公立高校入試までのカウントダウン、開始…!!!

神奈川公立入試まで100日を切った。
決戦の日までのカウントダウンが始まる。

中3受験生に心得ておいてほしいことが2つ。

◆入試は相対評価
入試は学校の成績とは全く異なるもの。
定期テストで○○点以上取れれば4や5がほぼ間違いないというように、○○点以上取れれば合格が確約されるような絶対評価ではない。問題の難易度、受験生の学力、そして競争率によって合否のボーダーは変わる。そう、入試は相対評価だ。
ならば、自らの天井を決めることなく、昨日より今日、今日より明日…。
限りなき高みを目指せ。

◆想いと努力と
想いは全て成就するか?
努力は必ず結実するか?
答えは、否だろう。
この期に及んで精神論やキレイゴトを並び立てるつもりはない。けれども、何かを成し遂げた者というのは皆、すべからく強き想いを宿し努力しているものだ。
成就するか分からない、結実するという確約もない、それでも努力するからこそ、そこに価値がある。
合格であっても不合格であっても、
合否を通知する一枚の紙が、
ただの紙切れ一枚になるか、
人生の大切な一枚になるか、
全ては自分次第。

道=未知を切り拓くは、信念・努力・勇気。
共に戦うぞ、CLEAR第8期生。

決戦まで、あと…
99日!

公立高校入試の新制度について改めてまとめてみた

「面接廃止によって神奈川公立高校の入試はどうなる?」の記事がいつも閲覧されているようなので、やはり関心をもたれている親御様や受験生自身も多いのではないかと思い、改めて新制度入試について過去記事を引用して説明していきたい。

ポイントは2つ。
「全員一律の面接廃止」、
「調査書の『主体的に学習に取り組む態度』の活用」。

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全員一律の面接廃止

全員一律の面接が廃止され、選抜方法が以下のように変わった(県教委HPより抜粋)。

第1次選考はS1の点数に基づいて選考する。これまでのS1の満点は面接点を含めて1000点だったため、調査書と学力検査の比率(上記のfとg)は最大6までだった、けれども、新しい入試制度では「8」まで設定することが可能となる。つまり、以下のいずれかの比率となる。

・調査書2:学力検査8(学力超重視型)
・調査書3:学力検査7(学力重視型)
・調査書4:学力検査6(学力やや重視型)
・調査書5:学力検査5(バランス型)
・調査書6:学力検査4(内申やや重視型)
・調査書7:学力検査3(内申重視型)
・調査書8:学力検査2(内申超重視型)

上位校であれば学力重視型の傾向にあり、下位校であれば調査書重視型の傾向にあるのはこれまでの選考基準でも明らかなところ。受験生はこの数値をしっかりと認識しておく必要がある。

●「主体的に学習に取り組む態度」の活用

第2次選考はS2の点数に基づいて選考する。これまでの選抜方法では第2次選考は学力検査と面接の結果(特色検査を実施した場合はそれを加えた結果)によって選考を行ってきた。そこでは調査書は使用されなかったが、新しい入試制度では第2次選考においても調査書に記載されている観点別評価の「主体的に学習に取り組む態度」が活用される。つまり、調査書の重要性が増すことになる。

・調査書2:学力検査8(学力超重視型)
・調査書3:学力検査7(学力重視型)
・調査書4:学力検査6(学力やや重視型)
・調査書5:学力検査5(バランス型)
・調査書6:学力検査4(主体性やや重視型)
・調査書7:学力検査3(主体性重視型)
・調査書8:学力検査2(主体性超重視型)

「主体的に学習に取り組む態度」が点数化され選考に使用されるのは、業界内では本当に物議を醸している。これは客観的かつ統一的な評価が難しいため、評価する側(学校の先生)の主観が多分に含まれることは否定できず、極めて不透明な選抜になりかねないからだ。少し言い方は悪いけれど、「先生に気に入られている子」だけが有利になってしまうようなことがあってはならない。

