小さなガンバリを積み重ねていけるかどうか

「小さなことを多く重ねることが、とんでもないところに行くただ一つの道。」

これは言わずと知れた、2004年にイチロー氏がMLB記録であったジョージ・シスラー氏のシーズン257安打を抜いた時の言葉。

イチロー氏の凄みは、環境の変化に一切動じないところにある。日本だろうがメジャーリーグだろうがやることは変わらない。素振り、スローイング、そしてストレッチという基礎の基礎をとにかく徹底して繰り返す日々。少年野球の頃からの変わらぬルーチンが、類い希なバットコントロールと選球眼、そして加齢をものともしない運動能力をもたらした。誰にでもできる簡単で小さなことの積み重ねが、鈴木一朗氏を世界で唯一無二の “イチロー” にした。

大きなことを成そうとすると、大きなことをしなければいけないと考えてしまいがちだ。でも、いきなり大きなことを成そうとしても、ほとんどの場合うまくいくことはない。まだ実力が伴っていないのだから。大切なのは小さなことをコツコツと積み重ねていくこと。その積み重ねを誰にも真似できないぐらい続けていく。
最初から凄いことができる人はいない。誰もが最初は初心者。そこから小さなことを積み重ねることで一歩一歩成長し、進化していくものだ。目の前のほんの小さなことを少しずつ、でも、確実に積み重ね続けること。これが大きなことを成すためのただ一つの道。

学力差というのも、これに通ずるものがあると思う。
・毎日5分の英語の音読
・毎日10問の計算問題
・毎日10分の歴史教科書の読み込み
・毎日…

このようなことを365日続けていく。
決してムリな計画はだめ。
継続できるレベルのことを確実に。

1年後…もしかすると、とんでもないレベルに到達しているかもよ。

面接廃止により高校入試はどう変わるのか?

先日、2024年度の公立高校入試から一律の面接を廃止する旨が県教育委員会より発表され、業界では激震が走っている…ようだ。面接そのものがなくなる…ということよりも、それに伴う選抜方法そのものの変化に。

一部の高校では確かにほぼ形骸化している現行の面接。その面接について思うところはこれまでブログでも発信してきた。以下==は過去ブログより抜粋。
==========================
中3受験生は面接対策に入る。
事前に高校側に提出する面接シートなるものには…
・志望動機
・中学校での教科の活動に関する意欲
・中学校での教科外の活動に関する意欲
・自身の長所
を書く。これは全ての公立高校で問われる共通の観点だ。これに各校の判断により他の観点での質問がなされる。
「面接ではほぼ差がつかないから準備しなくても大丈夫だろう」なんて声をよく聞くことがある。確かに差をつけない高校はある。一方、露骨に差をつける高校もある。いずれにせよ、高校側から質問される内容が事前に明示されているという意味を考えてみてほしい。要するに…
「ちゃんと準備してこい!」
というメッセージの表れでもある。その場のノリで上手く答えればいいだろうなどと安易に考えているとすれば、それこそ勘違いも甚だしい。

これまではこのような面接を課すこの入試に、実は否定的な立場だった。「たかだか10分やそこらでその子の何を評価できるというのか?」また「予め質問される内容が分かっている面接は作為的になるばかりで意味がない」という考えがあったから。
けれども、ここ最近は肯定派だ。14歳や15歳の子にとって、自分自身のこれまでの足跡を見つめ直す機会などそうそうあるものではない。でも、面接シートを記入する過程や実際の面接を通じてそれができる。そこに面接の価値がある。これまでの自分、今の自分、その経験値から少しでも思い描ける自分自身の未来像を真剣に考える機会になるはずだ。だから、面接って大事だと考えを改めた。
==========================

では、本題へ。少々長くなりますがお付き合いを(特に現中2以下の生徒並びに保護者様は必読を!)。

以下が県教委が公開した2024年度以降の公立高校入試(共通選抜)の概要だ。

※詳しくはこちら(PDFファイル)をどうぞ!

