自分らしさ?自分探し?

若者の早期退職。別に今に始まったことじゃなく、「そりゃそうだよな」ってのももちろんあるけれど、近年は理解に苦しむものも増えたような…(汗)。以下のリンクはそんなことを考えさせられる記事。

▇自分らしく働きたいので辞めます」連休中にLINEで退職届を提出するZ世代!会社側が「モームリ」と言いたくなる事情【専門家解説】

▇「入社1日で退社する若者」が持っておいたほうがいい視点を養老孟司さんが語る

自分らの世代はいわゆる就職氷河期世代で、今のような“売り手市場”ではなく、完全な“買い手市場”だった。時代が違うと言ってしまえばそれまでだが、少々の理不尽にも耐えてきたことも(汗)。でも、よく言えば、そのおかげで仕事に対する耐性が身についたような気もする。

仕事というのは、自分のやりたいことの前に、まず市場の需要ありき。自分のやりたいことをやるためには、やりたくないこともやらざるを得ない場面なんて山ほどある。でも、そういう経験を積むことで、様々なスキルが身につくのも事実。賛否両論あるだろうけど、就職氷河期を乗り越えてきたオジサンとしては、そう思えてならない(笑)。昔の価値観や常識を押しつけてはいけないが、社会人としてもう少し責任ある立ち居振る舞いが必要じゃないかなとは思う。

「自分らしさ」「自分探し」。正直こういう言葉はあまり好きじゃない。自由気ままに好きなように…は理想(?)かもしれないけど、多かれ少なかれ皆、何らかのストレスや制限を感じながら生きているものだ。でも、ストレスや制限があるからこそ試行錯誤し、良くなろうと人は努め、個を磨いていくはず。「自分らしさ」「自分探し」、もっともらしい言葉を並べて自己を正当化しているに過ぎないと感じてしまう。だから、こういう言葉はどうも好きになれない。言い訳がましく聞こえてならない。誤解を恐れず言えば、「自分ファースト」ととも取れる言動。結構なことだが、それには覚悟と責任とが伴うというのを棚に上げてはいけない。

それなりに長くこの業界で働かせてもらっているけど、現場で子どもたちと接していると、この耐性という点で心配になることもある。十年一昔とはよく言われるけど、ホントにここ十数年で子どもたちの耐性が著しく失われていっているのを肌で感じている。「え?そんなことで?」というようなことでも「ムリ…」「キツい…」と、踏ん張りの利かない子が増えたこと×2(汗)。職を転々としたり、いつまで経っても親のスネっかじりだったり…なんて「大人になったらこの子は“ちゃんと”していけるのだろうか」と、たかが一塾講師ながらお節介にも思ってしまうわけで…。
そうならぬためにも、批判を覚悟のうえで言わせてもらうと、甘やかしすぎな親御様は改めるべきです。子どもには多少のしんどい思いや不便さを経験させなければいけません(前職時代からそのことで親御様とは何度か衝突もしましたが…汗)。

人生は喜怒哀楽の連続。嬉しいときもあれば悲しいときもある。希望に胸を躍らせることもあれば絶望に突き落とされることもある。楽あれば苦ありだ。大事なのは、苦しいとき、思うようにいかないとき、どういう自分でいられるか。仕事、勉強、部活、人間関係…何をどうやっても上手くいかないときってのは必ずあるもの。そんなとき、どういう自分でいられるかがその人の人間力のような気がする。

心身に支障をきたすような、いわゆるブラック企業というのは現実としてある。そんなところからはとっととオサラバするべきだが、そうではないときは、多少のことは我慢をし、社会人として、大人としての自覚と責任とをもって踏ん張ってもらいたいというのが本音。

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