では、これまでの内容を、実際の高校に当てはめて具体的に見てみよう。

●第1次選考の具体例

弊塾の中3に関わると思われる高校をピックアップして説明していく。
例えば、小田原と平塚江南。いずれも、旧学区トップ校で進学重点校エントリー校だ。選考基準におけるこれら両校の違いは次のとおり。
【小  田  原】内申4:入試6:特色検査1=計1100点満点
【平塚江南】内申3:入試7:特色検査1=計1100点満点

小田原よりも平塚江南の方が学力重視。これがどう合否に影響してくるのか?具体例を示してみたい。

たとえば、小田原高校を受験する内申108のAさん内申120のBさんがいたとする。学力検査前の両者の持ち点は以下のとおり(小数点以下切捨)。
A:108×100÷135×4=320
B:120×100÷135×4=355
次に、両者の学力検査の得点を、Aさん420点Bさん400点と仮定すると、学力検査における両者の持ち点は以下のとおり(小数点以下切捨)。
A:420×100÷500×6=504
B:400×100÷500×6=480
ここまでの両者の総得点がこちら。
A:320+504=824 / 1000点満点
B:355+480=835 / 1000点満点
この時点ではBさんが上位。Aさんが逆転するには特色検査でBさんより12点以上上回る必要がある。とはいえ12点であれば、2~3問正答数を上回れば逆転できてしまう。

一方、そのAさんとBさんが小田原高校ではなく平塚江南高校を受験したとすると、学力検査前の両者の持ち点は以下のとおり(小数点以下切捨)。
A:108×100÷135×3=240
B:120×100÷135×3=266
次に、両者の学力検査の得点を、Aさん420点Bさん400点と仮定すると、学力検査における両者の持ち点は以下のとおり(小数点以下切捨)。
A:420×100÷500×7=588
B:400×100÷500×7=560
ここまでの両者の総得点がこちら。
A:240+588=828 / 1000点満点
B:266+560=826 / 1000点満点
今度はこの時点ではAさんが上位。まさに逆転現象が起こったということ。あとは特色検査の出来次第。

ここまでで分かるとおり、内申10点程度の差(とはいえ内申10点の差って“成績”で追いつくにはかなり大変)は、学力重視の高校なら学力検査次第で十分に逆転可能。20点ほど上回ればいい(1問4点や5点がほとんどのため正答数なら5~6問)。特に特色検査のある高校ならさらに逆転は起こりやすいだろう。

参考までに、各比率における内申1点に相当する入試の点数はこんな感じ。
①内申3:入試7⇒約1.6点
②内申4:入試6⇒約2.5点
③内申5:入試5⇒約3.7点
④内申6:入試4⇒約5.6点
⑤内申7:入試3⇒約8.6点

●第2次選考の具体例

ではこれまた弊塾の中3に関わりのある西湘高校を例にとって説明していこう。
たとえば西湘高校の第2次選考基準は「学力検査8:調査書(観点)2」。XさんとYさんが受験したとする。
Xさん:「主体的」観点オールA(27点)/学力検査320点
【学力検査】320×100÷500×8=512
【調査書】27×100÷27×2=200
【合計点数】512+200=712
Yさん:「主体的」観点オールB(18点)/学力検査350点
【学力検査】350×100÷500×8=560
【調査書】18×100÷27×2=133
【合計点数】560+133=693

従来の入試制度なら圧倒的にYさんが有利。そりゃそうだ、学力検査で30点も上回っているのだから。ところが新制度ではどうだろう。学力検査で30点も下回っているにもかかわらずXさんの方が有利になるのだ。全ては「主体的に学習に取り組む態度」によるもの。これまでのような入試一発勝負が難しくなったワケはここにある。とはいえ、この主体的云々は、定期テストのような客観的な数字による評価が難しく、評価する側の主観に左右されてしまうのが実際のところだろう。授業に臨む姿勢や提出物関連の精度(期限もナカミも)等がこの評価に大きく関わるところだからだ。だから、「第2次選考の“闇”」なのだ。「先生に気に入られた者勝ち」があってはならない。

