「主体性」は大事。でも…

現行の学習指導要領における評価基準は以下の3つの観点から構成されている。

①「知識・技能」
話合いや実践活動における意義の理解や基本的な知識・技能の習得ができているかどうか。
②「思考・判断・表現」
習得した基本的な知識・技能を活用して課題を解決することができるかどうか。
③「主体的に学習に取り組む態度」
目標をもって粘り強く話合いや実践活動に取り組み,自らの活動の調整を行いながら改善しようとしているかどうか。

近年、幅を利かせるようになったのが。簡単に言えば、子どもが自ら進んで学習しているかどうかというもの。そのため、主体性を重視するあまり、特定の宿題を出さない、テストをしない、習熟度が悪くても補習なり居残りなりといった指導をしない、というような学校が増えたように思う。ただその結果として、基礎学力の著しい低下が進み、いわゆる「やる子はやる、やらない子はやらない」という現実が、学力格差に拍車をかけた。

主体的に取り組める子の多くは基礎学力が備わっている傾向にある。理解できている、知識があるから、それなりに進んで取り組む。一方、主体的に取り組めない子の多くは基礎学力が備わっていない傾向にある。理解できていない、知識が足りていないから、進んで取り組めない。

かつては、学校の先生が半ば強制的にでも子どもを最低限のレベルまでは引っ張り上げたものだった。そのときの子どもは嫌がっただろうけれど、結果として学習に著しく困ることはなくなり、社会に出ても恥ずかしい思いもせずにすんだ。

あくまで持論だけれど、殊、学習活動においては、やはり基礎学力は反復練習なりテストなりを通じて、きちんと身につけさせるべきだ。それが出来て初めて主体的に学習に取り組んでいるかどうかを評価できるのではなかろうか。

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