注視しなければならない変更点は…
①特色検査に面接が含まれる!
特色検査というものは、これまでは自己表現検査と実技検査のみだったが(いわゆる難関校で実施される教科横断型の筆記試験は本来は自己表現検査といわれるもの)、そこに面接も加わる。
“特色検査”と名前だけ変わって事実上の面接を実施する高校もあるかも
②「主体的に学習に取り組む態度」が数値化!
5段階評定の観点(A~Cで評価)の一つである「主体的に学習に取り組む態度」が数値化され、第二次選考の資料として扱われる。提出物や授業態度により一層の意欲的な取り組みが求められる。
これまでのような、成績が振るわずとも「入試一本、実力勝負!」で合格を目指すことが現行よりも難しくなる可能性が高い。まずは成績(内申点)をしっかりと

今回の変更点で少し心配なのが、上記の②だ。かつては「関心・意欲・態度」という名目で評価されてきたこの「主体的に学習に取り組む態度」。これが面接に代替するものとして数値化されていくのだが、どうしてもこの観点は評価する側の主観に左右されることが多いのが現実(面接でもそれは心配されていた点ではあるけどね)。

心構えとして…
①面接が完全になくなると考えるのは早計。自分の志望校が特色検査と名を変えて面接を課すのかどうかは早めに把握を!
②入試一本勝負と決め込んで学校の成績を軽視するなどというのは愚の骨頂。特に「主体的に学習に取り組む態度」に関わる学習活動(授業態度や各種提出物)はより一層の努力を!

「主体的に学習に取り組む態度」の評価を上げるために…
自ら課題を見出し解決しようとする姿勢を
「誰かがやるだろう」という何でもかんでも“人任せ”はNG。少々面倒でも飛び込んでみる経験を。また、常日頃から“考える”機会を大事に。
提出物一つとっても取り組みの工夫を
「言われたからやった」と露骨に分かるようなものはNG。知識や技能を身につけるために自分なりの工夫を。また、言われずともプラスαができるように。

最後まで読んでいただきありがとうございました。
参考にしていただけたら幸いです。

【お知らせ】GWに伴う休校について

いつもありがとうございます。
さて、4月29日(金)~5月5日(木)は、年間スケジュールの記載のとおり休校となります。各種ご連絡およびお問い合わせに関しましては、連絡用メールまたはCLEAR公式LINEにて承ります。
どうぞ宜しくお願い致します。

進学塾CLEAR

宿題や持参物、時間に厳しいワケは

塾講師という仕事を続けて早二十数年。さまざまな子どもたち、親御様と接してきた。十年一昔とはよく言ったもので、十年前と現在とでは、子どもたちを取り巻く環境もずいぶんと様変わりしてきた。当時はOKだったものが現在ではNG、なんてことはワンサカある。諸行無常。時代は変わり続けていく一方、変わらないもの(こと)も…。

ナンダカンダでここ小田原市国府津に塾を立ち上げてもうすぐ丸6年。地域の皆様にも少しは認知していただけたかなと思う今日この頃…と同時に、“厳しい塾”としても認知されているかもしれないので、その理由なるところをちゃんと述べてみたいと思う(実際は厳しいというか普通だと思ってる)。

今も昔も変わらず子どもたちを導いていくうえで根っこにしているのは、確かな人間力の構築。その土台がしっかりとしている子は、やはり何事においても自分自身を律することができるため、勉強でも部活でも一定の成果を収め、やがて社会に出てからも一人前として認めてもらいやすくなる。信念などというと大袈裟に聞こえるけれど、そんな想いを大事に子どもたちとはずっと対峙してきた。

だから、宿題、持参物、そして、時間などにはとりわけ厳しい。宿題や持参物などは一度や二度忘れることはあるだろう、時間も間違えることはあるだろう、人間だもの。でも、それを再三の注意にも関わらず改善の見込みがないようであれば、烈火のごとく叱りつけるようにしてる。宿題や持参物、時間の遵守、これらはある種の“約束事”。約束を守れる人間は人から信用される。信用のできる人間というのは信頼のおける人間、一人前として認めてもらえるし、周りから愛されるものだ。そんな人間になってほしい。