ちなみに、多くの高校が上記の「学力検査8:調査書2」の比率で、次いで7:3が多い印象だ(「専門学科・コース」などは除く)。その中にあって、6:4の高校がある。

藤沢西高校だ。

湘南地区にある藤沢西高校は、毎年人気の集まる高校の一つ。弊塾からも何名か進学している。比率8:2でさえ観点別評価次第では「入試でいくら点数を取っても…」であるのに、それが6:4ならなおのこと。たとえ成績に4や5が並んでいても、「主体的に学習に取り組む態度」がトータルで低くては、たとえ入試で頑張っても報われなくなってしまう。ただ、藤沢西高校はそれだけ、積極的に学ぼうとする生徒が欲しいということ。高校のカラーが如実に表れていると見て取れる。

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ここまで読んでいただきありがとうございました。
ご参考にしていただけましたら幸いです。

高校生eトレFREEの風景

土曜日は高校生限定のeトレFREE開講日。
原則としては任意受講だが、中にはこちらが指名して半強制的に受講している子も(笑)。

eトレの優れているところは、現代文を除き全ての科目を、基礎基本から受験レベルまで習熟度に応じて学習できる点だ。

物理

世界史

古文

漢文

高3は程なく本格的な受験シーズンが到来。
ガンバレ受験生!!!!!

38.4

38.4

これは何の数値かというと、弊塾中3の前期成績の平均値(分母45)。2~3教科が5で他が4みたいな感じ。内申点として換算すれば115.2。近隣の高校でいえば、秦野や茅ヶ崎北陵(いずれも旧学区トップ校)を目指すのに妥当な成績と言える。
立派な数値だと思う。全ては子どもたち一人ひとりの努力に他ならない。手前味噌ながら、この学年はみな真面目でコツコツとガンバル、自慢の子たちだ(授業中は厳しいことをアレコレ言うけどね)。“魔法の赤ボールペン”の消費量からもそれがうかがえる。

ただそれだけではない。まず欠席がほとんどない。いかなる理由であっても、だ。インフルエンザが猛威を振るっている今も欠席は0。本人自身の体調管理もさることながら、親御様のご理解・ご協力に感謝。もちろん講習期や定期テスト前など、イレギュラーな授業日程が組まれているときも例外なく欠席は極めて少ない。また、時間もキッチリと守り、宿題や持参物忘れも極々まれにあるくらい。生活習慣とも言うべきか、こういう基本的な姿勢が学業成績にも表れているように思う。

で、本題。

そんな中3は約1週間後に迫った第3回定期テストで内申点が確定する。まさにココイチバンのときだ。そこで、内申点確定前後の過去3年間の中3成績を振り返ってみたい。

過去3年間の中3成績平均値の推移(前期⇒後期)を見てみると(後期は内申点に関わる第3回定期テストまでの成績で試算)…

●2022年:39.1⇒40.0(+0.9)
もともとオール5の子が複数名のため上げ幅は小。
●2021年:36.7⇒38.5(+1.8)
今年の中3に似ていて真面目な子が多かった印象。
●2020年:35.7⇒37.8(+2.1)
学力差が顕著だった学年で5段階UPした強者も。

前期から後期にかけて平均+1.6のアップ。ちなみにこのCLEARを始めた2016年から今までにおいては、ダウンした子は一人もいない。みな、アップか現状維持。これらから何が推測できるかというと、

後期の成績は上がりやすい傾向にある

ということだ。前職の頃からもそうだったが、これまで内申点に関わる最後の成績がグンと伸びた子を何人も見てきた。たまたま担当させてもらってきた子たちがそうなのか、あるいは前期は辛く後期は甘く、という学校の方針なのか…。まぁ、実際のところは学校の先生にしか分からないことではあるけれど、あくまで客観的データだけ見ればそう思っても不思議ではない。ともすれば、現中3がどれだけ伸びるか…と決めつけるべきではないのだが。

泣いても笑っても定期テストまであと1週間足らず。
燃えよ!中3受験生!!!

