定期テストは、難しい方がいいか?易しい方がいいか?

神奈川公立高校入試が著しく難化傾向を辿って久しい。かつての各教科50点満点入試の頃はハイスコア勝負で、ミスをした子が悔し涙を流す得点バブルの時代だった。入試で差がつきにくいだけに内申点の優劣はモロに合否を分けた。

今は…違う。はっきりと学力差が出る入試だ。英語や国語という言語系教科ではその文章量が多く読み解くまでに時間を要し、数学では難問も随所にあり正答率1%以下の難問も、理科や社会に至っては、もはや単純暗記は通用せず、原理・原則を理解していることが求められる。

そんな神奈川公立入試にあって、中学校の定期テストの在り方も考えるべきだ。元来定期テストとは、その子の日頃の頑張りを評価し、次もまた頑張ろうという動機付けになるべき位置づけのテスト。一方、少々乱暴な言い方をすれば入試は“落とすための”テスト。然るに、定期テストとは皆の頑張りがしっかりと得点に反映される内容が良い…のだが…現行の神奈川公立入試のレベルを考えれば、従来の知識偏重の問題ではいけないし、易しすぎるのもNGだ。易しい問題に慣れ、それに基づいた成績がつけられると、“力のない”5もあり得る。一方、難しい問題に慣れ、それに基づいて成績がつけられると、“力のある”5であり得る。同じ5の子が入試勝負となったとき、どちらが有利かは言うまでもない。

結論。高校進学=受験を考えれば、定期テストはやや難しめで、はっきりと差がつくレベルのものが好ましい。平均点が7~8割となってしまうような難易度では少々心配になる。一定の難易度を保持し、定期テストに向けての勉強が、学校評価に加えて入試に向けての実力錬成の機会となるのが理想。

賛否両論は承知の上で!
勉強が苦手な子への配慮が必要だ!という声もあろうけれど、得意な子への配慮も必要だ。頑張っても頑張らなくても、さして差のつかない、「みんな頑張ったねぇ~」という結果になるような妙な平等主義はむしろ悪ではなかろうか。勉強が苦手な子には、テスト以外で輝ける機会を、得意な子にはテストで輝ける機会を設ければいい。

勉強が得意な子、スポーツが得意な子、ものづくりが得意な子、楽器の演奏が得意な子、歌が上手い子…。それぞれがその持ち味や強みを活かせる環境作りを!

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