「分からないことは何でも先生に質問しなさい」
実はこのような考えには少し否定的だ。
前職時代のこと…。
勉強が苦手な子につきっきりで教えていたことがある。叱咤激励しつつ、質問には何でも答え、分からないことは全て教え、躓かないように躓かないように…。するとどうだろう。目の前の定期テストや学校の成績ではそれなりの成果が上がるものの、受験では全く歯が立たない、自分で進路を決められない…というような状況になってしまった。
塾講師として駆け出しだった頃、とにかく手取り足取り対応することがその子のためになると信じて疑わなかった。でも、それは間違っていた。大人が先回りしてアレコレとお膳立てをしすぎると、子どもは自分で考えなくなる。少し想定外のこと、ちょっと困難なことに直面すると、途端に思考停止してしまい、前進できなくなってしまう。与えられなければ何もできないという状況。まさに、教えすぎの弊害を実感した。
とある親御様との面談の際に、
「テストの点数や成績も大事なんですけど、それよりも、私たち親がいつまでも子どもの側にいるわけではなく、いつかは自立していかなければならないので、自分で自分の道を決め、たくましく進んでいける子になってほしいです。」
そんなことを言われたことがある。そのときからだろうか、テストの点数や成績を追いかけるのは塾として当然の責務なのだが、それを成すためには、根っこが大事であると意識するようになったのは…。根っこ=人間力だ。
●自ら課題を見出し解決していく力
●逃げずにきっちりと完遂できる力
●計画・実行・改善を繰り返せる力
こういう力を身につけることが、先の親御様の願いにもつながるのではないだろうかと思うようになった。点数や成績、偏差値を追いかけ、数字さえ良ければいいという考えから、そのような取り組みを通じて、人間力を向上させていきたいと…。
だから、「分からないことは何でも先生に質問しなさい」には少し否定的。まずは自分でとことん考え、調べさせることを優先する。自分の意思を持つ、自分で試行錯誤する、自分で決める…、たとえ望む結果にならずとも、全てが生きる力に繋がる、そう信じながら。
もちろん様々な考え方・塾があるわけで、これが正しい・最も良いなどとは決して思わない。ただ、子どもたちを導くうえで、CLEARはこういうことを大事にしている塾であるということ。そんな塾に大切な我が子を託してみたいと思ってくださる親御様にとっては、最強の塾でありたいと思う。