2017年度 神奈川公立入試問題講評【国語】

続いて国語の講評。
大問構成は問1の<漢字/文法/韻文>についての知識から始まり、問2古文、問3文学的文章、問4説明的文章、問5資料の読み取り、と例年通り。それでは各問ごとに考察していきたい。

 

問1 漢字/文法/韻文
漢字の出題形式で大きな変更が見られた。一昔前の神奈川公立入試で出題されていた、書き取り問題の選択だ。漢字を苦手とする受験生にとっては助かったのかもしれないが、読み取りではなかなかの難度のものが出題された。「頒布(はんぷ)」を読めた受験生がどれだけいただろうか。

問2 古文
例年通りの構成。古文に慣れ親しんでいれば大意はとらえやすい。深い読み取りが必要な難問も見受けられず、ここでの失点は極力避けたい。

問3 文学的文章
登場人物のセリフ・動作・仕草、そして情景描写から、心情を読み取るものだが、昨年・一昨年と続いていた40~60字程度で記述する問題が姿を消したため、記述が苦手な受験生にとってはこれまた取り組みやすかったのではなかろうか。したがって、問3はやや易化したといえそうだ。

問4 説明的文章
例年とほぼ同じ出題だが、過去3年続いた書き抜き問題が姿を消したため、問3同様にやや易化したのではなかろうか。定番の、要旨をとらえ40~50字程度で記述する問題も、キーワードが指定されているため、指示語が指す内容をたどり、キーワード前後の文脈をまとめればいい。

問5 資料読み取り
例年通りの構成。最後のそれぞれの意見を集約する問題も、過去3年同様に3人の意見をまとめるといったもの。記述式ではあるが決して難しくはない。どんなに苦手でも中間点はほしいところ。

【総評】
漢字の書き取り、心情の記述、書き抜きなど、英語同様に記述が減少したため、全体的に易化したといえそうだ。これまで、国語は最も合格者平均点が高かった教科ではあるが、今年はさらに高くなることが予想される。マークシート方式導入による影響かとも思うが、個人的には、問題数を増やすなどして、もう少し国語は難易度を上げてもいいのではなかろうか。確かに国語は他教科と比べ、難易度を上げるのが難しい教科だが、これでは上位校ではほとんど差がつかない入試といえそうだ。

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