だから、厳しい…と思われているのかも。正直、学校の成績に響く云々は二の次。評価のため、ではなく、社会で生きる一人間としてどうあるべきか、のため。でも、十数年前と比べたらこれでも相当ユルくなったんだけどな…、当時の教え子からすればびっくりしてしまうくらい(汗)。

塾則にも、挨拶、宿題、持参物等について明記しているのは、こんな想いゆえだ。まずは人間力ありき。そのうえで学力&成績向上、志望校合格を追いかける。あまり塾らしくないかもしれないけど、子どもたちの健全なる成長を願えばこそ。

読書×作文ゼミの一コマ

小5・6生を対象に、原則として月1ペースで開講している読書×作文ゼミ。
今月から短編小説「きよしこ(重松清著)」の読み込みを始めた。

吃音に悩んできた著者自身の少年期をモデルとした「きよし」が主人公の物語。思っていることを上手に話すことができず、ひとりぼっちだった少年が、様々な人との出会いを通じて「伝えること」を諦めない大人に成長していく。昨年NHKでドラマ化もされているので、知っている方も多いのでは?

今月は冒頭部分のみ。まずは普段の“勉強”という感覚ではなく、肩の力を抜いて思うままに読んでもらった。

読後は冒頭部分の感想の記述。次回までの宿題。

年間に数十冊の読破を…と考えていたけれど、2~3冊を時間をかけてじっくりと読み込むのもいいかもしれない。

次回は5月下旬に開講予定。続きの場面をしっかりと読んでいきたい。

【お知らせ】eトレFREE増設!

通塾生のみなさんへ

小中高いずれもeトレによる個別演習時間枠を増設!
◆毎週土曜日
◆15時00分~19時00分(時間内フリー受講)
◆高校現代文を除く全科目対応

◆小中高基礎レベル~高校大学入試レベルまで
※事前予約制(当日予約もOK)
※中高の定期テスト対策及び入試対策期は不定期開講

本日より受講可能です。
少しでも苦手を克服したいor得意を強化したい、
そんな気合いMAXの通塾生、
来たれ!

勉強している割にはなかなか成果に結びつかないのは…?

タイトルのとおり、勉強している割にはなかなか成果に結びつかない、そんなアルアルについて少しばかり。伸び悩んでいる子は参考にしてみてほしい。

①教科書を軽視
「よし!勉強するぞ!」と意気込んで、やたらと参考書やら問題集を買い集める子。でも、買って満足に陥るケースが多い。なぜ参考書やら問題集やらを買うのかというと、言わずもがな、教科書の内容がよく分からないから。でも、たいていそういうタイプの子は、教科書を本気で理解しようと努めていないことが多い。というか、面倒くさがってあまり教科書を開こうとしない。例えば社会。歴史の流れやら地理やら、チンプンカンプン。でも、教科書をじっくりと読んでみてほしい。難しく考えず、物語を読むような感覚で。それを数回繰り返すと、歴史の流れが自然と頭に入り、地理の理解も進むはずだ。「教科書を読まない⇒理解できない⇒参考書で手っ取り早く⇒でもその参考書も買って満足⇒結局理解できない」の悪循環になってはいけない。教科書を疎かにすることなかれ!

②ノートまとめが大好き
きれ~いにノートをまとめている子。それを決して否定するつもりはない。でも、得てしてそういう子に限って、テストの点数って意外に低かったりする。なぜかというと、きれいにノートをまとめることが目的になってしまっていて、理解を深めることや知識を定着させることが二の次になってしまっているから。ノートまとめはあくまで手段であって目的じゃない。赤や青といった色ペンを巧みに使い分けて美しいノートを仕上げる。そして、勉強した気になってしまう。ただし、ノートまとめそのものは悪いことじゃない。知識を整理し理解を深めるには有効だ。あくまで手段であるということを忘れなければ取り組むべきことの一つというのはお忘れなく。

