公立高校 今昔物語~保護者様の頃とはこんなにちがう!~

まずはこちらを。

神奈川でかつて高校受験を経験された方にとっては懐かしく思われるだろうか。そう、まさに保護者様が中高生ぐらいの頃の公立高校普通科の偏差値一覧(web上の信頼できるデータから作成)。この頃はまだ学区があって、2年次で行われるア・テストと呼ばれる神奈川独自の選抜制度があった。進学先はそのア・テストでほぼほぼ決まり、ほとんど“落ちない入試”だった昔とは違い、学区も撤廃され人気校では競争率が高く“落ちる入試”となった今、神奈川公立高校(特にトップ校)についての想いを徒然なるままに…。

一覧からも分かるとおり、神奈川にはかつて、15校ほどのトップ校といわれる進学校が各学区にあった。だから突出するような超進学校は生まれず、県下にはまんべんなく優秀な生徒が点在していて、大量合格はないけれど、どの高校からも国立大、早稲田、慶應に合格していく生徒がそれなりにいた。

今では神奈川公立トップ校の双璧を担う横浜翠嵐・湘南と、近隣の地元トップ校の平塚江南・小田原を、東大合格者数の推移から見てみると…
<1980年代の東大合格者数>
横浜翠嵐 127
湘南 457
平塚江南 104
小田原 30
<1990年代の東大合格者数>
横浜翠嵐 65
湘南 237
平塚江南 46
小田原 30
湘南がずば抜けているけれど、それぞれ東大合格者を毎年複数輩出していたことがうかがえる。今ではにわかに信じがたいと思ってしまう方も多いかも。ところが…
<2010年代の東大合格者数>
横浜翠嵐 174
湘南 170
平塚江南 9
小田原 7
学区が撤廃されておよそ15年が過ぎた今、優秀な生徒は一部の高校に集約され、特定の5校だけに集まるようになった。それが、県より進学重点校の指定を受けている、
横浜翠嵐湘南柏陽厚木川和の5校だ。
※川和は2021年度以降の指定が決定

難関大学合格を当然のように目指し、身近なクラスメイトが有名国立大や早稲田・慶応などにバンバン合格する環境。これは、横浜翠嵐、湘南、柏陽、厚木、川和の5校が突出していると言わざるを得ない。この5校は確かにすごい。かつての神奈川にはなかった、難関大学に合格するためのノウハウや高みを目指そうとする雰囲気が学校全体にあり、上位層は東大や京大、医学部にも合格していく。中高一貫校や有名私立などに通わずとも十分に難関大学を目指せる環境が整っている。
一方、これら5校以外のかつての旧学区トップ校は凋落してしまったと言われるようになって久しい。昔であれば準トップ校に進学していたであろう子も合格するようになった。その要因は、人口減少による少子化、そして、学区撤廃による優秀な層の地元からの大量流出にある。それに平塚江南などは、中等教育学校の存在も否定できないだろう。かつては市内の優秀層がみな平塚江南に集まっていたが、目と鼻の先にある中等教育学校にどんどん流れているのが現状だ。

…でも!!!

大学進学実績だけが全てじゃないし、魅力的な地元トップ校はある。
だから進学実績でもかつての輝きを取り戻してほしいとも思う。
地元トップ校にはまだまだ底力があるはずだ。
ガンバレ!地元トップ校!!!
県全体での教育力の底上げを!!!!!

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