特色検査実施校を志望する中3受験生へ

一連のコロナ騒動による長期間の休校。受験学年の中3生にとっては不安ばかりが募ることだろう。ましてや特色検査実施校を志望校として見据えている子にとってはその不安たるや言わずもがな…。

だが、焦ってもどうにもならない。条件はみな一緒だ。どんなときでも前を見て、自身を見失わずに然るべき準備をしっかりできる受験生が合格をつかむ。

◆特色検査に向けてのToDo

模試を積極果敢に受けることだ。実はこれまでの特色検査模試はあまり有効ではなかった。なぜなら各校独自の問題で内容も難易度もバラバラだったからだ。けれども、共通選択問題となってからは違う。求められる学力観も難易度も一定の方向性が保たれ、特色検査実施校の中でも明確な得点差が生じるようになった。故に各校で合格に必要とされる得点もおおよそ見当がつくようにもなった。模擬テスト会社も出題傾向が大方はっきりしたため作問するにも十分な分析ができる。模試結果の信憑性もさることながら、良問に数多く触れられるというのが何よりのメリット。

なるToDoは過去問だろう。まだ2年分しかないけれど、共通選択問題の過去問と同様に、各校独自だった頃の過去問にも取り組むべきだ。「バラバラだったから意味ないんじゃないの?」と思うかもしれないがそれは違う。これまでの各校の色をできる限り踏襲するよう作問されている。とくに選択問題がそれだ。パズル的思考を含む問題は希望ヶ丘でよく出題され、音楽や技術などの実技4科も絡めた問題は湘南でよく出題されていた。各校が求める学力観をできるかぎり踏襲するように選択問題は作られている。故に、各校独自であった頃の過去問も大事。特に、横浜SFは共通(選択)問題を採択しておらず、これまで同様に独自問題なのだから、過去問が何より最優先。

そして、英語・国語の読解力向上に努めること。共通選択問題となってからのこの2年、共通問題では英語・国語の読解が必ず出題されている。その長文に絡めて数学や理科など他教科の知識も求められるという、いわゆる教科横断的な構成となっている。学力検査の過去問に少しでも早く取り組もう。特に英語と国語。国語は言わずもがな学年など関係なく取り組める。英語も文法をまだ全て習っていないからといって後回しにせず、単語の意味を拾えば長文の大意はほとんど読み取れるのだから積極的に取り組んだ方が良い。神奈川の英語や国語はその文章量が多い。とにかくその分量に慣れることで特色検査に向けての勉強にもなる。

特色検査ではいわゆる“対策”なるものはなかなか難しい。特色検査は、5教科の学力検査のように練習を積めばそれなりに得点力が身につく類のものではないからだ。「練習=ルーティン」だけでは難しいのが事実だ。故に、いかなる問題にも“対応”できる力を向上させていかなければならない。そのためには場数を踏むこと。できるだけ数多く模試を受け、過去問を繰り返し、テレビや新聞などを通じて日々さまざまなことに関心をもち「考える」習慣を身につけること。

◆最後に…
ここまで特色検査に向けてのToDoをだらだらと書いてきたけれど、絶対に忘れてほしくないことを1つ!

まずは5教科の得点が大事!

特色検査ばかりに気を取られ、5教科をないがしろにするなどというのは本末転倒。5教科の基礎力があってこその特色検査であるということ、特色検査よりも学力検査の比率の方がはるかに高いということを決して忘れないように。

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