中3英語は一つの山場ともいえる関係代名詞に入った。
塾では、主格で1回、目的格で1回、主格&目的格の総復習で1回と、計3回で関係代名詞を教えることにしている。中学校で学ぶ関係代名詞は、that、who、whichのため、これらを一つひとつ取り扱うなど、教え方はさまざまだ。ちなみに我々が中学生の頃は所有格まで学んでいたため、これらにwhoseも加えられていた(個人的にはこれがいちばん苦手だった…汗)。
さてさて、ではそんな指導現場の話を少し。
関係代名詞の初回授業でのことだ。主格のはたらきをする関係代名詞の説明をしていたとき、
「ここまでで何か質問あるか?」
いつものように小刻みに確認をしながら進めていたところ、「はい」としっかりとした声で質問をしてくる子がいた。
『thatとwho、whichとの使い分けはあるんですか。』
なるほど良い質問だ。
「あるよ。でも今は関係代名詞の学習を始めたばかりだから、このタイミングでその使い分けを教えてしまうと少し混乱してしまうと思う。だから、もう少し学習が進んだら教えようと思うんだけど、それでいいかな?」
「はい。」
言わずもがな、whoは先行詞が人のとき、whichは先行詞が人以外のとき、そしてthatはいずれのときも使える。ここまで説明したタイミングで出た質問だった。
「whoとthat、whichとthat、使い分けは?」
というもの。
なかなか鋭い。いずれもthatが使えるならwhoやwhichなどなくてもいいのだ。でも、微妙に違い、そして、thatしか使えない場合もあるからこれだけ種類があるのだが、授業でも話した通りまだ関係代名詞を学習し始めたばかりだ、早々に踏み込んだところまで説明してしまうと混乱してしまう子もいるだろう。もう少し関係代名詞の使い方に慣れてきたところで教えようと思うし、今までもそうしてきた。
でも嬉しかった。なかなか質問をしてくる子が少ない中、鋭い質問をしてきたことに。意欲、探究心が垣間見えた瞬間。
本当はあまり分かっていないのに、面倒くさがって質問をせず「ま、いっか」で済ませてしまう子もいる。こういうことを極力減らすために、「分かったフリはするな」と授業中にはよく言うようにしている。もちろん、ろくに考えてもいないような質問や調べればすぐに分かるような質問には答えないけれど、難しいであろう単元や問題に直面し、その子なりに一生懸命考えたであろう跡がみえるときは、きちんと向き合い、その場で解決できなかったとしても、別途に時間を取って対応している(中には1から10まで何でも質問に答えてくれる“優しい”塾もあるけれど、長い目で見るとそれは決して子どものためにならない。「聞けば教えてくれる」が当たり前になってしまい、自分で考える癖がつかなくなってしまうからね)。
伸びる子の特徴の一つは、「質問力に長けている」ということ。
中途半端にせずに、時間の許す限りとことん考え抜く。それでも解決に至らなければ質問し、本質の理解に努める。理解ができれば記憶にも定着しやすい。
CLEARに通ってくれている子どもたちの一人でも多くが、そんな学びの姿勢を身に付けてくれたら、これほど嬉しいことはない。