努力は才能の一つ

魔法の赤ボールペンの第一号が出た。
使い切ったら回収、そして新しいものをまた進呈し、受験直前期に御守りとして子どもたちそれぞれに返却するというもの。第一号のこの子は努力の天才だ。得意教科もあるが、決してそれに胡座をかかず、苦手教科にも積極果敢に取り組もうとする姿勢もある。

第一号のこの子を見ていると、前職時代のとある子(ここではMと記しておく)を思い出す。
Mは誰よりも努力する子だった。定期テスト前や受験期は、ほぼ毎日塾の自習室にカンヅメになって頑張る姿がそこにあった。けれども、それだけ頑張っていてもなかなか自分に自信を持てないでいたMは…
「先生、私には特に優れた、誇れるようなものがないんです。得意教科があるわけでもないし…。」と。
そんなMにかけた言葉が、
「努力できるというのは才能の1つだと思うけどな。」
何気なくかけた一言だった。けれども、Mにとっては、いつまでも心に残るものだったらしい。
そんなMは最終的には平塚江南に進学。その後無事に卒業し、俺がこのCLEARを立ち上げて間もない頃に、進路確定の報告を兼ねて、温かなメッセージをくれた。今も読み返すと涙が出そうになる。
>>>(以下、2016.10.25 CLEAR講師ブログより)>>>
前職での教え子より頂いたメッセージ。勇気をもらえた。ありがとう。
以下、原文のまま記載します。
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長谷川先生、先生は私の恩師です。
「努力は才能の1つ」この言葉は長谷川先生から頂いた一生の宝物です。

努力することで目標が叶い、成功した喜びを感じ自信が身につき、また目標ができたら、努力して成功した自分を信じて頑張ることができます。
大学受験も、精神が弱くなった時、度々この長谷川先生のお言葉を思い出し、自分に言い聞かせて必死に机に向かいました。
受験を終えて、改めて努力する素晴らしさを実感することができました。努力って無限大ですね。
長谷川先生に出会わなかったら、高い壁も乗り越える前に諦めてしまう人になってしまっていた気がします。
今の自分があるのは先生のおかげです。長谷川先生に出会えて本当に良かったです(^O^)
大学生になった今、両親にも感謝しながら、自分の興味あることに果敢に挑戦していきたいです。
長谷川先生もお体に十分気をつけて、新しい職場でも頑張って下さい。
応援しています!
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彼女は第一志望の早稲田に合格した。「直接伝えたかった」とわざわざ報告に来てくれた。きっと充実した大学生活を送ってくれていることと思う。
さぁ、ガンバロウ。
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このMを誇らしく思うのは、平塚江南や早稲田という偏差値の高い高校や大学に合格したからということでは決してない。ぶれることなく、志を全うしたことを誇らしく思う。どんなに苦しくとも、思うように行かずとも、諦めずに努力を続けることがどんなに貴いことか。
能力には差がある。それは致し方ないことだ。それなら、夢は諦めろ、希望は捨てろというのか。違うだろう。能力を補い、たとえ半歩でも前進し、夢や希望を手繰り寄せるのは努力だ。誰にも負けない努力だ。能力は有限、努力は無限のはずだ。だから、頑張らない子、いや、頑張れる環境にあるのに頑張らない子には俺は厳しい。烈火のごとく叱るときもある。

「努力は才能の一つ」
今も変わらぬ想いで子どもたちと対峙している。
どんなにキレイゴトと揶揄されようとも、だ。

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