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要するに「学力向上進学重点校」って何?

地元の小田原高校が2024年度以降の学力向上進学重点校に指定されたことを受け、ここで改めて「学力向上進学重点校とは何ぞや?」について述べていきたいと思う。

そもそも「学力向上進学重点校」とは?

将来のリーダーに求められる資質・能力を育むことができるよう、主体的、総合的、探究的な学びをとおして、様々な教科等で身に付けた資質・能力を活用して課題を解決する思考力・判断力・表現力等の育成に取り組み、希望する進路の実現を図ります。(県教委HPより)
学習指導を通じて、将来のリーダーたる資質を育てるという、まさに崇高な理想を掲げる学校群といったところだろうか。

学力向上進学重点校の歩み

2007年
学力向上進学重点校(以下、重点校)の歴史は2007年にまでさかのぼる。その最初の重点校がこの10校だ。
湘南 / 横浜翠嵐 / 柏陽 / 小田原 / 光陵 /
多摩 / 横須賀 / 鎌倉 / 横浜国際 / 平塚江南
ほとんどが旧学区トップ校。いずれも伝統ある進学校が指定された。厚木が入っていなかったのが今思えば不思議。

2010年
その後の2010年に、次の8校が加えられ18校となった。
川和 / 希望ヶ丘 / 横浜緑ケ丘 / 追浜 / 秦野 /
厚木 / 大和 / 相模原

2013年
その18校が再指定され、その中でも横浜翠嵐と湘南はアドバンス校となり、重点校の牽引校ともいえる役割を果たした。
湘南 / 横浜翠嵐 /
柏陽 / 小田原 / 光陵 /
多摩 / 横須賀 /
鎌倉 / 横浜国際 / 平塚江南 /
川和 /
希望ヶ丘 / 横浜緑ケ丘 / 追浜 /
秦野 /
厚木 / 大和 / 相模原

2016年
これまでの指定は一旦終了し、以下の17校が「エントリー校」という位置付けに。横浜国際が指定から外れたのが意外だったな。
湘南 / 横浜翠嵐 / 柏陽 / 小田原 / 光陵 / 多摩 /
横須賀 / 鎌倉 / 平塚江南 / 川和 /
希望ヶ丘 /
横浜緑ケ丘 / 厚木 / 大和 /
相模原 / 横浜平沼 /
茅ヶ崎北陵

2018年
改めて以下の基準で上記エントリー校の中から重点校を指定することとした。
①主体的・協同的な学びの教科指導を展開し、高いレベルの能力育成のため、達成するべき学力水準を示している。
②県教委実施の生徒学力調査の結果により、高い学力が身についている。
③生徒の7割以上が、在学期間中に英検2級程度以上の高い英語力を取得している。
④全国規模の大会の取り組みなど、学校の教育活動全体を通じて、豊かな人間性や社会性を育み、その成果をあげている。
⑤難関大学への現役進学に高い実績をあげている。
理念を具体的に示したような感じ。個人的には③⑤がポイント。やはり英語力の向上に力を注いでいて、それを大学進学の実績に繋げようとする思惑か。で、指定されたのが以下の4校
横浜翠嵐 / 湘南 / 柏陽 / 厚木
※横浜翠嵐と湘南は2017年に先行指定

2021年
川和が追加指定され5校になり、エントリー校も横浜国際が再指定され13校に。
●重点校
横浜翠嵐 / 湘南 / 柏陽 / 厚木 / 川和

●エントリー校
小田原 / 光陵 / 多摩 / 横須賀 / 鎌倉 /
平塚江南 /
希望ヶ丘 / 横浜緑ケ丘 / 大和 /
相模原 / 横浜平沼 / 茅ヶ崎北陵 / 横浜国際
ちなみにこれら重点校及びエントリー校の中には、文科省によるSSH(スーパーサイエンスハイスクール)、神奈川県による理数教育推進校に指定されている高校が多い(小田原、多摩、平塚江南、希望ヶ丘、横浜緑ヶ丘、鎌倉、厚木、相模原)。

