読書=読解力UP?

「読解力をつけるためには、読書をした方がいい」

よく言われることだ。でも、読解力をつける、というのは読書が最も有効かというとそうでもない。読解とは読んで字のごとく「読み解く」ことだ。筆者の言わんとしていることを正しく理解する力だ。それにはやはり、正しい読み方が必要であり、それはトレーニングによって培われるもの。一方、読書というのは、「読み味わう」ことが優先される。要するに、読み手の主観に委ねられることが多い。そのため、解釈の仕方、感じ方は個々に違うこともある。

教科として、評価対象として、読解力を測る以上は、誰が読んでも同じ解釈が成り立つものでなければならない。それには主観的な読み方を一切廃し、あくまで客観的に読む姿勢が求められるのだが、それに必要なのが筋道=論理だ。この論理的思考力というのは、読み手の主観に委ねた読書ではなかなか身につきにくい。だから、トレーニングが必要だ。

だから、読書=読解力UPと容易にはいかない。読書はやはり知識・教養の蓄積のためにある。それらに乏しければ、文章を読み、正確に理解していくのはやはり難しい。歴史を知らなければ、歴史に関する本を読んでもチンプンカンプンだろう。理科の基礎知識がなければ、科学技術に関する本を読んでも、理解不能な難解な言葉がただ並べられているに過ぎないだろう。

読書は読解力を向上させる上で、確かに必要なことではある。でも、それが最も有効というのは少し違う。読解力を磨くには、やはり継続的なトレーニングが大切だ。もちろん、並行して読書で知識・教養を蓄えることも大切。

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