難化の一途を辿る特色検査。
まずは、これから受験生となる新中3生に、「特色検査とは何ぞや?」から。以下、神奈川県ホームページから引用。
提示された文章や資料を読み取り、中学校までに習得した知識・技能を教科横断的に活用して、問題を解決する思考力・判断力・表現力や創造力を把握するための検査を行う。
引用:神奈川県ホームページ(特色検査概要)
つまりは、教科の知識や技能を総動員して立ち向かわなければならない、もはや“6教科目”ともいえる検査だ。求められる力は…
①論理的思考力・判断力・表現力
②情報活用能力
③創造力および想像力
④科学的思考力・判断力・表現力
これらは特定の教科だけでは測れない力。ゆえに教科横断的な検査が必要となる。ここでは、「共通問題+共通選択問題」を実施する高校を以下に列挙(横浜サイエンスフロンティアや横浜国際は独自問題による検査)。
◆学力向上進学重点校
・横浜翠嵐高校
・湘南高校
・柏陽高校
・川和高校
・厚木高校
◆学力向上進学重点校エントリー校
・希望ヶ丘高校
・横浜平沼高校
・光陵高校
・横浜緑ケ丘高校
・多摩高校
・横須賀高校
・鎌倉高校
・茅ヶ崎北陵高校
・平塚江南高校
・小田原高校
・大和高校
・相模原高校
上記いずれかの高校を志望するなら、志望校に馳せるぶれない想い、そして、惜しみない努力を積み上げていかなければならない。
参考までに今年度の特色検査の一部をご紹介。
問1共通問題(英文読解)
「国土面積・農地面積・農産物輸出額」等をテーマにした、数学・社会の知識や技能が求められる教科横断型問題。
問2共通問題(国語による文章題)
「暦」をテーマにした、数学・理科の知識や技能が求められる教科横断型問題。
問4選択問題
「情けは人のためならず」、「内接円と内接球」、「総当たり戦」のそれぞれのリード文から、国語・数学・社会の知識や技能が求められる教科横断型問題
問6選択問題
「見る」ということに関する3つの資料から、数学・理科・社会の知識や技能が求められる教科横断型問題
対策①(中2~中3夏頃まで)
まずは何より5教科の総合力を伸ばすこと。特に言語系教科の英語と国語。いずれも速読力が求められるため、早期に入試過去問等に触れて、ある程度の長文に読み慣れておくことが望ましい(学年関係なく)。そのうえで、数学・理科・社会も同様に、まずは基礎力(計算力・知識)の充実を。
対策②(学年や時期に関係なく)
主要5教科に留まらず、技能4教科や科学的現象、世の中の仕組みなどに興味・関心を持ち、その原理・原則への理解を深める。常日頃から「なぜ?」を考える習慣が求められる。机上の勉強だけできればいいはNG。
対策③(中3秋~入試本番まで)
資料などから得られる情報を整理した上で、論理的に考えられる力が求められる。パターン化された解法を身に付けることに終始せず、さまざまな角度から解法の手順を試みて正解を導いていけるよう、多種多様な問題に触れておくことが望ましい。全国入試問題がオススメ。
最後に。
特色検査の比率は1100点または1200点満点中100点~200点。だから、特色検査ばかりに気をとられて5教科の学力検査を軽視するようなことがあっては本末転倒。とにかくまずは5教科の得点力を確実にすることが最優先であるということを忘れずに。