親御様への願い~成功と成長と~

前職時代の教え子が成人式の写真を贈ってくれた。そこには当時の塾メンバーが集っていて、感動とともにフラッシュバックするように当時(受験期)のことが鮮明に蘇ってきた。
これまで多くの子どもたちを送り出してきた。それぞれにさまざまな思い入れがある。ただ共通して言えるのは、皆たくましい15歳として受験期を乗り越えたということだ。
振り返ってみると、受験生自身それぞれの努力もさることながら、その親御様の支援・応援には本当に感謝している。この代に限らず、親御様の我が子への想いを、この受験期には強く感じることが多い。特に現行の入試制度初年度に全員合格(24名)を達成したときの親御様がとりわけ印象に残っている。支援・応援といっても、決して「頑張れ!頑張れ!」じゃない。むしろ、親御様は勉強面に関してはあまり干渉することはなく、また、テストの点数や偏差値で一喜一憂することもほとんどなかった。けれども、そのスタンスが子どもたちのストレスを軽減し、自信と勇気をもって彼ら彼女らを受験に立ち向かわせてくれたように思う。また、塾にカンヅメになって頑張る我が子に、連日お弁当を届けに来てくれる親御様も多かった。申し訳ないと思う一方で、本当に有り難かった。
そんな前職時代の経験から、受験生をもつ親の在り方について、軸となる考え方が生まれた。
①本人以上に親が受験に一生懸命にならない
②勉強面でなく健康面のケアを第一に考える
③少々のことで親自身がブレない
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お父様は何事にも動じぬ大仏様のように、お母様は微笑みを絶やさぬ観音様のように、ドーンと構えていることが、子どもに勇気と自信を芽生えさせるものです。心配であるが故に、子どもの短所だけについ意識が注がれてしまい、顔を見れば「勉強してるの?」「このままで大丈夫なの?」は、子どもに「自分は信じてもらえていない」と思わせてしまいます。短所に目を向けるのは塾の役目で、親御様は長所に目を向けてやってください。「信じてもらえている」という実感は、子どもを強く、真っ直ぐ、前進させてくれるはずです。
「信じる」。
言うは易く行うは難しであることは十分に理解しています。それでも、親御様はお子様にとっての最強の理解者・応援者でいてあげてほしいのです。

我が子の合格=“成功”を願うのは親心として至極当然のことでしょう。ただ、それ以上に、受験を通じた我が子の“成長”を願ってほしいと強く強く思います。

たかが塾講師が何を生意気なことを…と思われるであろうことは重々承知の上です。それでもやはり、悩み苦しみながらも自ら進むべき道を決め、それに向かって直向きに頑張る子どもたちの姿を間近で見ていると、そう願わずにはいられません。一人一人にドラマがあり、受験期を乗り越えていく中で、子どもたちはこんなにも成長できるのかという発見や感動は、何事にも代えがたいと思うのです。

義務教育が終わり、ある意味では生き方を選ぶ機会の一つとしてのこの高校進学。お子様の自立への第一歩は、必ずや素晴らしいものになります。

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