「流れを押さえる」って?

歴史を勉強するうえで、よく「流れを押さえること」が重要と言われる。
「流れって…?」と、歴史を苦手とする子どもたちにとって、少しでも参考になればと願いつつ、ここではその流れについて述べていってみたい。先日の中2歴史の授業で扱ったのは「イギリスの産業革命」。

流れとは因果関係のこと。そもそもなぜイギリスから産業革命が始まったのか?それは…
①大量の資金の保有
②人口(労働者)の増加
③植民地の存在
④科学技術の進展
ザックリと言えばこれら①~④によるもの。では1つずつ簡単に見ていこう。

なぜ①?=いち早く立憲主義国家となったため。
清教徒革命や名誉革命を経て、イギリスはこれまでの絶対王政=王様のやりたい放題の政治体制から議会を重視した立憲主義国家となった。そのため、国家体制がしっかりとしている国=信用できる国。そのため対外的に資金を集めやすくなったのだ(借金しやすくなった)。絶対王政下の国ならば、国王の匙加減一つで貸したお金を踏み倒されかねない。
なぜ②?=農業革命により食料が爆発的に増えたため。
食べることに事欠かない現代とは異なり、昔はどの国も食糧不足には頭を悩ませていたのが現状。食べるものがなく餓死していく人間が多かった。ところがイギリスはこれを見事に克服したというわけだ。結果として人口の増加⇒労働者の増加ということ。
なぜ③?=植民地が原材料の供給地&製品の市場としての役割を果たしたため。
たくさん生産するには原材料が必要だし、また、たくさん生産しても売れなければ意味がない。大量生産・大量消費を可能たらしめたのが、この植民地の存在。フランスとの植民地獲得競争に勝ったイギリスは広大な植民地を有していた。
なぜ④?=蒸気機関の発明・改良&エネルギー革命が起きたため。
ワットにより、さまざまな用途に蒸気機関が使用されるようになり、蒸気機関車や蒸気船にも使用されたことで、大量生産だけでなく製品の大量輸送にも一役買った。また、その蒸気機関の燃料として、これまで薪を使用してきたところが、よりエネルギー効率の良い石炭に代わった。幸いイギリスでは石炭が多く採掘されたため、薪から石炭へのエネルギー革命が起きたというわけだ。20世紀には石炭から石油へとエネルギー革命、果たして21世紀のエネルギー革命は…。

というように、因果関係を把握するには「なぜ?」を追いかけることが大事。理解ができれば記憶にも定着しやすい。社会(特に歴史)が苦手な子は、とにかく丸暗記に頼る勉強から少しでも早く脱却できるよう努めよう。

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