伸びる子と伸びない子との決定的な違いとは

微力ながらもこれまでさまざまな子どもたちの学習指導に携わってきた。教えていると、「この子は伸びる!」と感じる子とそうでない子とがいるのが現実。今回はタイトルにもあるとおり、「伸びる子と伸びない子との決定的な違い」をあくまでこれまでの経験則から述べていきたい。以下に、現場で体感してきた「伸びる子の資質」を列挙してみた。親御様には参考にしてもらいたいと思う。

①耐性を備えている子
何かを継続したり完遂したりする力も、まずはこの耐性が備わっているかどうかにある。少々の困難や苦難にもめげず、ここ一番グッと踏ん張れる子は何事においても強い。これまで教えてきた子たちで、いわゆるトップ校と呼ばれる高校に進学していった子たちには、ほぼ例外なくこの耐性が備わっていた。部活でヘトヘトに疲れていても、体調があまり良くなくても、学校の宿題やら何やらで忙しくても、少々のことでは塾を休むことはない。自分自身への厳しさを備えている。
②素直な子
何でもかんでも鵜呑みにするのは良くないということが大前提ではある。けれども、自分自身のやり方に固執するがあまり、なかなか他人からのアドバイスを聞き入れられないというのはよくあること(子どもも大人も)。自分なりのやり方があるのは決して悪いことではないけれど、それが確立するまでは、まずは素直に人の意見に耳を傾け、実践してみることだ。合う合わないはその後考えれば良いわけで、いわゆる「食わず嫌い」になってはいけない。自分にとってはNGと思えることも、まずは取り入れてみる。ともすれば思わぬ可能性が広がることも。素直さは人間としての幅も広がるだろう。
③「なぜ?」を考えられる子
全ての学問の出発点はこの「なぜ」にある。なぜ少子高齢が進んでいるのだろう。なぜ空は青いのだろう。なぜ…。一見すると「???」なことも、一定の原理・原則を理解すれば納得できることも多い。無理な丸暗記をすることも少なくなるため記憶にも定着しやすい。いわゆる「デキル子」は質問の鬼である場合が多い。自分で考えてもどうしても納得できないことについては、とことん質問してくる。前職時代も今も。幼少期から知的好奇心をくすぐるような体験を数多くさせておきたい。
④親のためではなく自分のために頑張れる子
子どもが頑張るモチベーションの一つは「親に褒められたい」だ。テストの点数然り、成績然り。小学生ぐらいまでの子のほとんどはこの「親に褒められたい」が頑張る源。それが、やがて自我が芽生え、親離れしていく中で、これまでのモチベーションなるものが失われていく。「何のために勉強するのか、頑張るのか」の自問自答を繰り返す。そこで新たに「自分自身のため」と意識を変えられる子は伸びる。頑張る基準がいち早く親の尺度から脱した子は特に社会に出てから強い。
⑤切り替えのできる子
「よく遊びよく学べ」とは昔からよく言われることだけれど、この仕事に就いてからは確かに真実だなと思うようになった。普段は友達とも良く遊んでいて「いつ勉強しているの?」と不思議に思うもしっかりと好成績を取るような子。こういう子は切り替えがしっかりとできる子だ。真面目に授業を受け、可能な限りその場で理解を深めることに努めるが故に、テスト前になっても慌てることもない。それとは逆に、不真面目に授業を受け、理解できていないことが蓄積されるが故にテスト前に大変な思いをする。だから、オンとオフ、切り替えのできる子は得てして集中力にも長けている。

これらから言えることは、科目の知識云々というような、机上の勉強方法などではなく、日常の生活習慣や親との関わり方が大事だということ。親御様にとっては耳の痛い話であることを承知の上で…。
「不思議なもので、子どもは、親の言うことは聞かなくても親のすることは真似するものです(無意識のうちに)。まさに『子どもは親の鏡』。ですから、子どもに勉強してほしいなら、まずは親が勉強する。子どもに素直になってほしいなら、まずは親が素直になる…。そんな姿勢が大事なような気がします。」

「『頑張れ』と子どもたちに言う以上、まずは自分がそれ以上に頑張らなければならない。」と常に(出来ていないけれど…)自分自身に言い聞かせているのは、こんなところに理由がある。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です