ある教え子のこと①~その3~

中3生になっても、Nには目標が全くなかった。相変わらず自習室にはよく足を運んだが、ただ漠然と勉強する日々が続いた。
『お前、せっかくこんなに勉強するようになったんだから、目標を持てるようになるといいよな。何のために勉強してんのか、何に向かって勉強してんのか、ある程度の目標が定まれば、もっと成績は上がると思うぞ。』
「…いや、よく分かんないっす…。」
こんなようなやりとりを何度したか分からない。いつになったらNは目覚めるのか。俺は不安で不安で仕方なかった。
もともと良いものを持っている。力のあるヤツだけに、その力を発揮できていない。きっと本人以上に当時の俺はそんなもどかしさを感じていただろう。いわゆる‘キレ’があったのだ。例えば数学。鋭い視点を持っていて、かなり難度の高い図形問題もやってのけるときがしばしばあった。社会においても、皆ができないような論述問題にも対応力を見せる。国語や英語など、読解力にも優れた一面を見せた。思考力や発想力においては、かなり高いものを持っていたような気がする。けれども、飲み込みが早いだけに、コツコツと何かを積み重ねることが苦手、我慢できずにすぐに飽きてしまう傾向にあった。漢字なんかは小学生低学年レベルではなかったろうか。そう、つまりは基本がなっていない。内容が合っていても、誤字や脱字が多く、満点の答案はどうしても作れない、そんなタイプであり、皆ができないような問題はできて、皆が当たり前にできる問題ができない。というより、簡単な問題はなめてかかるため、必ずと言っていいほどミスを犯す。それは受験勉強が本格化していってからもなかなか改善されなかった。
学校のテストではそこそこの点数(中の上ぐらいといったところか)。定期テストは努力をみるためのもので、日々どれだけ頑張って授業内容を理解しようと努めてきたかをみるものだ。Nが真面目に授業に臨んでいるとは到底思えなかった(塾では真面目にやってたけれど)。だから、そこそこの点数のうえに、授業態度や提出物が足を引っ張りまくり…中2学年末で一度は上がった成績も(それでもオール3を何とかクリアした程度)、中3の1学期にはまた元に戻ってしまった。

そんな状況のまま、Nは‘受験の天王山’夏期講習を迎えることとなる…。

(つづく)

実に頼もしい

本日は中2が鎌倉まで郊外学習で行ってきた模様。生徒に話を聞くとみな充実した一日となったようです。中には「疲れた・・・」と言っている子もいて、

「どうした?」と聞いてみれば、

「かなり歩いた~♪」と楽しそうに言ってきます。さらに「銭洗弁財天まで歩いて」と言ってはいましたが、「そんなに長い距離じゃないでしょ。」と突っ込みながらも、子どもたちは元気そうに来塾してきました。

校外学習の日なので、もしかすると疲労で欠席する生徒がいるかも・・・?とかも思いましたが、本日の授業は全員出席!

実に頼もしい2年生であります。

そんな2年生に本日の理科では、試験範囲がでたので、試験範囲からの予想問題をつくりチャレンジ。

結果は・・・?

今の時期としてはなかなか良いな感じ!

よくできています。

理科は試験範囲からも、それほど大変ではないので、「かなり期待できるな!」という感触を持つことができました。

それでも、より高みを目指すため生徒の二人には追試を指示!次回、再度100%正解を目指し、チャレンジしてもらうこととしました。

校外学習もおわって、次は定期テストです!

全員に自己最高点をとらせられるように、我々も精一杯に取り組みます!