(句)選択】
例年並みに平易。敢えてやや難とするなら(イ)だろうか。文意から<助動詞+be+過去分詞>の受動態を導けたかどうか。しかも疑問文でcanが文頭にあることから、うっかり早とちりな子はseeを選んでしまうだろう。でも過去にもこのパターンは出題されている。
問4【語順整序】
例年と比べて易しかった印象。分詞や関係代名詞などの後置修飾が絡んでこなかったため、比較的解きやすかったのではなかろうか。その中にあって、(イ)の”~before going to bed”は、動名詞の使い方を本当に理解しているかどうかを問うものであり、また、(エ)のwithの使い方も、「~といっしょに/~をもって」と日本語の丸暗記だけしてきてしまった子には難しく感じたかも。
問5【条件英作】
正答例が”What music do you listen to?”ということからも、今年は例年と比べて激しく易しい。中1レベルで解ける問題。でも、最後のtoを書かない子もいたんじゃなかろうか。不正解となるのか中間点をくれるのか。でも、この手の英文(文末が前置詞)も、一昔前までは入試には絶対に出題されなかった。
問6【長文読解】
グラフや表を絡めた出題形式は変わらず。難易度も例年並み。(ア)の脱落文の挿入は手堅く得点しておきたい。
問7【英問英答】
交通手段や価格の読み取りなど、出題内容や難易度は例年並み。丁寧に文脈をたどることが求められる。
問8【対話文読解】
一昔前まであった、留学生がやってきて異文化交流云々というような読みやすいテーマはもはや皆無。都市設計についてのグループディスカッションというのが今年のテーマ。高齢社会や雇用、税などが話題に出てきたり、まさに時代を反映した内容。設問としてはやはり(イ)がやや難かと思われる。意見を取りまとめた付箋及び記号を正確に読み取るには後半部分の精読が求められ、少々手間がかかる。
【総評】
例年通りの出題形式で難易度としては相変わらず高め。今年も得点層は二極化すると思われる。ただリスニングや文法にまつわる設問においては、例年より取り組みやすくなっているため、平均点は昨年よりやや上がるかもしれない。
【対策】
英語で理解する力を。多様な資料を絡めた出題のため、英文を理解する力もさることながら、英文”で”理解する力も必要だ。読解は一文一文を丁寧に日本語化するのではなく、英文をカタマリとして理解しながら読み進めるトレーニングが求められる。
文法はワーク等を使った頻出パターンの練習だけではなく、その文法のコアをイメージした理解を。言うまでもなく単語(太字レベル)は活用できるレベルまでの定着を。
これらのためには…毎日の音読です。間違いなく。

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