2018年度学力検査を振り返る

2018年度公立高校入試。学力検査について思うところを。

結論から述べると、全体の難易度は昨年度より上昇。したがって、平均点・合否ボーダーは下がると思われる。
その中でも際だっているのが社会。大幅な難化といってよいだろう。記述がほとんどなくなったとはいえ、答えを導き出すまでにかなり時間と手間を費やさなければならない問題が多く、また選択肢も増えたことから、時間が足りず最後まで解ききれなかった受験生も多かったのではなかろうか。それぞれの事象の原理・原則、因果関係や歴史的背景、それらを十分に理解したうえでの知識でなければ正答に至るのは難しい問題ばかり。一問一答的な単純暗記による勉強はもはや通用しない。
そして、その次に難化の傾向が見られたのが数学。特に関数や平面図形に関する設問では、複雑な計算や補助線が必要とされたりと、難易度の高い問題が見られた。また、確率もルールがやや複雑化したことから、条件を正確に読み取る力がないと対応しにくい。最後の全証明は削除されたが、角度を求める問題が追加されるなど、従来の「手堅く得点できる」問題が少なくなり、社会ほどまではいかないが、平均点は下がるのではなかろうか。
最後に英語。リスニングの傾向と配点が変わり、1教科目ということもあり、戸惑いを感じた受験生も少なくないと思う。条件英作文が1問減りはしたものの、その英作文も受動態の未来形が求められたり、語順整序ではeveryやasの使い方など、正確な知識を有していないとひっかかってしまったりと、やや難しいと思われる文法・表現に関する問題が随所に見られた。読解においては問7の短文読解では選択肢が増え、問8の対話文読解ではカードの並べ方など、受験生を悩ませたのではないかと思う。いずれも速読・精読の力を身につけていくことが望まれる。
理科・国語については若干の傾向の違いはあれど、全体的には昨年並みではなかろうか。

マークシート方式導入二年目の今回の神奈川公立入試。今後求められる学力としては、
①知識の説明力(用語の丸暗記でなくその事象の背景や原理原則を理解する力)
②速読力・精読力(情報を速く正確に読み取る力)
これらを身につけることではなかろうか。

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