2024年
で、2024年度以降の重点校がこれらの8校。
横浜翠嵐 / 湘南 / 柏陽 / 厚木 / 川和
横浜緑ヶ丘 / 多摩 / 小田原
横浜緑ヶ丘、多摩、小田原が加わり8校に。ちなみにエントリー校は取り組み状況や成果によってその指定が取り消される可能性もあるため、まだはっきりとは分からない。来春改めて指定されるとのこと。なお、↓が上記8校の直近の難関大学合格実績。一通り各校の実績には目を通したけれど、横浜翠嵐や湘南を除けば、国公立では厚木に一定の強みがあるような気がする。

重点校は他校と何が違う?

●予算が他校より多い
重点校には重点校にふさわしい人員と予算が配備されている。大学進学に向けてより一層の教育環境の充実を図るため、優秀な教員を多く配備したり、ICT環境を優先的に整えたりすることができる。

●重点校同士の交流がある
重点校同士、特に英語学習についての交流が盛んらしい。重点校の生徒同士あるいは教員同士による即興型英語ディベート大会を開催したり、海外リーダーシップ研修として海外の大学を訪問したりというプログラムもあるそうな。

で、結局のところ重点校って?

難関大学の現役合格に向けて学習環境がより一層整備された学校で、特に英語力向上に力点を置いている(SSHや理数教育推進校は理系科目にも)、と言えそうだ。

重点校の魅力とは?(個人的意見)

確かに予算や学習環境が他校よりも整えられているのは魅力的ではあるけれども、そのようなハード面より、やはり「そこに集う生徒」=ソフト面、にこそ魅力があるように思う。多感な青春期、高い志をもった者同士が切磋琢磨できる経験というのは、一生モノの財産ともなるにちがいない。どこそこの名門大学に進学しているとか、偏差値の高い難関大学に合格しているとか、そんな結果云々よりも、そこに向かう過程における自己研鑽。そういう経験こそ貴く、生きる力を育むものだ。

最後に
とは言え重点校が絶対などでは決してない。高校時代の3年間というのは、大人になってからの3年間とはワケが違う。高校が目指している方向性、校風、そして、卒業後もしっかりと見据えたうえで、何を学び、どんな経験をし、それらをどう進路に繋げていきたいか、どんな3年間にしたいか、あらゆることを総合的に考えた志望校選択を。

“最後の”定期テスト

中3受験生にとって、内申点を決するという意味では事実上の“最後の”定期テストが近づいてきた。

内申点の確定=公立高校入試(学力検査)に向けての持ち点が決まる、ということ。また、私立高校のおいては単願あるいは併願、いずれもその可否が決まるということ。第一志望合格に向けての、まさにココイチバンのときだけに、子どもたちはもちろん、我々もいつも以上に熱が入る。

テスト範囲までの学習は終え、今は演習による得点力強化期間。言わずもがな、点数を取るためには練習=アウトプットをどれだけ重ねられるかがカギ。机間巡視をしながら個々の取り組み、習熟度を注視する。

「ふむふむ、この様子なら大丈夫そうだ。」
「…う~む、少し理解が足りていないか?」
「…むむむ…!基礎基本からやり直しか?」

…とアレコレ思いつつ、子どもたちそれぞれに助言をしたり、時には気合い注入(?)したり(笑)。

毎年のことながら、この中3の“最後の”定期テストにおける英数はいずれも厄介だ。英語は関係代名詞や分詞、数学は二次関数や相似、いずれも苦手な子にとっては鬼門ともいえる単元がズラリと並ぶ。とはいえ入試必出かつ差がつくところでもあるため、それも意識して取り組ませる。ウルトラCなどない。こればかりは練習量がモノを言う。解きまくるのだ、それこそ滝に打たれるがごとく(汗)。

そんな“最後の”定期テストまで、
ナンダカンダで2週間を切っている。
「次はガンバル」は通用しない。
中3受験生、
Fight with your back to the wall!!!

