中3受験生への想い~前職時代のエピソードから~

中3受験生の入試本番まで2ヶ月を切った。
これまでさまざまな受験期を子どもたちとともに乗り越えてきたけど、今でも忘れられないエピソードがある。以下は、今から8年前、前職時代でのこと…。
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かつて多くの不合格者を出してしまったことがある。当時は在籍100名ほどの教室を担当していて、中3受験生は30数名だった。旧制度最終年度の高校入試。当時は前期選抜・後期選抜に分かれていた。前期はほぼ内申点で合否が決まり、後期は学力検査の得点が大きく影響する。その学年の多くの子たちがこの後期選抜に懸けていた。
前職では受験当日に塾で自己採点をすることになっていた。早期に合否可能性を割り出し、然るべき対応の準備をするためだ。
受験を終えて子どもたちが続々と塾にやって来る。笑顔で来る子、解放感いっぱいで来る子、ガックリと肩を落として来る子、様々だ。次年度から学力重視の制度に変わることもあり、その年の入試はやや難化。模試よりも得点を下げてしまった子が多かった。
その中の1人にある女の子がいた。一度もぶれることなく第一志望校受験を貫いた子だ。内申点はあるのだが、いかんせん入試での得点力がない。「合格するのは厳しい」。受験する前に何度も何度も確認した。本人にも保護者様にも。それでも直前期には何度か合格ラインを突破。「もしかしたら…」とわずかな光明も見出していた。
しかし、現実は厳しかった。問題の難化とはいえ、模試よりも大幅に得点ダウン。自己採点の途中で彼女は泣き崩れた。大きな声を上げて泣いた。俺はかける言葉すら見当たらず、ただ、黙って彼女の側にいた。それを見ていた他の受験生数名が、
「先生、俺たちが側にいるから大丈夫だよ。」と。
そうは言ってくれてはいても、その子たちも決して楽観出来ない自己採点結果。悔しくて泣きたくて仕方なかったのは同じだったはず。それでも、そんな自分の感情をグッとこらえ、彼女が落ち着くようにずっと側に寄り添って「大丈夫だよ」と励まし続けた。自分のことより他の誰かのことを心から思いやれる、そんな彼らの姿に俺は心を打たれた。
その後、その女の子、そして、そのときの男の子たちは、力及ばず不合格になってしまった。それでも、卒塾してからも「先生、元気ですか?」「高校生活楽しいですよ」と頻繁に顔を出してくれた。
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受験は皆で乗り越えるもの。そう信じて子どもたちに接してきた。そして子どもたちにもそう伝えてきた。互いに切磋琢磨し、高め合い、支え合い、挑むもの。それが、受験を単なる点取りゲームから、仲間との絆や親御様への感謝を学べる機会となり、より価値あるものへと高める。そんな想いを再確認できた一幕。
こんな子どもたちであってほしいという想いは今も変わらず…。
ガンバロウ、中3受験生!!!
燃えよ!CLEAR第5期生!!!!!

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