先々週から先週にかけては、保護者様との面談期間だった。
お子様の塾でのご様子のご報告、学習面に関するお話し合い、そして、保護者様の想いをお聞きするための大切な時間。ご多忙の折、足をお運びいただきました保護者の皆様、貴重なお時間をありがとうございました。
さて、前職時代を含めると俺も武山も幾度となく行ってきた保護者面談。生徒を多く抱えていたときは、それこそ朝から晩まで一日に20件近く。話しが長引いて1時間や2時間になってしまうこともあったり…(^^ゞ厳しいお叱りをいただいたこともあるし、学習姿勢や素行面によりこちらから退塾処分をお伝えしたことも。無理難題なことを言ってこられる、いわゆるモンスターペアレント(?)的な方もいれば(^^ゞ、こちらが恐縮してしまうぐらい塾にご理解やご協力を示してくださる方も。ただ、いずれも共通して感じるのは、「我が子への想い」。
曲がったことや筋の通らないようなことが大嫌いな性分ゆえに、保護者様と対立することもあったのだが、その中でも強烈に記憶に残っているのが今から15年ほど前のある出来事。
ある日、「塾で子どもがいじめられている」という相談を受けた。よくある相談の一つだ。いじめをしていると思われる名前が2名挙がった。事実をはっきりさせるため、いじめている[と思われる]側(A、Bとする)、いじめられている[と思われる]側(Cとする)、当事者双方の話しをじっくり聞いた。もちろんその経緯を双方の保護者様にも伝えながら。けれども、いじめの存在を決定づけるものがなかった。AやBがウソをついているのか、あるいはCの被害妄想なのか…。どうにも解決が難しかった。するとCの父親が業を煮やしたのか、A、Bと話しをさせるように言ってきた。俺は悩んだ。彼らは中学2年生、相手は面識のない大人、しかも我が子をいじめていると決め込んでやってくるのだ、相対してまともに話し合いなどできるわけがない。しかし、Cの父親を説得するのは難しく、意を決して話し合いの機会を作ると約束した。
話し合いの当日、Cのご両親が来られた。予想通り父親は、相手の子どもたちを詰めた。AもBも必死に否定するも詰問が続いた。それこそ裁判にでもかけられているようで、ついには彼らは泣き出してしまう始末。我慢ならなかった俺は、つい語気を強めて言ってしまった。
「こいつらはやってません!」
この期に及んで彼らがウソをついているようにはどうしても思えなかった。その後、さまざまな問答が続いたと思われるが、必死さのあまりどんなやりとりをしたか今となってはもう覚えていない…。
とても納得できるものじゃないという様子でご両親は帰られ、程なくCは塾を辞めてしまった…。
今でも真相は分からない。そして、自分の判断が正しかったのか間違っていたのかも分からない。ただCの父親の気持ちも理解できる。何を置いても大切な我が子を守ろうとする親の想いとはそういうものだろう。でも当時は、教え子のAやBを守るのにただただ必死だったことは覚えている。もちろんCも大切な教え子なのだが、詰め寄られ涙する彼らをそのときは放っておけなかった。
そんなAやBだが、先月だったか先々月だったか、偶然ばったりコンビニで再会。「長谷川先生!」と突然声をかけてきたのはAだった。あの頃と全然変わっていない^_^。しばし立ち話をしてお互い帰路についたのだが、元気そうで何よりだ。
Bは何してるかな、
もちろん、Cも…。
元気でやってくれているといいな。
画像はCLEAR卒塾生(第7期生)Mによる似顔絵(^_^)