楽習(ガクシュウ)タイム

北陸地方の県を一つも答えられない高校生、
イギリスや中国の首都を知らない中学生、
福岡県がどの地方にあるのか分からない小学生。

弊塾には少数だが、こういう子どもたちがいるのも現実(汗)。どうにかならんものかとず~っと悩んでいたところ、一つ試してみたいことをカタチにしてみた。

『どこでもドラえもん日本旅行ゲーム5』
ボードゲームを通じて学習しようという試み。
覚えることの多い社会は苦手とする子が多いのもホントのところ。覚える⇒つまらない⇒勉強しない、という悪循環。ならば楽しみながら覚えてみようということだ。このすごろく、日本と世界を旅行しながら各地の名所や名産を学べるというもの。

試しにeトレの時間を使って実践してみたところ…

盛り上がる×2(笑)。こちらの予想を上回るほどの盛況ぶり(汗)。

ふつうにコマを進めるか、または列車を使うかフェリーを使うか、はたまた飛行機を使って進めるか。もちろんただでは乗れないため、どのように“お金”を使うかも攻略のポイントになる。けっこう頭を使う仕様になっている。

デジタルゲームが主流の現在だが、このようなアナログゲームも面白いものだ。子どもたちの反応から、定期的に開催することに。名付けて「楽習(ガクシュウ)タイム」…センス悪…(汗)。次回は11月中旬~下旬に行おうと思う。

目標は小学生のうちに日本や世界に関わる基礎知識を身に付けること。
ガンバレ!小学生!!!

教科書を大事にせよ

勉強するときに、参考書なるものはその使い方によってはとても役に立つものだ。しかしながら、参考書は文字通りにあくまで参考にするための書籍であるということを忘れてはならない。

基本は教科書だ。最近の教科書は本当に良く出来ていると思う。当たり前のことだが、公立高校の入試においては、教科書に記載されていないことは出題されないわけで、それはまた教科書に記載されていることは出題されるということでもある。とにもかくにも教科書の内容をキッチリと自分のモノにすることに努めよう。

参考書をやたらと買い求める子は、得てして教科書を蔑ろにしていることが多い。なぜか?読むのが面倒くさいからだ。ちゃんと読めば分かりやすく書いてあるにもかかわらず読もうとしないから授業内容を理解できない。理解できないから勉強しようとしない。勉強しようとしないから結果として成績も振るわない。そして、参考書に頼ろうとする…のだが、そもそも教科書をちゃんと読もうとしない子が、教科書よりも詳しい内容が書かれている参考書を読もうとするだろうか

一方、私立高校の入試などでは、公立中学校の授業では扱わないような問題も出題されるため、教科書だけでは心許ない。ただ、教科書ありきの参考書だ。また、大学入試も然り。同じく私立大などでは教科書だけでは到底太刀打ちできない問題もワンサカ出題されるので、参考書は必携だろう。少し補足をすると、旧学区トップ校などの上位高校なら、大学入試を意識した教材を使っていることが多いため、基本的には学校の教材で事足りるだろう。しかし、下位高校では正直それが難しい。中学内容の復習が多くを占めていたり、大学入試に対応できるだけの問題を扱っていなかったりするからだ。そういう場合はやはり市販の参考書や問題集を買いそろえたほうがいい。

