社説書写のススメ

前職時代、国語を不得手とするある塾生に、新聞の社説を書き写すことを提案してみた。
==内、前職時代のブログより(一部改変)====================================================
ある塾生が見せてくれたノート。
15241430_659407794239240_2615023476477818178_n
ノートにビッシリと書き込まれているのは新聞の社説。漢字・言葉の知識、文章構成の仕方、社会常識など、国語の総合力のみならず、この書写を通じて学べることはたくさんある。
今でもこうして続けてくれている。続けていくうちにノートを1冊使い切ってしまったようだ。一区切りとして、その「努力の証」を私に見せてくれた。感動した。そしてこの継続力に尊敬の念すら抱いた。じっくり読ませてもらうため、本人の了承を得てこのノートを貸してもらった。
最後に、保護者様からこんなコメントが記されてあった。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜~~~~~~~
長谷川先生
いつもお世話になっております。
「社説」がちょうど1冊分終わりました。4ヶ月弱で、テスト前などは少々あいてしまいましたが、何とか続けられたように思います。
毎回、この熟語はわかっているか?ことわざは理解しているかなどを、こちらからチェックしてみました。後の方になると、本文について感想を述べるようになってきて写す時間も少しずつ早くなりました。また、テストを終えたら続けます。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜~~~~~~~
『長谷川より保護者様へ』
お子様の学習活動にご協力頂き、誠にありがとうございます。「くっつき過ぎず」そして「離れ過ぎず」という、絶妙な距離感をもってお子様と接して下さっているのが、お子様の文章や最近の塾でのご様子から、手に取るように分かります。しっかりと自分の歩幅で前進してくれているようです。私どもは、保護者様のご協力があってこそ、学習指導により傾注することができます。これからも、保護者のみな様のご協力を仰ぎながら、地域の教育に少しでも貢献していきたいと思っております。宜しくお願い申し上げます。
「継続は力なり」といいます。私もそれを信じています。この取り組みは必ずや目に見える成果として芽を出すことと思います。
次の段階として、これらの文章を要約していくトレーニングを少しずつ取り入れてみてはかがでしょうか。量的に2ページで1テーマとなっているので、これらを1ページで1テーマにまとめていくトレーニングをしていきます。方法としては、「余分なぜい肉=修飾語・具体例」をそぎ落としていくことです。1文の要約からでも構いません。そのためには、1文の骨組み〈主語+述語〉をわかりやすくすると良いと思います。まず、述語を探し、次にその主語を探すという手順を守ります。そして、それら以外の修飾語を省いていきます。ただし、全ての修飾語を省いてしまうと、意味が通じにくい文となってしまうので、「主語や述語を直接修飾しているような言葉」は、もう一度つけ直していきます。最初はなかなか上手くいかないと思いますが、内容が理解できていれば、省くべき言葉か否かは、自然と分かってくるはずです。そして、1文ごとの要約に慣れてきたら、段落ごとの要約にと、少しずつ進めていってみてはいかがでしょうか。そのときには具体例を省くこともきっとできるようになっているかもしれません。
要約ができるということは、その文章のテーマや筆者の主張が理解できているということです。頑張りましょう!自私も出来る限りのバックアップをしていきます!
====================================================

この子は最終的に地区上位校に合格しました。初めはルーティンな作業でつまらないと感じるかもしれませんが、継続することで知らず知らずのうちに読み書きの力が自然と身につきます。言葉を介し他者を理解し、自己を表現する。国語は全ての教科の土台です国語力向上の一助として、社説の書写はお勧めです。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です