新型コロナウイルスに関する対応について

ここに来て東京都の新型コロナウイルスの感染者数が連日過去最多を更新し、かつてないほど危機感が高まっている。確かに緊急事態宣言が解除されて以降、社会全般でコロナに対する警戒心が弱まってきていることは事実。このまま放っておけば感染爆発を招きかねない以上、注意が必要なことは間違いない。けれども、コロナを巡るメディア、とりわけテレビ報道の受け取り方には注意しなければならないと感じる。

東京都の感染者数が200人を超えた7月上旬。200人超えは4月上旬以来のことだというが、そこでいう「感染者」とは実際はPCR検査を受けた人のうち陽性反応を示した人の数であり、当然検査数にある程度比例し陽性者数は増えるものだ。また、陽性者が200人とは言え、基準値を超える発熱が4日以上続いていることが条件だった4月と比べると、今は症状の有無にかかわらず、感染を疑われる関係者には重点的に検査を行っているため、陽性者は多くてもそのほとんどが無症状者で、重症者数に至っては極めて少なくなってきている。200人のほぼ全員が発症していた4月とは明らかに状況が違う…にもかかわらず、テレビはコロナ関連のニュースを報じる際、「どのような人を対象に何人を検査したか」について詳しく触れず、ただ「感染者数」としてだけ報じ続けている。このような恣意的な報道はいたずらに恐怖心や危機感を煽るだけではなかろうか。より危機感をもって報道しておくことは予防原則上は好ましいことなのかもしれないが、伝えるべき事実を正確に伝えなければ、社会は混乱するだけだ。視聴率のためテレビは最も極端な部分を切り取り、最も衝撃的な印象を受けるであろう伝え方で取り上げようとするものだが、視聴率至上主義ゆえの恣意的報道であってはいけない。

NHK特設サイトによると、日本でコロナが原因となって亡くなった方の数は8月1日午前0時現在で1011人だそうだ。もちろん海外に目を向けると、例えばアメリカでは16万人弱の方が亡くなっており、そうしたことを軽視するべきではないし、日本の1011人の皆様についてその死を決して軽んじてはいけないのだが…それでも1011人という数字を冷静に見つめなければならないだろう。アメリカの人口は3.3億人弱で、コロナで亡くなられた方の割合は約0.04%。一方、日本では人口1.3億人に対して1011人で、0.001%にも満たない。それをゼロに近づける努力はもちろん必要だが、それが行き過ぎてしまうと、癌や自殺など、コロナよりもはるかに多い死因とされるものが「見えなく」なってしまいかねない。参考までに、2016年度までのデータを反映した厚労省の「日本の一日」という資料によると、日本の1日の死亡者数は3573人だそうだ。しかも、自殺は60人。1日で、だ。

未知のウイルスだけに、どう対処するのが正解=bestか分からないというのが実際のところ。どうなるか予想がつかない面もあるため、用心するに越したことはない。しかし、いたずらに恐怖心を煽れば、何らかの形でそのつけは回ってくる。

したがって、CLEARでは…
●お子様の入室時の消毒
●机・椅子・ドアノブ等の共用部分の消毒
●定期的な換気
●お子様・講師いずれも全員マスク着用
という基礎的な感染予防策を引き続き徹底したうえで、国や自治体の意向に基づき対応してまいります(休業要請等がなされれば臨時休講またはオンライン指導への切り替え)。ただし、ご家庭内において感染が疑われる方がいらっしゃる場合、また、お子様ご自身が倦怠感や発熱など著しく体調を崩されている場合は、登塾をお控えいただきますようお願い致します。なお、神奈川の感染者の多数は横浜を中心とした県東部に集中しており、ここ小田原を中心とする県西部を一律に考えるのは妥当ではないと考えておりますので、信憑性のある情報をきっちりと精査しながら、必要な措置を講じてまいります。