ちなみにこちらは県内某私立高校の英語入試問題の一部。中学英語では習わない文法や単語もあり、普通の中学生にとっては読むのにかなり苦戦する。

そしてこちらも同私立高校の数学入試問題の一部。「分散」という高校数学の用語も。

たとえ私立であっても、まずは教科書が土台。それを蔑ろにして片っ端から参考書やら問題集やらに手を出しても学習効果は望みにくい。
くれぐれも忘れることのないように。

神奈川公立高校入試の英語で80点以上を目指すには

このブログでもしばしばテーマにさせてもらっているけれど、神奈川公立高校入試の英語は安定の難しさと言っていい。

とい言うのは、上の表からも明らかなように現行の入試制度になってから、5教科の中で唯一、合格者平均点が60点を超えていないのが英語だからだ。特に2016、2019、2020年度では50点を下回る難度。また、業界で物議を醸した2014や2015年度の理科も凄まじかったけれど(汗)。ちなみに難易度の推移から、今年度の国語は間違いなく難化するだろうな。

とは言え、横浜翠嵐や湘南を始めとする県下のトップ校なら90点台、小田原や平塚江南といった地域のトップ校なら80点台が合格するための絶対条件ともいえるのが英語だ。理科や社会は難易度の変動が著しく、また、数学はたとえトップ校でも80点台が極めて難しいのが近年の傾向。ゆえに、トップ校受験者にとっては英語+国語で稼いでいかなければならない。

そのためには、配点の高い読解問題(問6~問8)にどれだけ時間をかけられるかが勝負になってくる。これら読解問題に30分は費やせるような時間配分でトレーニングしていくべきなのだが、そこで厄介になってくるのが語順整序(並べかえ)と条件英作文だ。これまたかなり難度が高く、毎年受験生を悩ませる。以下に少しその例を。

問4(語順整序 ※1語不要)

2023年度

(ウ) Eri, ( 1.have  2.we  3.milk  4.are  5.any  6.do ) left in the bottle?
【答】Eri, ( do we have any milk ) left in the bottle?
分詞の後置修飾⇒「瓶に残っていた牛乳」に気づけたかどうか。leftが過去分詞と気づけても選択肢にhaveがあるため現在完了形と勘違いしてしまう受験生もいたかも。
(エ) Don’t ( 1.afraid  2.asking  3.be  4.to  5.questions  6.of ) if you have something you don’t understand.
【答】Don’t ( be afraid of asking questions )if you have something you don’t understand.
前置詞+動名詞⇒ofに続く形が名詞のカタマリ(動名詞)に気づけたかどうか。この<前置詞+動名詞>は近年頻出パターンの一つ。

2022年度

(ウ) I’d like to buy a new computer, but I can’t ( 1.should  2.I  3.one  4.to  5.which  6.decide ) buy.
【答】…but I can’t ( decide which one I should ) buy.
間接疑問文⇒should I~としないように。またdecide to~を誘発するような問題構成もヤラシイ。あと<which+名詞>も意外とできない子が多かったのでは。
(エ) But I ( 1.better  2.wish  3.were  4.I  5.could  6.at ) playing it.
【答】But I ( wish I were better at ) playing it.
仮定法+比較級⇒個人的には近年で最高難度。be good at~ingは知っていても、このgoodを比較級で使うことに慣れている受験生は希だったのではなかろうか。それに仮定法まで加わっているため難儀。

問5(条件英作文)

2021年度


【答】How many students watch movies…?
★実は中1レベルの問題。でも正答率が低かったのは、<how many+複数名詞>を主語として使うのには慣れていないから。おおくの受験生がHow many students do…と書き出したのでは?

2018年度


【答】When will it be returned?
★<助動詞+受動態>の疑問詞付き疑問文。ただでさえ疑問詞を伴う受動態の疑問文は間違えることが多いのに、それに助動詞まで加わっている。

このように問4や問5には、80点~90点台を阻むような難度の問題が随所にある…が、トップ校に合格するためには越えなければならないハードルだ。数秒考えて答えを導けそうになければ思い切って飛ばすのもアリ。とにかく読解問題群には30分を費やし、そこで稼ぐことを優先しよう。

ガンバレ!中3受験生!!!