夢実現に向けて

昨日、今日と、授業がない日に自習に来ている中3H。

「定期テスト前であろうとなかろうと、勉強時間を増やさないといかんぞ。家でできないなら自習に来た方がいい。」

半強制ではあるけれど(汗)、アドバイスに耳を傾けてくれた。ありがとう。
彼にはどうしても行きたい高校がある。中2の半ば頃だったか、そろそろ志望校をいくつか検討し始めた方がいいと子どもたちには話していた。具体的な高校が浮かばなかった彼に紹介してみたのは、横浜のとある難関公立高校。彼の資質や興味・関心をもっていることからその高校を勧めてみたところ、どうやら一目惚れしてしまったらしい。明確な目標ができたHは、第3回定期テストで自己最高得点を更新、あと一歩で400点台に迫るほどだった。第3回の好結果から大事な後期の成績に期待が持てたのだが、第4回(学年末)でコケてしまった。それが響いたのか、成績は思うように振るわず今に至る。

そんな経緯があったため、彼には自習をしに来るようアドバイスをした。
高き壁に挑もうとしているH。
夢実現に向けて精一杯頑張ってほしい。

新高1高校準備講座より

小中高大いずれも入学式のシーズンだ。
CLEARでは只今、新高1生を対象とした高校準備講座を開講中。主要教科の英数を頑張り中だ。

CLEARの高校部(自立学習ジム)は、その名の通り“自立学習”が基本。子どもたちはそれぞれに学習を進めていき、講師陣は質問対応に徹する。

高校によって進度も単元もバラバラというのもあるけれど、高校の学習内容は中学のそれよりも質量ともにそのレベルが著しく上がる。覚えるべきものも中学の比ではない。入学後間もないころは、それほど中学との違いを感じないかもしれないけれど、最初の定期テストを迎える頃になると、高1ギャップに早くも四苦八苦する子がチラホラ出始める。だから、「自分で勉強する」が身に付いていない子は、高校の学習内容についていけなくなる。

とかく“先生”というのは教えたがりだ。でも、教えすぎはむしろ成長の弊害にもなりえる。できるかぎり子どもが自分自身で考え、自分自身で解決するように促すのが望ましい。これは学年が上がれば上がるほど言えること。

お腹を空かせた子には魚を与えるんじゃない。
魚の釣り方を教えるんだ。

開校からの合格実績<2017~2022>を振り返る

CLEARは今夏で開校から丸6年。第6期まで卒塾生を送り出してきた。吹けば飛ぶような小さな塾ではあるけれど、多くの方々に支えられ、何とか歩みを進めてきた。感謝の気持ちでいっぱいだ。
ここでこれまでの高校受験結果を振り返ってみたい。塾っぽい記載の仕方に若干の抵抗はあるものの、たまにはいいかなと思った次第です。

【公立】
公立進学者43名中32名が下記高校に合格
湘南/小田原/平塚江南/
鎌倉/秦野/神奈川総合/
七里ガ浜/大船/藤沢西/
西湘/大磯/鶴嶺/
※記載は旧学区トップ校及び準トップ校+同等の偏差値帯の高校です。

【私立】
私立進学者11名が下記高校に合格
法政国際/日大藤沢/湘南工科/
相洋/鵠沼/アレセイア湘南/
※専願・併願ともに含みます。

こうして振り返ると、言葉では言い表せないさまざまな感情が湧いてくる。想いが成就した子、悔しい想いをさせてしまった子…。子どもたち一人ひとりにはドラマがあって、今でも昨日のことのように鮮明に蘇ってくる。
塾としてはまだまだ至らず、だ。大切な我が子を託してくれる親御様、第一志望合格に向けて懸命な努力を重ねた受験生たち。想いをくみ取り、寄り添い、しっかりと導けたか?今でも答えが出ない。いや、一生出ないかもしれない。でも、そうでなければならない、とも思う。そうでなければ、マニュアル化、画一化した指導しかできなくなる。一人ひとりに“答え”がある。それが受験であり、人生だ。